不動産管理システムの選び方|管理対象別の機能・製品を比較

DX・システム

不動産管理システム。管理する対象から、必要な機能を選ぶ
目次

不動産管理システムは、物件、契約、家賃、顧客、保有資産などの情報を整理し、関連業務を支援するシステムです。ただし、同じ呼び名でも製品が扱う業務は大きく異なります。家賃の入金を確認したい会社と、営業担当者の接客履歴を共有したい会社では、比較すべき候補が違います。

選定では、まず「何を管理し、どの作業を完了させたいか」を決めることが重要です。本記事では管理対象を4つに分け、代表的な製品、費用の比べ方、デモで確認する業務、移行時の注意点を解説します。機能の多さだけで決めず、自社に必要な範囲を整理するためにご活用ください。

本記事は、不動産仲介向けサービスを提供するFaciloの編集部が作成しています。自社製品も含めて公式情報を確認し、主な用途と確認条件を整理しています。掲載順はおすすめ順位ではありません。

不動産管理システムは「何を管理するか」で種類が変わる

最初に、自社の「管理したいもの」を明確にします。物件を管理するといっても、募集条件を更新すること、賃貸借契約を管理すること、保有不動産の収支を把握することは別の業務です。

管理対象

主な仕事

導入を考える課題の例

賃貸契約・家賃・オーナー送金

契約、請求、入金確認、送金明細、更新・退去

月次の照合や転記が多い、未収や更新を追いにくい

募集物件・掲載情報・在庫

物件登録、募集条件更新、広告掲載、募集状況の共有

媒体ごとに入力している、終了物件の更新が遅れる

顧客・反響・案件・接客履歴

反響受付、連絡、担当割り当て、提案、進捗把握

履歴が担当者の手元に分散し、引き継げない

保有資産・収支・修繕情報

資産台帳、契約、収支、予実、工事・設備の記録

物件や部門ごとに資料が分かれ、全体を把握しにくい

賃貸契約・家賃、募集物件・掲載情報、顧客・案件、保有資産・収支の4種類を、主な業務に対応させて整理。
選定前の用途の整理です。ひとつの製品が複数の対象を扱う場合もあり、機能範囲は個別に確認します。

賃貸契約・家賃・オーナー送金を管理する

賃貸管理会社が使うシステムでは、入居者や契約条件の管理に加え、請求・入金・未収・オーナー送金などが選定の中心になります。募集物件の情報だけでは、月次の管理業務は完結しません。

たとえば一部だけ入金された家賃を翌月へ引き継ぐ、退去月の精算を送金明細に反映するなど、自社の処理に対応できるかを確認します。家賃管理まで必要なのか、契約台帳だけでよいのかでも候補は変わります。

募集物件・掲載情報・在庫を管理する

募集情報を扱うシステムでは、物件情報を登録し、媒体への掲載や条件変更を管理します。不動産コンバーターなど、複数の媒体へ情報を連動させる製品もこの領域に含まれます。

確認したいのは、対応する媒体と項目、反映方法、更新のタイミングです。「一括入稿に対応」していても、自社が必要とするすべての項目が同じ方法で反映されるとは限りません。募集終了時の処理やエラーの確認方法も含めて比較します。

顧客・反響・案件と接客履歴を管理する

仲介営業では、誰から何の相談を受け、どの物件を提案し、次に何をするかを共有する必要があります。顧客情報と接客の経緯を中心に扱うのがCRMなどの顧客管理システムです。

物件台帳に顧客の名前を付記するだけでは、複数物件の検討や、売却と購入を同時に進める相談を追いにくくなります。顧客、案件、担当者、提案履歴をどの単位で関連付けるかを確認しましょう。

探しているのが顧客情報と接客履歴の共有なら、Facilo CRMも候補になります。反響取り込み、担当者との紐付け、接客履歴のタイムラインなど、仲介営業向けの機能を確認できます。

Facilo CRMの対応範囲を見る

保有資産・収支・修繕情報を管理する

自社所有不動産や受託資産を扱う場合、所在地・面積・契約に加え、物件別の収支、予算と実績、工事・修繕履歴などをまとめます。複数の不動産を横断して状況を把握する用途では、不動産資産管理やプロパティマネジメント向けのシステムが候補です。

