不動産営業トーク集|ヒアリング・物件提案・内見で使える会話例

営業ノウハウ

不動産営業トーク集|ヒアリング・提案・内見の会話例
目次

「条件を聞いても話が広がらない」「内見後に『検討します』と言われると、次の言葉が出てこない」。不動産営業では、物件の知識があっても、会話の進め方に迷う場面があります。

使いやすいトークは、顧客を説得する決まり文句ではなく、相手が判断するために足りない情報を確かめる言葉です。希望を聞き、物件の良い点と懸念点を伝え、次に何を確認するかを一緒に決める。この順番を押さえると、台本を丸暗記せずに会話を組み立てられます。

この記事では、初回相談からヒアリング、物件比較、内見、保留・断りへの対応まで、場面別の返答例を紹介します。【共通】【購入】【賃貸】【売却】の表示を目印に、自分の業務に合う例を選んでください。会話例は編集部が作成した一般的な例であり、実在する顧客の発言や、成約効果を実証した台本ではありません。物件情報・費用・期限は、実際に確認できた内容へ置き換えて使います。

営業の仕事全体や担当する工程から整理したい方は、不動産営業の仕事内容と営業工程も参考にしてください。

すぐ使える不動産営業トーク|場面別の早見表

返答に迷ったら、相手の意向を確かめ、判断に必要な情報を補い、次の選択肢を示しましょう。質問を増やすこと自体が目的ではありません。すでに答えてもらった内容を繰り返し聞かず、顧客が知りたいことには先に答えます。

表は横にスクロールできます

場面

顧客の発言例

返答例

次に確かめること

【共通】初回相談

「まだ探し始めたばかりです」

「承知しました。今いちばん知りたいのは、費用・エリア・進め方のどれでしょうか」

相談の目的。初回相談の章へ

【共通】希望が曖昧

「良い物件があれば」

「今のお住まいで、次は変えたいと感じる点はありますか」

条件の背景。ヒアリングの章へ

【購入】予算とのずれ

「気に入りましたが、予算を超えます」

「価格以外の費用も整理したうえで、予算内の候補と比べてみましょうか」

総予算と優先順位。物件比較の章へ

【共通】内見後

「どちらも良かったです」

「毎日の暮らしを考えたときに、それぞれ気になる点はありましたか」

比較軸と未確認事項。内見の章へ

【共通】保留

「少し検討します」

「承知しました。判断するために、こちらで確認しておいた方がよいことはありますか」

情報が必要か、考える時間が必要か。保留への対応へ

【共通】明確な拒否

「もう案内は結構です」

「承知しました。ご案内は終了いたします」

対応終了の記録。断り対応の章へ

【売却】査定説明

「もう少し高く売れませんか」

「価格と売却時期のどちらを優先したいか、根拠となる事例とあわせて整理しましょう」

査定の前提と売主の希望。申込み・売却説明の章へ

たとえば「駅から遠いですね」に対し、すぐ「その分、静かですよ」と返すと、相手の懸念を打ち消してしまいます。「通勤時間が気になりますか。それとも、夜間の帰宅経路でしょうか」と確認すれば、次に調べる内容が変わります。

ただし、確認質問を重ねすぎると尋問のようになります。まず「気になりますよね」と受け止め、質問は一つずつ。返答を聞いた後で、自分の理解を短く伝えて認識を合わせましょう。

相手の意向を確かめ、必要な情報を補い、次の選択肢を示す。途中でも明確に断られたら案内を終了する。
会話を組み立てるための概念図です。すでに分かっていることを繰り返し聞く手順ではありません。明確な拒否があれば、どの段階でも案内を終了します。

会話の次に行う、提案や連絡まで整えたい仲介会社の方へ。

Faciloでは、購入・賃貸の物件提案、売主への情報共有、顧客対応の管理など、業務に合わせてサービスを確認できます。

→ 接客で使えるサービスを、業務ごとに見比べる

初回相談・反響対応で安心して話してもらう

初回の会話では、こちらが聞きたい項目より、顧客が問い合わせた理由を優先します。名乗る・用件を伝える・今話せるか確かめる、の順で始めると、会話の目的を共有しやすくなります。

