賃貸管理システムの選び方|主要製品・費用・導入時の確認点を比較

DX・システム

賃貸管理システム。家賃・契約・入退去から選び方を整理
目次

賃貸管理システムは、物件・契約・入居者の情報を整理し、家賃の請求、入金確認、オーナーへの送金・報告、更新・退去などを支援するシステムです。Excelや複数の台帳から同じ情報を何度も転記している場合、業務を見直す選択肢になります。

ただし、管理戸数や月額料金だけで選ぶと、分割入金や退去精算など、自社で必要な処理が残ることがあります。日常の業務と例外の両方を試し、移行・運用の条件まで比べることが大切です。

本記事では、賃貸管理の代表的な5候補を用途・機能・料金条件で比較し、必要機能、費用、デモ・データ移行の確認点を解説します。管理と仲介を兼業する会社に向けて、借主への物件提案と管理業務の分担も紹介します。

本記事は、賃貸仲介向けサービスを提供するFaciloの編集部が作成しています。家賃管理を担う製品とFaciloの仲介支援は区別して扱い、掲載順をおすすめ順位とはしていません。

賃貸管理システムとは?仲介システムとの違い

契約・入居者・家賃・送金を扱う管理業務

賃貸管理では、契約条件に沿った請求を行い、入金の状況を確認し、オーナーへ送金・報告します。契約更新、退去、修繕などが発生すれば、関連する情報や金額も更新する必要があります。

賃貸管理システムは、こうした業務で使う物件・契約・入出金の情報を結び付けるための仕組みです。たとえば契約条件を登録して請求へ使う、確認した入金を送金明細へ反映するといった流れを支援します。自動化できる範囲や、担当者による確認が必要な処理は製品・契約条件によって異なります。

物件提案・内見を扱う仲介業務

賃貸仲介は、部屋を探す顧客に候補を紹介し、内見や入居申し込みなどを進める業務です。管理部門が募集可能な物件を仲介部門へ渡す場面はありますが、借主への提案と家賃の入金管理は同じ作業ではありません。

区分

主な相手

扱う情報・業務の例

賃貸管理

入居者・オーナー・修繕業者など

契約、家賃、未収、送金、更新・退去、修繕

賃貸仲介

部屋を探す顧客、元付・客付の会社など

希望条件、募集物件、提案履歴、内見、申し込み

賃貸管理は入居者・オーナーに対する家賃・契約・送金・修繕、賃貸仲介は部屋を探す顧客への提案・内見・申込。募集情報や申込・契約情報が両業務の接点となる。
業務の境界と情報の受け渡しの概念図です。会社ごとの分担や製品の対応範囲によって異なり、双方向の自動連携を示すものではありません。

一つの製品が両方を支援する場合もあります。選定では、製品名に「賃貸」が付いているかより、必要な管理業務と仲介業務のどこまでを担うかを確認します。

管理会社・自主管理オーナーで必要範囲は変わる

管理会社では、複数オーナーへの送金・報告、管理担当者間の共有、会計との連携などが必要になりやすくなります。自主管理のオーナーでは、自分の物件の入金・契約・修繕を把握できればよく、受託管理会社向けの機能をすべて使うとは限りません。

まず「家賃・契約を管理したい」のか「借主への物件提案を改善したい」のかを分け、必要な範囲に合う製品を選びましょう。管理以外も含めた全体の整理は、不動産管理システムの選び方で解説しています。

探しているのが家賃管理ではなく、借主への物件提案や内見対応の改善であれば、Faciloの賃貸クラウドをご覧ください。顧客専用ページでの候補共有など、賃貸仲介を支援するサービスです。

賃貸仲介向けの賃貸クラウドを見る

賃貸管理で確認したい機能と月次業務

物件・契約・更新・入退去

基本となるのは、物件・部屋・オーナー・契約者などの情報と、その関係です。家賃、共益費、契約期間などが変わったときに、どの月から請求へ反映するかを確認します。過去の契約と現在の契約を区別できることも必要です。

更新や退去では、期日を知らせるだけでなく、連絡、書類準備、費用の確認、手続き完了まで追えるかを見ます。同じ部屋に次の契約が入る場合、前の入居者の記録や精算が混ざらないことも確認しましょう。