現場の契約管理と経営側の収支分析が同じ情報を使えるか、会計や設備管理との役割をどう分けるかが重要になります。仲介の反響管理とは必要な画面や集計の軸が異なります。

「不動産ソフト」「業務支援」「基幹システム」という呼び名の違い

製品の名称だけで機能範囲は確定しません。「不動産ソフト」と呼ぶ製品が契約・会計まで扱うこともあれば、「管理システム」が主に物件掲載を指す場合もあります。基幹システムという呼び方も、会社にとって中心となる業務や情報が何かによって範囲が変わります。

呼び名の広さで比べず、自社の業務を「入力する情報・行う処理・出したい結果」に分けてから候補を選びましょう。複数の領域が必要な会社も、すべてを一製品へ集約すると決める前に、それぞれの要件を整理します。

業務別に必要な機能を整理する

賃貸管理:請求・入金・更新・退去

賃貸管理では、契約条件から請求を作り、入金と照合し、オーナーへの送金・報告へつなげる一連の流れを確認します。更新や退去で条件が変わった際、どの月の処理に反映されるかも重要です。

機能一覧に「入金管理」があっても、名義違い、分割入金、過入金、保証会社からのまとめ入金への対応は製品ごとに異なります。通常の入金だけでなく、自社で頻繁に起こる例外を挙げると、必要な機能が具体化します。

賃貸管理の製品比較や費用、導入前の確認点は、賃貸管理システムの選び方で詳しく解説しています。

仲介:物件情報・反響・提案・案件共有

仲介では、最新の物件情報を使い、顧客の希望に合わせて提案し、その反応を踏まえて次の対応を決めます。物件登録、反響取り込み、顧客管理、資料共有、営業活動の記録などを、どのシステムで担うか整理します。

同じ物件を複数の顧客に提案する場面や、担当者が不在のときに別の担当者が対応する場面を想定してください。顧客と物件の双方から履歴を探せるか、古い募集条件の資料を使わないようにできるかが確認点になります。

物件情報を登録するだけでなく、顧客への提案まで整えたい購入仲介の方へ。Faciloの物件購入クラウドでは、顧客専用ページで候補を共有し、閲覧状況を確認できます。

物件購入クラウドの提案・情報共有機能を見る

資産管理:物件別収支・契約・工事履歴

資産管理では、担当部門ごとに情報があっても、物件単位でまとめられなければ判断に時間がかかります。契約期間、収入と支出、工事や点検の履歴を、同じ物件に結び付けられるかを確認します。

収支を扱う場合は、予算、実績、見込みのどれを見ているかが分かることも必要です。会計上の数値をそのまま管理用の収支へ使うのか、別の集計が必要なのかを経理・現場でそろえます。

兼業の場合は、集約する範囲と残す範囲を決める

管理と仲介を行う会社では、空室情報を管理部門から仲介部門へ引き継ぐなど、業務の境目が課題になりやすくなります。システムを統一しても、どちらが募集条件を更新するかが曖昧なままでは不整合が残ります。

業務のつなぎ目

決めておくこと

管理から募集へ

募集可能日の確定、条件の更新担当、公開する情報

反響から営業対応へ

担当割り当て、初回連絡、履歴の保存先

提案から契約へ

契約情報へ引き継ぐ項目、確認する担当

管理から会計へ

仕訳や集計の単位、締め日、訂正時の処理

複数システムを使う場合は、それぞれの役割と「どの情報を正として更新するか」を決めることが、二重入力や食い違いを減らす出発点です。

管理対象別の代表的なシステムを比較する

以下は、2026年10月6日に確認した公式情報をもとにした用途別の比較です。機能の有無を一律の○×で示すのではなく、どの業務の候補になるかと、導入前の確認点を整理しています。同じ提供元でも製品や契約によって対象範囲が異なります。

