【不動産売却ガイド】仲介と買取の違い・メリットデメリット・選び方を解説
不動産を売却する方法は主に「仲介」と「買取」の2つがあります。「どちらを選べばよいのか」と迷う方は多いのではないでしょうか。
仲介は市場価格に近い金額での売却を目指す方法、買取は不動産会社に直接売却する方法です。それぞれで売却価格やスピード、手間が大きく異なるため、ご自身の状況にあった方法を選ぶ必要があります。
この記事では、仲介と買取の違いやメリット・デメリット、向いている人・物件の特徴、選び方の基準を解説します。あわせて売却活動に役立つツールや事例も紹介するので、納得のいく売却を実現する参考にしてください。
不動産売却の方法
不動産売却の方法は、大きく分けて「仲介」と「買取」があります。仲介は不動産会社に買主探しを依頼する方法で、買取は不動産会社が直接物件を買い取る方法です。
売却価格や完了までの期間、必要な手続きが異なるため、それぞれの流れを把握したうえで判断する必要があります。ここでは、仲介と買取の基本的な流れを解説します。
仲介の流れ
仲介の流れは、以下の通りです。
- 売却の相談・査定の申し込み
- 査定結果の確認と比較・検討
- 売却の依頼(媒介契約の締結)
- 販売活動(広告掲載・内覧対応)
- 購入の申し込み
- 契約・引渡し条件の調整
- 不動産売買契約の締結
- 決済・引渡し
まず不動産会社に査定を依頼し、売出価格を決めたうえで媒介契約を結びます。その後、ポータルサイトへの広告掲載やレインズ(不動産流通標準情報システム)への登録を通じて買主を募集します。
購入希望者が見つかれば内見対応や条件交渉を行い、売買契約を締結。最終的に決済と引渡しで取引が完了します。売却までの期間は一般的に3〜6か月といわれ、物件によってはそれ以上かかる場合もあります。
買取の流れ
買取の流れは、以下の通りです。
- 売却(買取)の相談・査定の申し込み
- 査定結果の確認
- 売却(買取)条件の比較・検討
- 不動産売買契約の締結
- 決済・引渡し
不動産会社に査定を依頼し、提示された買取価格に合意できれば売買契約に進みます。買主を探す工程がないため、仲介と比べて手続きのステップが少なく、契約後は短期間で決済と引渡しを完了できるのが特徴です。
一般的に1〜4週間程度で売却が完了するケースが多く、仲介の3〜6か月と比べると大幅にスピードが異なります。
不動産売却の仲介と買取の違い|一覧表
不動産売却の仲介と買取の違いを、項目ごとに整理したのが以下の一覧表です。
*売買価格400万円超の場合の上限:詳しくは以下の記事を参考にしてください。
⇒不動産仲介手数料の計算方法と相場|売買・賃貸の上限額と抑える方法
仲介は市場価格に近い金額での売却を目指せる反面、時間や内覧対応の手間がかかります。一方、買取は価格面では不利になるものの、短期間でスムーズに売却を完了できるのが特徴です。
不動産売却の仲介のメリットデメリット
不動産売却の仲介は、不動産会社が売主に代わって広告や内覧案内、条件交渉まで一括で対応する方法です。売主の手間を抑えながら、市場価格での売却を目指せるのが特徴といえるでしょう。
ここでは、不動産売却の仲介のメリットとデメリットを整理します。
不動産売却の仲介のメリット
仲介では、不動産会社が価格設定から販売戦略の立案、購入希望者との交渉まで幅広くサポートします。レインズ(不動産流通標準情報システム)を通じて他社にも物件情報が共有されるため、売却チャンスを最大化できるのが強みです。
ここでは、仲介のメリットを整理します。
幅広い買主にアプローチできる
幅広い買主にアプローチできるのは、仲介の大きな強みです。不動産会社がレインズやポータルサイトに物件情報を掲載するため、依頼先の不動産会社の顧客だけでなく、他社を通じて物件を探している買主にも情報が届きます。
依頼先の不動産会社に購入希望者がいない場合でも、レインズを通じて他社の担当者が見込み客に物件を紹介することがありえるでしょう。
そのため、購入希望者と出会える機会が広がり、よりよい条件で売却できる可能性が高まります。
市場価格に近い条件で売却を目指せる