駐車場などを扱う場合は、部屋と一緒の契約か別契約か、家賃と同じ請求・入金で管理するかも要件になります。管理戸数だけでは表しきれない契約の形を洗い出してください。

管理と仲介を兼業する会社では、退去後の募集情報を引き継いだ先の接客も必要です。募集可能になった物件を借主へ紹介し、内見へつなげる業務を整えたい方は、Faciloの仲介向け機能をご確認ください。

賃貸クラウドの物件提案機能を見る

請求・入金消込・未収管理

入金消込は、実際の入金を、どの契約のどの請求に対するものか照合する作業です。請求額と入金額が一致するだけでなく、名義や対象月を確認する必要があります。

システムを比較するときは、銀行明細や保証会社のデータをどう取り込むか、差額や未入金をどう表示するかを確認します。一致する候補を自動表示する機能と、担当者の確認なしで処理を確定する機能は分けて考えましょう。

前月の未収と当月の請求をまとめて支払う、一部だけ入金する、契約者以外の名義で振り込むなど、例外の処理を試すことが重要です。未収の一覧と実際の残高が、処理後に整合しているかまで見ます。

オーナー送金・明細・報告

送金では、家賃などの入金、管理料、修繕費などを踏まえて金額と明細を確認します。契約によって計算・控除の条件が異なる場合、それぞれを設定できるかが選定のポイントです。

送金データや明細を作る機能があっても、銀行への送金実行まで同じシステムで自動的に完了するとは限りません。データ作成、承認、銀行への処理、結果確認のどこを誰が担うかを確認してください。

オーナーへ報告した後に訂正が必要になった場合も想定します。変更理由や再発行した明細を追えれば、担当者が変わっても説明できます。

問い合わせ・修繕・書類の記録

設備故障や入居者からの連絡は、受付だけでなく、対応担当、手配先、期限、完了確認を残します。修繕費用が発生した場合には、管理上の記録と支払い・控除の処理がつながるかを確認します。

書類管理では、最新の契約書や見積書を探せることと、過去の記録が残ることの両方が必要です。誰が閲覧・編集できるか、外部へ共有する際の方法も確認しましょう。

請求、入金確認、差異確認、送金・報告の流れ。契約条件、明細と請求の対応、差異、控除・送金金額や結果を確認する。
代表的な月次処理の例です。実際の順序や担当、承認、自動化の範囲は、契約条件・製品・銀行との運用によって確認します。

月次・随時の業務

システムで確認すること

人が判断・確認することの例

請求作成

契約条件・対象月からの作成、変更反映

請求対象、追加費用、確定前のチェック

入金照合

明細取り込み、候補照合、差額の表示

名義違い・分割入金などの処理

未収確認

未入金・残額の抽出、履歴

連絡内容、対応方針、次回確認

送金・報告

控除・明細・送金データの作成

承認、銀行処理、訂正

更新・退去・修繕

期日・進捗・関連書類の管理

条件の確認、相手との調整、完了判断

機能ごとに別々に確認するだけでなく、請求から入金、送金、報告まで情報がつながるかを試しましょう。自動化を増やす場合ほど、例外を見つけて確認する担当と手順が重要になります。

主要な賃貸管理システムを業務範囲で比較

以下の5候補は、賃貸管理の公式情報を確認できる製品・サービスとして紹介しています。市場の全製品を網羅したランキングではありません。確認日は2026年10月6日で、利用条件・提供範囲は導入時に改めて確認してください。