比較表の見方:用途を合わせてから条件を比べる

主な管理対象

製品・サービス

公式情報で確認した範囲

選定時に確認する条件

公式情報

賃貸管理・仲介

賃貸革命11

物件・契約・家賃管理、問い合わせ・修繕など

提供方式、利用台数、移行・オプションを含む見積もり

製品情報

賃貸管理

i-SP/SP-Ⅱ

台帳・契約・請求入金・支払出金など

i-SPはオンプレミス型、SP-Ⅱはクラウド型。連携や機能の製品差

製品情報

募集・仲介・賃貸管理

いえらぶCLOUD

物件・顧客管理、不動産コンバーター、賃貸管理など

必要な業務範囲、利用機能、連動先と料金

サービス情報

賃貸管理

いい生活賃貸管理クラウド

物件・賃貸契約・入出金など

周辺サービスとの分担、連携対象、初期・月額料金

サービス情報

顧客管理・仲介の情報共有

Facilo CRM・物件購入クラウド/物件売却クラウド/賃貸クラウド

CRMの反響・接客履歴管理、各クラウドの業態別の共有・提案支援

対象製品、利用人数、提供中の機能、プラン・連携条件

会社・サービス案内

保有資産・運用

@property

資産情報、プロパティマネジメント、設備管理、ポートフォリオ

対象資産、導入する業務範囲、会計等との連携・見積もり

製品情報

家賃管理を探している場合、顧客管理専用の製品と同じ機能数で比較しても選定につながりません。まず用途の合う行を選び、次に自社の実務・費用・移行条件を比べます。表にない機能がすべて非対応という意味ではないため、必要な要件は提供元へ確認してください。

賃貸管理:賃貸革命11、i-SP/SP-Ⅱ

日本情報クリエイトの賃貸革命11は、物件・契約情報を家賃管理などの業務へつなげる製品です。仲介関連の機能もあります。クラウド版の案内もあるため、利用場所や機器、運用方法に合う提供形態を確認します。

ビジュアルリサーチのi-SPとSP-Ⅱは、賃貸管理業務を扱います。公式ではi-SPがオンプレミス型、SP-Ⅱがクラウド型と案内されています。製品名をまとめて扱い、片方の連携・機能がもう片方にもすべてあると判断しないことが大切です。

どちらも、請求から入金・送金に至る自社の流れを試す候補になります。管理戸数や会社規模だけで適否を決めず、契約の種類や例外処理、現在の帳票に必要な内容まで確認しましょう。

募集・仲介と管理:いえらぶCLOUD、いい生活の対象サービス

いえらぶCLOUDは、物件や顧客の管理、不動産コンバーター、賃貸管理などの機能を案内しています。複数業務をまとめたい場合に、どの機能を採用し、どこで情報を受け渡すかを検討する候補です。機能が一覧にあることと、同じ契約条件ですべて使えることは分けて確認します。

いい生活は複数の不動産業務向けサービスを提供しています。ここで比較する「いい生活賃貸管理クラウド」は、物件、賃貸契約、入出金などの管理を扱うサービスです。物件流通や仲介などの関連サービスを併用する場合は、サービス名と対象業務を分けて見積もりを確認します。

顧客管理・仲介の情報共有:Facilo CRMと業態別クラウド

Facilo CRMは、買い・売りの反響取り込み、顧客と担当者の紐付け、接客履歴、LINE・メール・SMSなどのコミュニケーション管理、反響・営業活動の分析を案内しています。公式名称は「Facilo AI駆動CRM」ですが、機能一覧には開発中のAI機能も含まれます。担当者の自動提案やアクション提案などを、すべて提供済みと判断しないようにしてください。Facilo CRM公式機能一覧

物件購入クラウドは買主への物件提案、物件売却クラウドは売主への情報共有・報告、賃貸クラウドは借主への物件提案・内見対応など、業態別の接客を支援します。家賃請求やオーナー送金を中心とする賃貸管理システムとは、主な役割が異なります。

反響・顧客管理を整えたいのか、購入・売却・賃貸の接客を改善したいのかによって、検討するサービスが変わります。自社の業務と照らし合わせたい方は、Faciloのサービス資料をご覧ください。

Faciloのサービス資料をダウンロードする

保有資産・運用:@property

プロパティデータバンクの@propertyは、不動産に関する情報を一元管理するクラウドサービスです。公式では、資産情報管理、プロパティマネジメント、ビルマネジメント、ポートフォリオの用途を案内しています。

物件の基本情報に加え、契約、収支、工事・修繕などを関連付け、複数の不動産を横断して把握する用途で検討します。現場の管理帳票と経営判断に必要な集計が一致するか、既存の会計・設備管理との分担を確認すると比較しやすくなります。