市場価格に近い条件で売却を目指せるのも、仲介の特徴です。周辺の成約事例や市場動向をもとに売出価格を設定し、一般の買主が購入を検討する相場を基準に取引を進めます。
買取のように不動産会社がリフォーム費用や利益を差し引いた価格ではないため、相場に近い金額での売却が期待できます。
販売活動や交渉を任せられる
販売活動や交渉を不動産会社に任せられるのもメリットです。仲介を依頼すると、広告掲載や内見の案内、購入希望者との条件交渉を代行してもらえます。
売主は手間を抑えながら売却活動を進められるため、仕事や家事と無理なく両立できます。価格や引渡し条件の折衝も不動産会社が間に入って行うため、精神的な負担も軽減されるでしょう。
サポートやアフターフォローを受けられる
サポートやアフターフォローを受けられるのも、仲介の利点です。不動産会社によっては売却前の査定相談だけでなく、引渡し後のフォローまで対応しています。
例えば、住み替え先の物件探しや税務に関する相談窓口を用意している会社もあり、売却前後を通じて安心感を得られます。
不動産売却の仲介のデメリット
仲介は市場での買主探しを前提とするため、売主がコントロールできない要素も多くあります。売出価格と成約価格は需給バランスや市場の変化に左右されるため、希望通りの条件で早期に成約するとは限りません。
ここでは、仲介のデメリットを紹介します。
仲介手数料が発生する
仲介手数料が発生する点は、仲介のデメリットの一つです。宅地建物取引業法で定められた仲介手数料の上限は「売買価格×3%+6万円+消費税」*となります。
*物件の価格により%は変動します
例えば3,000万円で売却した場合の仲介手数料は、最大105万6000円(税込)です。売却費用として事前に見込んでおく必要があります。
売却までに時間がかかる場合がある
売却までに時間がかかる点も、仲介のデメリットです。市場で買主を探すため、成約時期を正確に読むのは困難であり、一般的に3〜6か月程度かかるケースが多くあります。
物件の条件や市況によってはそれ以上の期間を要することもあり、買取と比べると現金化までに時間がかかります。
内見対応や調整の手間がかかる
仲介では、購入希望者の内見にあわせて、日程調整や事前準備が必要です。例えば、内見日時の連絡をやり取りしたり、室内を片づけたり、見学しやすい状態に整えたりする手間がかかります。
居住中の物件では、内見にあわせて外出や在宅対応が必要になることもあり、普段の生活に影響が出る場面もあるでしょう。
退去済みの物件は対応しやすい一方で、鍵の管理方法や不動産会社の運用によっては、売主が現地対応を求められることもあります。遠方に住んでいる場合は、引渡し前の確認や決済の場面で現地対応が必要になるケースも発生します。
価格交渉により値下げが発生する可能性がある
価格交渉により値下げが生じるケースもあります。購入希望者から売出価格に対して値引きを求められることがあるためです。
反響が少ないと、不動産会社から価格の見直しを提案されることもあるため、柔軟な対応が求められます。
市場価格に左右される
仲介での売却は、周辺の競合物件や市場全体の動向に成約条件が左右されます。同時期に近隣で類似物件が複数売り出されると、価格競争に巻き込まれて成約価格が下がるケースもあります。
売り出し時期の見極めや、競合物件の価格帯を意識した戦略的な価格設定が欠かせません。
不動産売却の買取のメリットデメリット
不動産売却の買取は、不動産会社が直接買主となる方法です。広告活動や買主探しの工程を省略できるため、スピードと手間の面で大きな利点があります。一方、価格面では仲介より不利になる傾向があるのも事実です。
ここでは、不動産売却の買取のメリットとデメリットを整理します。
不動産売却の買取のメリット
買取は不動産会社が直接買主となるため、一般市場での販売プロセスを経ずに売却が完了します。手続きの負担が軽く、売却時期の見通しを立てやすい点が魅力です。
ここでは、買取のメリットを整理します。
短期間で現金化できる
短期間で現金化できるのは、買取のもっとも大きな強みです。買主を市場で募集する工程がなく、不動産会社の査定額に合意すればすぐに売買契約へ移行できます。