5候補の比較表

製品・サービス

提供方式・主な対象

確認した業務範囲

料金の確認方法・条件

連携・支援で確認すること

賃貸革命11

賃貸管理・仲介。クラウド版の案内あり

物件、契約、家賃、問い合わせ・修繕など

公式に条件付き料金例あり。版・戸数・台数・オプションをそろえて見積もり

移行データ・帳票、会計等の連携範囲、稼働までの支援

i-SP/SP-Ⅱ

i-SPはオンプレミス型、SP-Ⅱはクラウド型

台帳、契約、請求入金、支払出金など

SP-Ⅱは試用後の有償継続額の案内あり。製品・戸数等をそろえて見積もり

製品ごとの対応機能・連携先、既存環境、導入支援

アットホームの賃貸管理システム

クラウド型。契約管理プラン・家賃管理プラン

契約・更新・解約、家賃・オーナー送金等。プランで範囲が異なる

金額の案内は会員ログイン後のページ等で確認

必要プラン、関連サービスとの役割、導入時の支援

いい生活賃貸管理クラウド

管理会社・オーナー向けのクラウド型

物件、賃貸契約、入出金など

利用条件に合わせて初期・継続費用を確認

金融機関・保証会社等の対応先、関連サービス、移行支援

ReDocS

クラウド型。登録区画数・オーナー数によるプラン

物件、契約、家賃、帳票、オーナー精算など

公開料金あり。初期費用、区画上限、契約期間、オプションを確認

入金データ連携、試用、初期登録の担当範囲

出典:賃貸革命、i-SP/SP-Ⅱ、アットホーム、いい生活、ReDocSの機能・料金

表の項目は、各製品が案内する主な範囲です。すべてが同一プランの標準機能であるという意味ではありません。自社に必要な機能は、オプション・別サービス・個別設定のどれに当たるかまで確認します。

家賃・送金管理の選定とは別に、賃貸仲介の提案ツールも比較したい兼業会社の方へ。Faciloの賃貸クラウドは、借主への物件共有や内見対応を支援します。管理会計を代替する製品ではなく、仲介側を整える候補として資料をご覧いただけます。

賃貸クラウドの資料を見る

賃貸革命11:契約・管理と周辺業務を確認する

賃貸革命11は、物件・オーナー・入居者などの情報を、契約や家賃管理、問い合わせ・修繕などへ活用する製品です。公式では仲介関連の機能やクラウド版も案内されています。

既存の台帳から移す場合は、登録できる情報だけでなく、使っている帳票と必要な出力を確認しましょう。物件・部屋・契約情報のExcel取り込みも案内されていますが、すべての履歴や残高が無条件に移行できるとは考えず、対象と照合方法を相談します。

i-SP/SP-Ⅱ:提供方式と製品差を確認する

ビジュアルリサーチは、オンプレミス型のi-SPとクラウド型のSP-Ⅱを提供しています。公式の製品ページでは、台帳、契約、請求・入金、支払・出金などの機能が紹介されています。

会計連動や周辺サービスの利用では、対応する製品の表示まで確認してください。自社の環境に合わせて設定する範囲、提供元が担う保守、現場が行う確認作業を整理すると、方式による運用の違いを比べられます。

アットホームの賃貸管理システム:プランごとの業務を確認する

アットホームは、契約管理プランと家賃管理プランを案内しています。契約・更新・解約を管理したい場合と、家賃の請求・入金・オーナー送金まで必要な場合で、必要な範囲を確認します。

ATBBなどを利用していても、関連するサービスが自動的にすべて同じ契約へ含まれるとは限りません。物件情報や契約情報をどこで登録し、どのサービスで更新するかを確認しましょう。料金は一般公開ページだけで判断せず、会員向けの案内や担当窓口で確認します。

いい生活賃貸管理クラウド:入出金と周辺サービスの分担を確認する

いい生活賃貸管理クラウドは、物件、賃貸契約、入出金などを扱うクラウドサービスです。公式では金融機関や保証会社との連携、契約情報を使った帳票作成などを案内しています。

連携を検討する際には、金融機関・口座・保証会社・データ形式など、自社が使う対象に対応しているかを確認します。AIを使った消込支援などの機能も、候補の提示から確定まで、どの段階で担当者の確認が必要かをデモで見ておくと運用を決めやすくなります。

ReDocS:区画数と契約条件をそろえて比較する

ReDocSは、物件・契約・家賃・帳票・オーナー精算を扱うクラウド型の賃貸管理ソフトです。料金プランは登録区画数と登録オーナー数を基準に案内されています。

区画には部屋以外に駐車場なども含まれるため、自社の「管理戸数」と同じ数え方か確認します。入金データの連携などには追加の契約・費用が関わる場合があり、月額の基本料金だけで総額を判断しないことが大切です。

自主管理オーナーは必要範囲を絞る

自主管理では、入金、契約更新、修繕の記録が主な課題になる場合があります。複数オーナーへの送金や管理会社の部門別承認が不要なら、その機能の豊富さだけで選ぶ必要はありません。

一方、家族や外部の担当者と情報を共有するなら、閲覧範囲や記録の引き継ぎが必要になります。将来、管理を委託する可能性がある場合は、データや書類を渡せるかも確認しましょう。