異なる用途の製品を一つの順位表に並べるより、自社の管理対象に合う候補を絞ったうえで、同じ業務を実行して比べるほうが選びやすくなります。

料金はライセンス料だけでなく移行・連携・運用まで比べる

利用人数・管理戸数・対象業務で条件をそろえる

費用は、利用人数、管理戸数・区画数、拠点、利用端末、機能範囲などによって変わります。公開されている最低額だけで比較せず、自社の条件を同じ資料にまとめて見積もりを依頼しましょう。

見積もりには、現時点の数量と増加した場合の条件を分けて記載します。たとえば管理物件が増えたときにプランが変わるのか、閲覧だけの担当者にも費用がかかるのか、別拠点の利用に追加費用が必要なのか、といった点です。将来の増加を断定するのではなく、変更時の費用を把握するために確認します。

初期設定・移行・保守・オプションを分ける

費用の区分

確認する内容

初期費用

アカウント・環境設定、帳票設定、初期研修

データ移行

対象データ、整形、試験取り込み、照合、再取り込み

継続費用

月額・年額、ユーザー・戸数・台数などの課金単位

連携・オプション

会計、金融機関、保証会社、媒体連動、追加機能

支援・保守

問い合わせ対応、追加研修、訪問、復旧支援

終了・切り替え

データ出力、利用終了後の閲覧、保管・移行費用

たとえば賃貸革命の公式料金案内には月額17,600円(税別)からという表示がありますが、月額利用にはリース契約が必要で、契約台数によって金額が変わる旨も記載されています。こうした条件付きの額を、すべての提供形態に共通するクラウドの月額料金として比べないことが重要です。賃貸革命の公式料金案内

年間費用を試算する場合は、初期費用と継続費用を分け、消費税、契約期間、支払い時期、更新・解約条件をそろえます。初年度の総額と、移行が終わった翌年以降の総額も分けて比べましょう。

併用する費用と二重入力の負担も見積もる

新しいシステムを入れても、既存の会計ソフトや物件管理が残ることがあります。新製品の利用料だけでなく、併用期間の費用、連携設定、手作業での情報受け渡しを含めます。

また、データを整える社内作業は提供元の見積もりに含まれない場合があります。名寄せ、古い物件の整理、契約残高の確認などに誰が時間を使うかも決めておくと、導入後の負担を予測しやすくなります。

価格を比較するときは、同じ対象業務を同じ期間で動かすための総額と、社内に残る作業を合わせて見ましょう。

仲介業務向けのFaciloを検討する場合は、対象サービスと利用人数をそろえて見積もりを確認できます。顧客管理や物件提案のどこを改善したいかを整理してご相談ください。

Faciloの料金見積もりを依頼する

自社に合うシステムを選ぶ確認軸

自社の実際の業務が完了できるか

「契約管理」「顧客管理」といった機能名を、自社で行う作業へ置き換えます。入力画面があるだけでなく、その後の確認、承認、帳票出力、訂正までを一連で試すことが大切です。

要件は、必須、運用で補える、将来検討するものに分けます。すべてを必須にすると候補を比較しにくくなりますが、日常業務で欠かせない条件を価格のために後回しにすると、別の台帳が増える原因になります。

他システムから入出力できるデータは何か

連携では、相手のシステム名だけでなく、対象データと方向を確認します。顧客を取り込めても、接客履歴や添付ファイルまで移せるとは限りません。CSVで手動取り込みする方法と、継続的な自動連携も区別します。

初回移行で使う入出力と、運用開始後に毎日使う連携を分けて質問しましょう。重複データ、削除、更新競合、取り込みエラーが起きたときに、どちらの情報を残すかも確認します。

物件・顧客・契約それぞれの正式な記録を決め、連携先ごとに対象項目、方向、更新時期、担当、エラー対応を確認する。
各正本を同じシステムに置くか、別々に置くかも含めて設計します。図の矢印は実装済みAPIや全項目の自動同期を示すものではありません。

顧客情報を移し替え、その後もチームで共有したい方へ。Facilo CRMの公式FAQでは、CSVによる顧客情報・追客履歴の取り込みや既存システムとの併用について案内しています。自社の項目や連携先への対応は個別に確認できます。

Facilo CRMの機能と移行・連携のFAQを見る

権限・ログ・バックアップ・復旧の範囲

閲覧・編集・出力・削除の権限を、役職や担当部門に応じて設定できるかを確認します。退職や異動時のアカウント停止、外部協力者への共有範囲なども対象です。

操作履歴が残る場合は、記録される操作と保存期間、検索・出力方法まで確認します。バックアップについても、存在の有無だけでなく、どの時点へ戻せるか、誰が依頼し、復旧までどう運用するかが重要です。特定の認証や暗号化の記載だけで、自社の必要条件をすべて満たすとは判断しないようにしましょう。