早ければ1〜2週間程度で決済まで完了するケースもあり、仲介の3〜6か月と比べてスピードは圧倒的です。転勤で引越日が決まっている場合や、相続税の納付期限に間にあわせたい場合など、期限が明確な状況で特に有効でしょう。
内見対応や販売活動が不要になる
買取では、一般の購入希望者による内見がありません。室内の片付けやスケジュール調整、週末ごとの内覧対応といった負担から解放されます。
居住中の物件で小さなお子さんがいるご家庭や、遠方に住んでいて物件への行き来が困難な方でも、日常生活を維持したまま売却を進められます。
スケジュールを自分で調整できる
不動産会社との合意のもとで引渡し時期を設定できるため、自分のペースでスケジュールを組めます。住み替え先の工事完了にあわせたり、子どもの学期末まで居住を続けたりと、ライフイベントにあわせた売却計画を立てられるでしょう。
仲介の場合は買主側の都合に左右される場面もありますが、買取なら売主主導でタイミングを決められるのが大きな違いです。
仲介手数料がかからない
不動産会社が直接買い取るため、媒介契約を結ぶ必要がなく仲介手数料(媒介報酬)が発生しません。例えば3,000万円の物件であれば、最大約105万円(税込)の手数料が不要です。
ただし、仲介会社を通じて買取業者を紹介してもらう「買取仲介」では手数料がかかるため、取引形態を事前に確認してください。
契約不適合責任を免責にできる場合が多い
契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)を免責にできるケースが多いのも、買取の特徴です。不動産会社はプロとして物件のリスクを織り込んだうえで買い取るため、免責特約が付されるのが一般的です。
仲介で個人の買主に売却した場合、引渡し後に雨漏りやシロアリ被害、給排水管の不具合などが見つかると、売主が補修費用を負担しなければならないケースがあります。
築年数の古い物件ほど引渡し後のリスクが高まるため、この免責は大きな安心材料になります。
リフォームやクリーニングがいらない
買取業者はリノベーションや改修を前提に再販計画を立てるため、壁紙の汚れや設備の経年劣化、残置物があっても現況のまま引き渡せるケースが多数です。
仲介の場合は、内見の印象が購入判断を左右するため、売却前のリフォームやハウスクリーニングを行うケースが少なくありません。買取ならこうした事前投資が不要で、売主の持ち出しを最小限に抑えられます。
周囲に知られずに売却できる
買取は広告掲載を一切行わないため、ポータルサイトやチラシに物件情報が掲載されません。購入希望者が出入りすることもなく、近隣住民や知人に売却を知られるリスクがないのも買取の強みです。
離婚や債務整理に伴う売却など、周囲に事情を知られたくないケースで大きなメリットといえるでしょう。
売却の確実性が高く資金計画を組める
買取は不動産会社が買主となるため、「購入希望者が見つからない」「買主の住宅ローン審査が通らず契約が白紙になる」などの、仲介で起こりやすいリスクがありません。
売却価格と引渡し時期を早い段階で確定できるため、住み替え先の購入資金や相続時の遺産分割に向けた計画を具体的に立てられます。売却が不成立になるリスクを排除できる点は、資金計画を重視したい方にとって大きなメリットといえるでしょう。
築年数が経過している物件でも対応してもらえる
築年数が経過している物件でも対応してもらえるのは、買取ならではのメリットです。設備に不具合がある物件でも、売却の相談が可能です。
買取業者は改修や用途変更によるバリューアップのノウハウを備えているため、一般の購入希望者が敬遠する物件でも再販計画が成り立つ場合があります。仲介で一定期間売れなかった物件が、買取への切り替えによって売却に至るケースは珍しくありません。
不動産売却の買取のデメリット
不動産売却の買取は、短期間で売却を完了できる一方、価格面を中心にいくつかの注意点があります。買取条件は業者ごとに差が出るため、同じ物件でも提示額や契約条件が変わるものです。
メリットだけに目を向けず、デメリットをしっかり理解したうえで判断しましょう。
売却価格が仲介より低くなる