候補を絞る基準は、製品の知名度や機能数ではなく、自社の管理形態・契約・例外処理に対応できるかです。

費用と無料で使える範囲の確認方法

戸数・区画・ユーザー・対象機能で見積もり条件をそろえる

最初に、管理する部屋、駐車場などの区画、オーナー数、利用人数、拠点、対象業務を整理します。同じ「100戸」でも、駐車場や別契約の扱いで課金単位が異なる可能性があります。

必要機能も具体化します。契約台帳だけか、家賃・送金までか、金融機関や会計との連携が必要かで総額が変わります。現時点の費用に加え、管理数や利用人数が増えた場合の変更条件も確認しましょう。

公開されている料金例と条件

製品・案内

2026年10月6日に確認した公開額

あわせて確認した条件

ReDocS ライト

月額2,980円、初期費用49,800円(いずれも税別)

100区画・100オーナー。6か月または1年契約・前払い。追加オプション等は別途

ReDocS ミドル

月額6,980円(税別)

500区画・500オーナー。初期費用や契約条件を含めて比較

ReDocS アドバンス

月額12,480円(税別)

1,000区画・1,000オーナー。上限を超える場合は個別相談

SP-Ⅱの試用申込ページにある有償継続の案内

初期費用100,000円、月額10,000円から(いずれも税別)

無料体験は100戸プラン限定。継続時はプラン変更が可能で月額はプランにより変動

賃貸革命の公式料金案内

月額17,600円(税別)から

月額利用にはリース契約が必要。契約台数等によって異なり、クラウド版共通の月額とは扱わない

出典:ReDocS公式料金、SP-Ⅱ公式トライアル・継続条件、賃貸革命公式料金案内

たとえばReDocSライトで、掲載された初期費用と月額の基本料金のみを12か月分合計すると、49,800円+2,980円×12か月=85,560円(税別)です。これはオプション等を含まない計算例で、すべての導入条件における初年度総額ではありません。

これらの公開額は課金・契約の前提が異なるため、そのまま安さの順位にはできません。ほかの候補も同じ業務範囲と期間で見積もりを取り、追加費用を含めて比較します。

初期登録・移行・連携・サポート・解約時出力

費用項目

確認する内容

初期設定・登録

物件・契約・帳票・口座・権限を誰が設定するか

移行

過去履歴、残高、未収、預り金をどこまで移すか

連携

金融機関・保証会社・会計等の接続と継続費用

支援

研修、問い合わせ、追加設定、復旧支援の範囲

契約終了・出力

データ・添付書類の取得方法、終了後の閲覧・費用

ReDocSでは、確認時点で初期データ登録代行が受付停止中と案内されていました。導入支援の項目が料金ページにある場合も、現在受け付けているか、自社がどの作業を担うかまで確認してください。

無料体験と継続無料を分ける

ReDocSは30日間の無料体験を案内しており、その後も継続利用する場合は有料プランの契約が必要です。今回確認した同製品の料金ページでは、継続無料のプランは案内されていません。

比較した候補の試用・無料条件について、今回確認できた範囲は次のとおりです。「案内を確認できず」は非提供の意味ではなく、対象の公式ページでは条件を確定できなかった項目です。

候補

試用・デモの確認結果

継続無料・追加確認すること

賃貸革命

製品ページに無料デモの依頼窓口あり

継続無料プランの案内は確認できず。デモと自社で操作する試用は区別して相談

i-SP/SP-Ⅱ

SP-Ⅱは最長2週間、100戸プラン限定の無料体験。i-SPの試用条件は今回の資料では未確認

SP-Ⅱは継続時に有料。期間満了前に継続確認があり、継続しなければID・パスワードが無効になる

アットホームの賃貸管理システム

今回確認した一般公開の製品ページでは無料試用の期間・機能条件を確認できず

継続無料プランの案内は確認できず。必要プランと試用の可否を窓口へ確認

いい生活賃貸管理クラウド

今回確認した製品ページでは無料試用の期間・機能条件を確認できず

無料の資料請求と無料利用は別。継続無料の案内は確認できず、試用条件を窓口へ確認

ReDocS

30日間の無料体験

継続は有料。初期費用・契約期間・区画数・追加機能を確認

SP-Ⅱの試用・継続条件は、公式トライアル申込ページに記載されています。試用で登録したデータを継続利用へ引き継げるか、出力できるかも、申し込み前に確認しましょう。