【共通】問い合わせへの回答を先に伝える

物件の空き状況を尋ねられたのに、名前や勤務先、来店日時から聞き始めていないでしょうか。確認できていることと、これから確認することを分けて答えます。

顧客:「この物件はまだ紹介できますか」

返答例:「お問い合わせありがとうございます。○○不動産の△△です。現在の募集状況を確認して、○時までにご連絡します。ご回答はメールでよろしいでしょうか」

募集状況をすでに確認できている場合は、その結果から伝えます。掲載中だから空室だろうと推測したり、来店してもらうために回答を曖昧にしたりしないことが大切です。回答期限に間に合わないと分かった場合も、その時点で状況を知らせます。

電話で連絡する場合は、会社名・担当者名・問い合わせに関する用件を伝えた後、「今、2〜3分ほどお話ししてもよろしいでしょうか」と確かめます。長くなる内容なら、必要な時間も伝えて相談しましょう。

【共通】「まだ探し始めたばかり」に急がせず応じる

顧客:「すぐに決めるつもりはなくて、まず情報を集めたいです」

返答例:「承知しました。今日はお申し込みを前提にせず、探し方を整理しましょう。エリアの違い、費用、今後の流れのうち、どこから知りたいですか」

ここで確認したいのは「いつ契約してくれるか」だけではありません。住み替えの理由や、決める前に解消したい疑問が分かれば、紹介する情報を絞れます。時期が未定なら未定のまま記録し、勝手に期限を設定しないようにします。

案内を終えるときは「次にご連絡してもよろしいでしょうか。必要な場合は、どんな情報があると役立ちますか」と確かめます。情報収集の相談と、継続的な物件案内への希望は分けて聞きましょう。

【共通】「電話ではなくメールで」と言われたら

返答例:「承知しました。今後のご案内はメールにします。お問い合わせへの回答に加え、条件に合う物件のご紹介も必要でしょうか」

連絡手段の変更希望と、案内そのものを断る意思を混同しないことがポイントです。「電話は困るがメールで候補が欲しい」のか、「連絡自体が不要」なのかを、相手の言葉に沿って確認します。明確に連絡を断られた場合は、別の手段へ切り替えて勧誘を続けません。

記録には「メール希望」だけでなく、希望された情報と不要とされた連絡も残します。別の担当者から再度電話してしまうことを防ぐため、担当間で確認できる場所へ共有しておきましょう。

前回のメールやLINEを探してから接客を始めていませんか。FaciloのCRMでは、顧客ごとのやりとりをまとめて確認する機能を紹介しています。

→ 前回のやりとりから接客を始めるための機能を見る

希望条件と優先順位を聞き出すトーク

希望条件は、項目を埋めるだけでは提案に使いにくいことがあります。「何を希望するか」に加えて「その条件で何を実現したいか」を聞くと、条件を変える場合の判断軸ができます。答えにくい個人情報を強要せず、未定の項目も選べるようにします。

【共通】条件の理由と、譲れない点を聞く

顧客:「駅から徒歩10分以内が希望です」

返答例:「通勤時間を短くしたい、雨の日の移動を楽にしたいなど、駅までの近さを重視する理由を教えていただけますか」

顧客:「毎朝、子どもを送ってから電車に乗るので」

返答例:「それなら、ご自宅から園を経由して駅までの動線も確認したいですね。距離と間取りのどちらかを調整するとしたら、今はどちらを優先しますか」

「なぜ10分なのですか」とだけ聞くより、理由の例を添えた方が答えやすい場合があります。ただし、例に相手を当てはめないよう、「それ以外でも大丈夫です」と余地を残します。

条件が多いときは、必須・できれば・まだ判断できない、に分けてみましょう。全条件を満たす物件があるように期待させるのではなく、「まず必須条件で探し、候補を見ながら残りを比較する」進め方を提案します。聞き取りの項目や記入例は、購入・賃貸のヒアリングシートで確認できます。

【購入】物件価格だけでなく総予算と時期を確かめる

返答例:「物件価格の上限と、諸費用や入居準備費まで含めた総額の上限は、分けて考えていらっしゃいますか。まだでしたら、項目から一緒に整理できます」

予算の聞き取りでは、購入価格と、購入に伴う費用を混ぜないことが大切です。月々の返済額を話す場合も、金利・返済期間等の前提を確認せず「今の家賃と同じだから大丈夫」と断定しません。ローンの借入可能額や審査結果も、担当者の見込みで保証できるものではありません。

時期は「いつまでに買いますか」より、「お引っ越しの希望時期はありますか。更新や入学など、動かしにくい予定はありますか」と聞くと、背景が分かります。希望が決まっていない場合は、先に費用やエリアを整理する次の行動を提案しましょう。