売却価格が仲介より低くなる点は、買取のもっとも大きなデメリットです。不動産会社は、買い取った物件を再販することを前提としています。以下の点を見込んで買取価格を決めるため、市場価格より低い金額になるのです。
- リフォーム費用
- 再販時の広告費
- 在庫保有中の維持管理費
- 将来の市況変動リスク
そのため、一般的な買取価格は市場価格の6〜9割程度と低くなる傾向があります。
ただし、比較するときは売却価格だけで判断しないことが大切です。仲介では、仲介手数料や修繕、清掃の費用が必要になる場合もあります。最終的にいくら残るかという「手取り額ベース」で比べたうえで、どちらが自分にあっているかを判断しましょう。
買取業者によって条件に差が出る
同じ物件であっても、買取業者の得意分野や再販戦略によって査定額・引渡し条件・免責条件は大きく異なります。マンションに強い業者と戸建てに強い業者では、同じ物件でも数百万円の差がつくケースがあるのです。
1社だけの査定で判断するのは避け、最低でも3社程度から見積もりを取って比較・検討しましょう。
不動産売却で仲介に向いている人・物件
不動産売却で仲介に向いているのは、価格を優先したい場合や、売却まで時間に余裕がある場合です。市場で買主を探す方法のため、成約まで一定の期間がかかり、内見対応への協力も必要でしょう。
ここでは、仲介に向いている人・物件の特徴を具体例とあわせて解説します。
市場価格で売却したい人
「相場に見合った価格で手放したい」と考える方には、仲介が適しています。周辺の成約事例や市場動向を踏まえて売出価格を設定し、一般の買主を相手に取引を進めるため、相場水準での売却が期待できるでしょう。
例えば、都心のマンションで住宅ローンの残債が2,500万円ある場合、買取価格では残債を下回るリスクがある一方、仲介なら成約相場の3,200万円前後での売却が見込めるケースもあります。残債処理を考慮すると、仲介が合理的な選択肢になる場面は多いです。
売却まで時間をかけられる人
売却に半年以上の余裕がある方も、仲介に適しています。反響状況を見ながら価格や戦略を段階的に調整できるため、希望条件にあう買主が現れるまでじっくり待てます。
例えば、定年後に自宅を売却して地方への移住を検討している方で、「1年以内に売れればよい」という状況なら、最初は強気の価格で売り出し、反響を見ながら調整する戦略が取れるでしょう。時間を味方にして納得のいく売却を実現しやすいのが仲介の強みです。
内見や調整に対応できる人
購入希望者から内見を求められることがあるため、日程調整や立ち会いに対応できる方に適した方法です。
すでに退去済みの空き家であれば内件対応の負担はほとんどありませんが、居住中の物件では週末ごとの内見対応が続く場合もあります。室内の状況や見せ方の工夫が売却結果に影響するため、室内の整理に配慮できる方に向くでしょう。
需要が高く買主が見つかる見込みのある物件
購入ニーズが強いエリアや条件を備える物件は、市場で反響が集まる可能性が高いです。
- 築10年以内の物件
- 定期的にメンテナンスが行き届いている物件
- 大規模修繕が完了済みのマンション
- 屋根・外壁のリフォームを実施済みの戸建て
このような物件は、内見時の印象が良好で購入検討者の決断につながりやすく、成約までの期間も比較的短くなる傾向があります。ポータルサイトや広告など、仲介による広い募集で成約機会を増やせるでしょう。
人気エリアや立地条件がよい物件
駅徒歩10分以内や商業施設が近いなど、生活利便性が高い立地の物件は仲介での売却が有利です。購入需要が集中するため問い合わせが多く、複数の購入希望者が競合すれば、売出価格を超えた成約も起こりえます。
例えば、ターミナル駅から徒歩圏内のマンション、再開発エリアに隣接する戸建てなどは、仲介の集客力を活かすことで最大限の売却益が期待できるでしょう。
流通性の高いマンションや戸建ての物件
流通性の高いマンションや戸建ての物件も、仲介での成約が期待できます。2LDK〜3LDKなど標準的な間取りの物件や、ファミリー層に人気のある専有面積60〜80㎡前後のマンション・戸建ては、購入を検討する層が幅広く、成約事例も豊富です。
過去の成約事例が豊富な物件ほど適正な売出価格を設定しやすく、購入希望者も比較検討しやすいため、取引がスムーズに進む傾向があります。