これは、賃貸管理に使うすべての製品に無料プランがないという意味ではありません。無料のサービスを候補にする場合も、登録件数、利用人数、請求・送金・出力などの機能制限と、終了後のデータの扱いを確認します。

「無料で試せる」と「必要な業務を無料で続けられる」は別です。試用の条件と、運用開始後の費用を分けて判断しましょう。

管理システムの費用に加えて、賃貸仲介の物件提案支援も検討する会社の方へ。Faciloの賃貸クラウドは、対象人数など自社の利用条件に合わせて見積もりを確認できます。

賃貸仲介向けの賃貸クラウドの見積もりを依頼する

導入前に実際の業務で試すチェックリスト

分割入金・名義違い・過入金をどう処理するか

デモには、個人情報を含まないテストデータを用意します。通常の満額入金だけでなく、自社でよく起きるケースを同じ条件で各製品に試してもらいましょう。

ケース

確認する流れ

結果として確認するもの

一部だけ入金された

入金を登録し、残額を確認する

未収額、対象月、次回の確認対象

振込名義が契約者と違う

候補を探し、確認して紐付ける

誰が何を根拠に処理したか

複数月分・複数契約分の入金

対象請求へ配分する

配分先と残額の整合

過入金があった

余剰額を確認し、社内方針に沿って処理する

預り・返金等の記録と確認状態

処理を誤った

確定後の訂正・取り消しを行う

元の処理、訂正履歴、関連明細への反映

これらは操作確認の例で、精算額や入金の充当順序の正解を定めるものではありません。契約と自社の処理方針に沿った結果を事前に用意し、そのとおりに記録できるかを検証します。

契約変更・退去精算・送金訂正を追えるか

賃料変更が月の途中にある、退去が取り消される、送金明細の作成後に修繕費が確定するなど、前後の処理に影響するケースも確認します。変更日と処理日が違う場合、どの月の帳票へ反映するかを見ます。

訂正前の情報が必要な場面では、履歴をたどれるか、出力した明細と画面の数値が食い違ったときに説明できるかを確認してください。担当者が手元のメモだけで補わなければ運用できない箇所が残るなら、設定や業務手順の見直しが必要です。

権限・操作履歴・復旧・会計連携を確認する

入力、確認、承認、出力などの権限を、担当者ごとに分けられるかを確認します。利用をやめたアカウントを停止する手順、個人情報を含む書類の共有範囲も対象です。

バックアップや復旧については、どこまで戻せるか、依頼方法、費用、復旧中の業務を確認します。「バックアップあり」という記載だけでは、削除した一件だけを戻せるか、どの時間の情報まで戻るかは分かりません。

会計との連携は、ソフト名、対象データ、形式、受け渡しの頻度を確認します。仕訳データを作成・出力できることと、会計システムへ自動反映されることは区別して、担当作業がどれだけ残るかを見ましょう。

担当者と締め日の運用を決める

処理ができても、誰が確認するか決まっていなければ完了できません。請求確定、入金確認、送金承認、月次締めの担当者と期限を決めます。不在時に引き継げる権限と手順も必要です。

比較の合格条件は、画面の操作ができることに加え、例外や訂正を含む一連の業務を、担当者が確認して終えられることです。テストで残った手作業は隠さず、必要な時間と確認方法を記録します。

兼業会社で、管理業務のテストとあわせて仲介側の流れも確認したい方へ。顧客への物件共有から内見リクエストまで、Faciloの賃貸クラウドの機能をご覧いただけます。

賃貸クラウドの共有・内見機能を見る

移行・導入を進める手順と事例の読み方

契約・残高・未収・預り金の対象を棚卸しする

移行対象は、物件名と契約者名だけではありません。現行契約、過去の履歴、未収、預り金、入出金、関連書類など、自社の月次業務に必要な情報を挙げます。

新システムへ移すものと、旧データとして参照できればよいものを分けます。過去の全履歴を移す場合は、対応する形式と費用が必要になることもあります。最終的に、どの資料を見れば過去の問い合わせへ答えられるかを決めましょう。