現場の使いやすさと支援内容

責任者だけでなく、日々入力する担当者にも試してもらいます。新規登録だけでなく、過去の履歴を探す、訂正する、他の担当者へ引き継ぐといった作業ができるかを見ると、実際の負担が分かります。

サポートでは、対応時間、問い合わせ方法、初期研修と追加研修の範囲を確認します。担当者が変わった場合の教育方法も決めておくと、導入後の利用を続けやすくなります。

契約終了時のデータ出力・保存条件

導入時点で、利用終了時の情報の持ち出し方も確認します。顧客や物件の一覧だけでなく、履歴、関連付け、添付ファイルをどの形式で取得できるかが重要です。

終了後に閲覧できる期間や、出力を依頼する締め切り、費用の有無も確認します。通常の検索画面で見えることと、移行可能な形式で出せることは別なので、可能なら実際の出力見本を確認しましょう。

クラウド・設置型の提供方式と運用責任

クラウド型では、利用できるブラウザや端末、通信環境、サービス停止時の運用を確認します。オンプレミス型では、自社側で用意する機器、保守、更新、バックアップの役割分担が検討事項になります。

提供方式だけで安全性や使いやすさを決めることはできません。自社の運用担当、拠点、既存環境と照らし、誰がどこまで対応するかを確認します。

機能の「有無」から一歩進み、入力・確認・訂正・引き継ぎ・終了までの操作と責任が明確かを比べましょう。

デモ・比較検討で確認する実務シナリオ

提供元の説明だけを聞くデモでは、基本的な操作は分かっても、自社の例外に対応できるかが残ります。個人情報を含まないテスト用データを用意し、同じ条件で各候補を確認すると違いが見えます。

賃貸管理:入金差額から送金明細まで確認

通常の満額入金に加え、一部入金、名義違い、前月分との合算などを用意します。どの請求へ紐付けるか、残った未収がどう表示されるか、送金明細へどう反映されるかを確認します。

処理を間違えた場合の戻し方も試しましょう。締めた後の訂正を別の担当者が確認できるかまで見れば、実務で必要なチェック方法を考えられます。

仲介:物件更新から提案・反響引き継ぎまで確認

物件の募集条件を変更し、顧客へ提案済みの情報がどう扱われるかを確認します。続けて、顧客からの返信を受け、担当者を変更し、次の担当者がやり取りと希望条件を追えるかを試します。

営業担当が「普段ならどの画面を開くか」を説明しながら操作すると、機能の不足だけでなく、使う順序や入力の重複も分かります。

賃貸仲介の提案から内見までを確認したい方へ。Faciloの賃貸クラウドでは、顧客専用ページ、閲覧状況、内見リクエストなどの機能を案内しています。

賃貸クラウドの接客の流れを見る

資産管理:契約変更から収支への反映を確認

契約条件や費用が変わったときに、物件別の実績・見込みへどう反映されるかを確認します。月次報告と年度の収支見通しで、同じ前提が使われるかを見ることも必要です。

テストの結果は、できた・できなかっただけでなく、必要な手作業、設定変更、追加機能、担当者の判断を記録します。自社の代表的な業務と例外を同じ条件で試すことが、製品説明だけでは分からない差を見つける方法です。

導入から移行・定着までの進め方

業務・台帳・入力担当を棚卸しする

移行する前に、既存の台帳やファイルを一覧にします。保存場所、更新者、利用者、何の判断に使うかを確認し、重複するファイルと今後も残す資料を分けましょう。

全データをそのまま移すことだけが目的ではありません。現行の契約・顧客対応で必要な情報、参照用として保管する過去データ、整理が必要な重複を区別すると、新しいシステムでの運用を決めやすくなります。

試験移行と照合、旧データの閲覧方法を決める

少量のデータで取り込みを試し、文字、日付、金額、担当者、関連付け、添付ファイルなどを確認します。賃貸管理なら残高や未収、仲介なら顧客と提案履歴、資産管理なら契約と収支の対応関係が重要です。