不動産売却で買取に向いている人・物件
不動産売却で買取に向いているのは、スピードや手間の軽減を優先したい方や、仲介では反響が見込みにくい物件です。
ここでは、買取が特に有効なケースを具体例とあわせて解説します。
できるだけ早く現金化したい人
現金化を急いでいる人には、買取が向いています。査定額や条件に合意すれば即座に契約手続きに入れるため、売却完了までの見通しを明確に立てられるからです。
例えば、急な転勤で「1か月以内に自宅を売却したい」などのケースや、相続税の申告期限に向けて現金化を急ぎたい場合は、買取が有力な選択肢になります。
相続税の申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。仲介でも早期売却を目指すことは可能ですが、期限を重視する場合は、買取のほうが進めやすいでしょう。
周囲に知られずに売却したい人
離婚に伴う財産分与や債務整理、近隣トラブルからの転居など、売却理由を周囲に知られたくない事情がある方には買取が適しています。ポータルサイトへの掲載やチラシの配布がない買取であれば、近隣住民や知人に気づかれずに手続きを完了できます。
内見対応や手間を減らしたい人
日程調整や現地対応が負担になりやすい人にとって、買取は検討しやすい方法です。
- 共働きで週末も予定が詰まっている
- 子育てや介護などで時間を確保しにくい
- 高齢の親族に代わって売却手続きを進めたい
- 遠方に住んでいて、何度も物件を訪問しにくい
仲介では、売却までに複数回の内見対応が必要になることがあります。居住中の物件であれば、そのたびに室内を片づけたり、見学しやすい状態に整えたりする手間がかかります。
買取ならこうした負担を一切省けるため、本業や生活に支障をきたしません。
築年数が古い・状態に課題がある物件
築30年以上の物件、雨漏りや給排水管の劣化など設備に不具合がある物件、室内に残置物が大量にある物件でも、買取なら売却の道があります。
仲介の場合、築古物件は内見時のマイナス印象が強く、買主がつくまでに長期間を要しがちです。さらに契約不適合責任のリスクから売主が敬遠するケースもあります。
買取業者はこうした物件を改修前提で買い受けるため、現況のまま査定・売却を進められます。
立地や条件が弱く売れにくい物件
立地や条件が弱く売れにくい物件も、買取の検討対象です。例えば、最寄駅から徒歩20分以上の郊外の戸建てや、1階の日当たり不良のマンションなどは、仲介での成約が難航する傾向にあります。
買取業者であれば、エリアの賃貸需要を見込んだ投資用物件としての再販や、リノベーションによる用途変更など、独自の活用計画にもとづいて買い取る場合があります。
空き家や相続物件
空き家や相続物件には、買取が適しているケースがあります。相続で取得した実家や遠方の物件は、保有しているだけでも固定資産税などの負担が続き、建物の老朽化や草木の繁茂によって近隣トラブルが生じる可能性も否めません。
こうした物件は、早めに売却できれば維持管理の負担を抑えられます。相続登記は、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があるため、登記の手続きとあわせて売却方針を決めておくことが重要です。
相続人が複数いる場合も、売却して現金化できれば、遺産分割を進めやすくなるでしょう。
不動産の売却方法の選び方
不動産の売却方法は、何を優先するかによって選ぶべき方向が変わります。仲介と買取では売却の進み方も結果も異なるため、ご自身の状況に応じて見極めることが大切です。なお、状況によっては、売却せずに賃貸やサブリースで活用する方法も検討できます。
ここでは、売却方法の選び方の基準を紹介します。
優先順位をつける
優先順位をつけることが、売却方法を選ぶ出発点です。「価格」「スピード」「手間」の中でもっとも優先する項目を明確にしてください。
- 高値売却を優先するなら → 仲介
- 早期の現金化なら → 買取
- 手間を減らしたいなら → 買取
- 市場の反応を見ながら進めたいなら → 仲介