移行の基準日も明確にします。基準日以降に旧システムへ入った変更を、どこで管理し、最終取り込みへ反映するかが決まっていないと、切り替え直前の情報が抜けることがあります。

試験移行・突合・旧データ保管・切り替えの順に進める

まず少量を移し、文字、日付、金額、物件と契約の関係などを確認します。その後、全体の試験移行を行い、件数と金額を元の資料へ突き合わせます。

照合項目

全体で見ること

個別で見ること

物件・契約

対象件数、終了分の扱い

部屋・契約者・期間の紐付け

未収・残高

対象時点の合計と内訳

契約・月・費目ごとの残額

預り金等

残高と管理区分

対象契約・返還等の状態

オーナー情報

対象者・物件の関係

送金先、計算・控除条件

書類・履歴

対象範囲、欠落の有無

必要な資料を実際に開けるか

全体の金額が一致しても、別の契約へ誤って紐付いている可能性があります。合計と個別の両方を確認し、差異の原因と修正結果を残してください。

旧データと同じ対象時点で契約情報・残高・未収・預り金を試験移行し、件数・金額の全体照合と、契約との紐付け・月・費目ごとの個別照合の両方を行う。
照合観点を抜粋した図です。オーナー情報、送金先、書類・履歴なども本文の表に沿って確認し、差異の原因と修正結果を残します。

並行運用する場合は、正式な記録をどちらとするかを決めます。二つのシステムでそれぞれ訂正すると、どちらが正しいか分からなくなるためです。切り替え後に困った場合の問い合わせ先、旧データの参照方法、必要な出力の保管も決めておきましょう。

公式導入事例:三益不動産の契約・入金・更新管理

日本情報クリエイトの公式導入事例では、千葉県の有限会社三益不動産が、Excel中心の管理から賃貸革命を導入した取り組みを紹介しています。記事に記載された当時の管理規模は約800戸で、物件・オーナー・契約・家賃の情報をExcelで扱い、業務の増加に対応することが課題になっていました。

導入後の変化として、契約や更新、入金などの情報を確認しやすくなったこと、登録した入金情報をオーナー向け明細へ利用できることなどが紹介されています。賃貸革命公式導入事例:有限会社三益不動産

これは賃貸管理の実例であり、現在の賃貸革命11で同じ期間・成果になることを保証するものではありません。公開記事には、自社が移行するときの具体的なデータ形式や突合手順、費用までは示されていないため、導入前に個別確認が必要です。

事例は規模だけでなく、課題と導入範囲で読む

この事例から検討の材料になるのは、「Excelだから必ず切り替える」という結論ではなく、同じ情報を契約・更新・入金・明細へ使えるようにした点です。自社でも転記が多いなら、どの作業をつなげられるかを試す価値があります。

事例を読む際は、導入前の課題、対象業務、導入範囲、運用体制、移行条件、確認された変化を分けます。件数や削減時間が紹介されていても、自社の処理内容が違えばそのまま当てはまりません。

移行は件数・金額・関連付けを照合し、事例は自社との前提の違いを確かめて使いましょう。物件や顧客情報の整備方法は、不動産データベースの使い分けも参考になります。

賃貸仲介も行う会社向け:管理と物件提案を分けて整える

この章は、管理に加えて借主への物件紹介を行う会社向けです。家賃・契約などの管理だけを検討している方は、次の「よくある質問と選定の進め方」へ進めます。

管理台帳と募集・提案の役割を分ける

管理システムには、契約・入金・修繕など管理に必要な情報があります。一方、部屋を探す顧客には、募集条件、物件の特徴、比較する候補、内見方法が必要です。管理台帳のすべての情報を、そのまま顧客へ共有するわけではありません。

退去予定を受けた段階、募集条件が確定した段階、顧客へ紹介できる段階を区別し、担当間でどの情報を渡すかを決めます。募集停止や条件変更があった場合の連絡先も明確にします。

顧客への物件共有・閲覧状況・内見の流れ

仲介では、候補を送るだけでなく、顧客が比較し、質問や内見希望を伝えられることが重要です。提案物件がメールに分散すると、顧客が最新の候補を探しにくくなり、担当者もどこまで検討したかを把握しづらくなります。