取り込めた件数が合っていても、必要な関係や履歴が欠けている可能性があります。代表的なデータを実際に検索し、元の資料と突き合わせましょう。旧システムは必要な出力と確認が終わる前に終了させず、閲覧・保管の方法を決めておきます。

棚卸し、試験移行、照合、切り替え、定着の5工程。件数に加えて関係や履歴を確認し、旧データの閲覧・保管方法も決める。
進め方の例です。試験で見つかった差異を直し、限定運用で一通りの処理を確認して切り替えます。

限定運用から切り替え、定着を評価する

対象部署や業務を絞って運用し、入力担当と確認担当が一通りの処理を行えるかを見ます。並行運用する場合は、どちらを正式な記録とするか、差異を誰が直すかを明確にします。

切り替え後は、ログイン人数だけで利用が定着したと判断しません。未記入の必須情報、残っている転記、担当者が別ファイルで補っている作業などを確認し、入力ルールや設定を調整します。

移行の完了は「データが入ったこと」だけではなく、現場が必要な業務を終え、確認・訂正・引き継ぎまでできる状態で判断しましょう。

仲介会社で導入後の運用をどう整えるか考えたい方へ。Facilo導入事例集では、物件提案や社内の情報共有を見直した会社の取り組みを確認できます。

Faciloの導入事例集を見る

不動産管理システムのよくある質問

小規模ならExcelのままでもよい?

担当者が限られ、更新・確認・保管を無理なく行えるなら、Excelを使い続ける選択肢もあります。戸数や顧客数だけで一律に切り替える必要はありません。

一方、複数の担当者が別々に更新する、関連する台帳へ何度も転記する、変更履歴が追えないといった課題があれば、専用システムを検討する理由になります。現在の作業と必要な権限を整理し、改善したい箇所を明確にしましょう。

無料プランと無料体験はどう違う?

無料体験は一定期間、機能を試すためのものです。無料プランは継続利用ができる場合でも、件数・人数・機能などの条件があります。料金ページで対象範囲と終了後の扱いを確認してください。

体験期間中に登録したデータをそのまま利用できるか、解約・移行時に出せるかも確認すると、試用の成果を判断しやすくなります。無料かどうかだけでなく、自社の必須業務がその範囲で完了するかを基準にします。

CRMや物件管理ソフトと何が違う?

CRMは顧客との関係や接客履歴、物件管理ソフトは物件情報や募集状況を中心に扱います。ただし製品ごとに機能が重なるため、名称だけで線を引くことはできません。

家賃・契約を管理したいのか、物件を募集したいのか、顧客への対応を共有したいのかを先に分けると、必要なシステムを選べます。顧客管理を詳しく整理したい方は、不動産CRMの選び方をご覧ください。

家賃管理ではなく、反響や接客状況の共有を改善したい場合は、Facilo CRMの機能を確認できます。顧客ごとのやり取りと次の対応をチームで把握するための選択肢です。

Facilo CRMの顧客・接客管理機能を見る

自社で管理したい情報と業務を決め、候補を絞る

不動産管理システムは、賃貸管理、募集物件、顧客管理、保有資産のどこを扱うかによって候補が変わります。まず自社で困っている作業を挙げ、入力する情報、必要な処理、出したい帳票・判断材料を整理してください。

そのうえで、用途の合う製品に絞り、同じ条件で費用とデモを比較します。移行・運用・終了時の出力まで確認すると、導入後に別の台帳で補う作業が残らないかを検討できます。

候補へ相談する際は、必要業務と実際に試したいケースを持参すると、一般的な機能説明から自社に合う比較へ進めます。顧客・物件などの情報の整え方は、不動産データベースの種類と使い分けも参考になります。

仲介の顧客管理・物件提案を整えるならFacilo

反響情報は顧客管理、提案した物件はメール、接客メモは担当者の手元。そのように情報が分かれていると、次の担当者が顧客の状況を理解するまでに時間がかかります。

Faciloは、不動産仲介の顧客管理と業態別の接客を支援します。Facilo CRMで反響・接客履歴を共有し、物件購入・売却・賃貸の各クラウドで、相手に合う情報共有や物件提案を整えられます。家賃請求やオーナー送金を行う管理会計の製品とは役割を分け、自社で改善したい業務に合わせて検討できます。

対象製品・プランによって提供範囲は異なります。既存システムとの併用・連携も含めてご確認ください。

執筆:Facilo編集部/製品・料金情報の確認日:2026年10月6日