優先する項目が決まれば、仲介と買取のどちらが自分にあうかが見えてきます。
物件の条件を考える
物件の条件を考えるのも、売却方法を選ぶうえで欠かせません。需要の高いエリアにある築浅の物件であれば仲介での売却が適しています。
一方、築古物件や市場での需要が見込みにくい物件は、買取のほうがスムーズに売却を進められるでしょう。
時期を見極める
時期を見極めるのも、売却方法の選定に影響します。売却を急がないのであれば、仲介で条件を詰めながら進められます。
住み替えの期限が迫っている場合や、相続手続きとあわせて早期処分を進めたい場合には買取のスピードが有利です。
新学期前の1〜3月は購入需要が高まる時期にあたります。仲介を選ぶ際は、こうした季節要因も考慮して売り出し時期を決めるとよいでしょう。市況や金利動向も、タイミングを左右する要因です。
賃貸やサブリースも検討する
賃貸やサブリース(一括借上げ)も検討する価値があります。住宅ローンの残債を清算できる見込みがあり、賃貸需要も多いエリアであれば、物件を保有したまま家賃収入を得る選択肢も有用です。
ただし、サブリースは空室リスクを抑えられる仕組みである反面、賃料の見直しや契約解除に関する条件を事前に確認しておく必要があります。売却か保有かで迷う場合は、不動産会社に相談して判断するのも一つの方法です。
不動産の売却時に活用できるツール
不動産の売却時には、不動産会社が導入しているツールにも注目してみてください。近年は、査定結果や売却活動の進捗を顧客専用のマイページで共有し、売主がスマートフォンからいつでも確認できるサービスが広がっています。
例えば、不動産仲介業務に特化したクラウドツール「Facilo(ファシロ)」は、物件情報の一元管理や顧客ごとの専用マイページ機能を備えています。売主にとっては査定情報や販売状況を確認でき、担当者との情報共有もスムーズです。
不動産会社を選ぶ際に、こうしたツールを導入しているかどうかは、情報提供の透明性や対応品質を見極める基準の一つとなります。
スムーズな売却を実現したい方は、Facilo導入店へ問い合わせてみてはいかがでしょうか。
不動産ツール導入の成功事例
実際にFaciloを導入した不動産会社では、業務効率化や顧客満足度の向上などの成果が出ています。ここでは、2つの導入事例を紹介します。
三菱地所ハウスネット株式会社
三菱地所ハウスネット株式会社では、物件提案業務の複雑化により、顧客へ継続的に物件を紹介しにくい状況が課題となっていました。物件情報が分散していたことも、提案のしやすさや顧客体験の向上を妨げる要因となっていたのです。
そこでFaciloを導入し、顧客ごとの希望条件を無制限に登録して検索できる体制を整備。掲載準備中の物件も含め、マイページ上で顧客の希望にあう物件をできるだけ多く提案できるようにしました。
提案方法もメール中心からマイページ中心へ切り替え、物件ごとにコメントを添えて感想や魅力を伝えました。すると「見やすく、比較しやすい」といった声が増え、顧客からの返信や連絡の頻度が高まったのです。
実際に、掲載準備中の物件紹介から成約につながっています。Facilo導入により、業務効率化だけでなく、顧客体験の向上にもつながった好事例です。
参照:Facilo導入事例「三菱地所ハウスネット株式会社」
齋藤様ご夫婦(野村不動産ソリューションズ経由)
住宅購入を検討していた齋藤様ご夫婦は、野村不動産ソリューションズの担当者からFaciloのマイページで物件情報を受け取りました。
地図上に物件が一覧表示される機能やハザードマップとの連動で、物件の絞り込みを短時間で完了。夫婦間の情報共有もFaciloのURLを送りあうだけで済み、検討がスムーズに進みました。
内見前にマイページで十分な検討ができたため、1件目の内見で購入を即決しました。「Faciloがなければ家探しは続けられなかった」「いつか売却するときもFaciloを使いたい」と振り返っています。
参照:Facilo導入事例「齋藤様ご夫婦・野村不動産ソリューションズ」
不動産売却の仲介と買取に関するよくある質問
ここでは、不動産売却の仲介と買取に関するよくある質問を紹介します。
- Q1:不動産売却は仲介と買取のどちらがよいですか?