Faciloの賃貸クラウドは、顧客専用ページで物件を共有し、閲覧状況の把握や内見リクエストを支援します。公式では、新着・賃料変更を営業担当へ通知する機能も案内しています。顧客全員へ変更内容を自動配信する機能と混同せず、通知を受けた後にどのように案内するかを決めます。賃貸クラウド公式情報

賃貸仲介で、複数の候補を顧客ごとにまとめ、どの物件を見ているかを接客に生かしたい方へ。賃貸クラウドの顧客マイページと閲覧状況の機能を確認できます。

顧客マイページと閲覧状況の機能を見る

既存システムとの連携は対象項目と方法を確認する

管理システムと仲介支援を併用する場合は、どの物件情報を受け渡すか、手動か自動か、変更や削除がどう反映されるかを確認します。両方で同じ物件を扱うというだけでは、直接のAPI連携があるとはいえません。

Faciloの公式FAQでは、対応する物件検索サイトや物件管理システムから、Chrome拡張機能を使って物件情報を取り込む方法を案内しています。対応先の詳細や、自社で必要な項目・処理については個別に確認します。

管理では契約・家賃・送金を、仲介では候補の共有・検討状況・内見を整え、その接点の情報をどう渡すかを決めましょう。一つにまとめるか別々にするかは、その流れを確認したうえで判断できます。

自社の賃貸仲介で使う機能を整理したい方へ。物件の取り込み、顧客への共有、内見への導線を、Faciloのサービス資料でまとめて確認できます。

賃貸クラウドの資料をダウンロードする

賃貸管理システムのよくある質問と選定の進め方

Excelから切り替える目安は?

管理戸数だけでなく、同じ情報の転記、入金と請求の照合、更新・退去の確認、担当者間の引き継ぎにどれだけ負担があるかを見ます。小規模でも、複数人の更新や複雑な契約があれば専用システムを検討する理由になります。

一方、Excelで更新・確認・保管が安定しており、必要な業務が無理なく終わるなら、すぐ切り替える必要はありません。現在の作業と課題を記録し、導入で何を変えたいかを先に決めましょう。

無料で続けられる?導入までどのくらいかかる?

無料の範囲は製品ごとに異なります。本記事ではReDocSの30日間、SP-Ⅱの最長2週間・100戸プラン限定の無料体験を確認しましたが、いずれも継続無料ではありません。候補の利用期間、件数・機能制限、終了後の条件を確認してください。

導入期間も、契約・残高などの移行量、帳票設定、連携、研修、月次処理の検証で変わります。申し込みからアカウントが発行されるまでと、自社業務を切り替えられるまでを分けて予定を組むことが大切です。期限がある場合は、試験移行と照合を含む日程を提供元と相談します。

管理と仲介を一つのシステムでできる?

両方を支援する製品もあります。ただし、管理の必須機能と、顧客への提案・連絡に必要な機能が同じ条件で満たせるかを確認してください。

一つに集約すると更新・共有がしやすくなる場合がありますが、既存システムに残すべき機能がある場合もあります。併用するなら、物件情報の更新元と引き継ぎ方法を明確にします。

必要業務と検証ケースを用意して比較する

賃貸管理システムを選ぶ際は、家賃・契約・送金などの必要業務を整理し、代表的な処理と例外を試しましょう。料金は初期費用、継続費用、連携・支援・終了時の条件までそろえます。

最終的には、自社のデータで必要な業務を完了でき、切り替え後も担当者が確認・修正できるかを基準に選ぶことが重要です。導入前に、確認したいケース、照合するデータ、担当者と期限を一枚に整理しておくと、候補との打ち合わせを具体的に進められます。

管理に加え、賃貸仲介の物件提案も整えたい方へ

管理システムで契約や家賃を整えても、借主へ紹介する物件や接客履歴が担当者ごとに分かれている場合、仲介側の課題は残ります。管理と仲介を兼業する会社では、客付けの接客を別の観点でも見直してみませんか。

Faciloの賃貸クラウドは、顧客専用ページでの物件共有、閲覧状況の把握、内見リクエストなどを支援します。候補を比較しやすくし、検討状況を踏まえて次の提案を行うための、賃貸仲介向けサービスです。家賃請求・入金消込・オーナー送金のシステムとは役割を分けて検討できます。

既存システムとの受け渡し方法や対象プランなど、自社の運用条件に合わせてご確認ください。

執筆:Facilo編集部/製品・料金情報の確認日:2026年10月6日