- Q2:不動産会社に買い取ってもらう場合、仲介手数料はかかりますか?
- Q3:買取保証とはどのような仕組みですか?
- Q4:仲介と買取を同時に進められますか?
Q1:不動産売却は仲介と買取のどちらがよいですか?
一概にどちらがよいとはいえず、売主の状況や物件の条件によって異なります。市場価格に近い金額を目指すなら仲介、短期間での現金化や手間の軽減を優先するなら買取が適しているでしょう。
迷う場合は複数の不動産会社に仲介・買取の両方で査定を依頼し、手取り金額やスケジュールを比較して判断するのがおすすめです。
Q2:不動産会社に買い取ってもらう場合、仲介手数料はかかりますか?
不動産会社が買主として直接買い取る場合は、通常だと仲介手数料はかかりません。不動産会社に依頼して買取業者を探してもらう「買取仲介」では、媒介にあたるため仲介手数料がかかります。
契約前に、その取引が直接買取なのか、買取仲介なのかを確認しましょう。
Q3:買取保証とはどのような仕組みですか?
買取保証とは、一定期間は仲介で買主を探し、期間内に成約しなかった場合に、不動産会社があらかじめ取り決めた金額で買い取る仕組みです。仲介による売却を目指しながら、最終的に売れなかった場合の備えとして利用されます。
なお、買取価格は仲介での売却価格より低くなることが多く、利用できるかどうかや条件は不動産会社・物件によって異なります。契約前に、価格や期限、適用条件を書面で確認しておきましょう。
Q4:仲介と買取を同時に進められますか?
仲介の査定と買取の査定を並行して依頼し、金額や売却までのスケジュールを比較検討することは可能です。複数の不動産会社に査定を依頼すれば、仲介での売却見込みと買取価格の違いを把握したうえで判断できます。
ただし、売買仲介の媒介契約を結んだ後に他社の買取へ切り替えられるかは、契約の種類によって異なります。媒介契約を結ぶ前に確認しておきましょう。
まとめ|仲介と買取の違いを理解して自分にあう売却方法を選ぼう
不動産売却の「仲介」と「買取」は、売却価格やスピード、手間、手数料など多くの点で異なります。市場価格での売却を目指すなら仲介を、短期間での現金化や手間の軽減を求めるなら買取を検討するとよいでしょう。
どちらが自分にあっているかは、物件の条件や売却の期限、何を優先するかで変わります。まずは複数の不動産会社に査定を依頼し、仲介と買取それぞれの見積もりを比較・検討してみましょう。
その際、査定情報や売却活動の進捗を顧客専用画面で透明性高く共有してくれる不動産会社を選ぶと、安心して売却を進められます。
Faciloを導入している不動産会社では、マイページを通じた円滑な情報共有や、物件情報の一元管理を行っています。信頼できるパートナー選びの基準として、検討してみてはいかがでしょうか。