聞き取った希望を、候補物件の比較につなげるなら。購入クラウドでは、買主専用のマイページで物件をまとめて提案する機能を確認できます。

→ 希望に合う物件を、買主と比較できる仕組みを確認する

【賃貸】月額費用・初期費用・入居日を分けて聞く

返答例:「毎月のお支払いは、家賃に管理費などを含めて、どのくらいまでをお考えですか。初期費用のご予算は別に決まっていますか」

家賃の上限だけで探すと、管理費や駐車場代を加えた段階で希望を超えることがあります。初期費用も、契約条件や入居日によって変わるため、物件ごとの見積もりで確認することを伝えます。

顧客:「できれば来月の初めに入居したいです」

返答例:「入居希望日を先に確認できて助かります。審査や契約、鍵のお渡しまでの予定を管理会社に確認します。現在のお住まいの退去日も決まっていますか」

ここで即入居を約束せず、物件の引渡し準備や手続きの見通しを照合します。「入居希望日」と「手続き上、実際に入居できる日」を分けると、次に何を調べるかが明確になります。

駅からの近さという希望から、その理由である園経由の動線を確かめ、優先順位を相談し、候補を同じ軸で比べる。
購入・賃貸に共通する聞き取りの架空例です。条件を緩めることを前提にせず、顧客が重視する点と未確認事項を整理します。

賃貸仲介会社の方へ。条件を聞いた後の候補提示や情報共有を見直したい場合は、賃貸クラウドの製品資料で機能を確認できます。トーク集の配布ではなく、業務支援サービスの資料請求です。

→ 賃貸の提案準備を見直すサービス資料を請求する

物件を紹介・比較するときのトーク

物件の魅力を多く伝えるだけでは、顧客は選びきれません。希望に合う理由と、希望から外れる点を並べて伝えると、比較する材料がそろいます。「おすすめです」の後に、何を根拠にそう判断したかを付け加えましょう。

【共通】良い点と懸念点を一組で説明する

返答例:「この物件は、ご希望の独立した作業スペースを取りやすい間取りです。一方で、駅までの距離は希望より長くなります。通勤と在宅勤務のどちらへの影響が大きいか、比較してみませんか」

日当たりや静かさなど、現地や時間帯で印象が変わる点は、資料だけで言い切らず確認方法も示します。「窓が南向き」と「一日中明るい」は同じではありません。確認済みの事実、自分の見立て、これから確かめる事項を分けて話します。

複数候補では、物件ごとに違う長所ばかりを並べないようにします。費用、移動、間取り、入居時期など、顧客が選んだ軸で比較すると、合う点・合わない点を確かめやすくなります。

【共通】他社の物件が第一候補と言われたとき

顧客:「別の会社で見た物件の方が良さそうです」

返答例:「どの点が気に入ったか、差し支えない範囲で教えていただけますか。こちらの候補と比べるときに、確認すべき点を整理できます」

他社や他の物件を、確かめていない情報で否定しないことが基本です。取り扱いの可否も、その場で確認できないなら後で調べると伝えます。顧客が求めているのは会社同士の評価ではなく、自分に合う住まいを選ぶための材料です。

「うちなら必ず安くできます」と約束するのではなく、見積もり条件や提供する業務の違いを確認します。同じ物件でも、費用項目や前提がそろっていない比較は判断を誤らせるためです。

【購入・賃貸】予算と希望が合わないとき

返答例:「今の条件では、確認できた候補が限られています。予算を守る前提で、駅距離・広さ・築年数のうち、見直せそうな条件はありますか」

条件を緩める話ばかりにせず、探す時期やエリアを再検討する選択肢も示します。ただし、待てば必ず安くなる、予算を上げれば必ず見つかる、といった予測はしません。

提案後は「Aは予算、Bは動線を優先した候補です。次はどの条件を確かめたいですか」と整理しましょう。資料の組み立ては物件提案書の項目と作り方も参考になります。

比較するたびにメールの添付資料を探す状態なら、買主へ渡す情報のまとめ方にも改善の余地があります。購入クラウドのマイページでは、候補物件を一覧で共有する機能を紹介しています。

→ メールに散らばる物件情報を、一つにまとめる方法を見る

内見中・内見後の本音を確かめるトーク

内見では、担当者の説明が長いほど顧客の感想を聞く時間が少なくなります。「良かったですよね」と同意を求めるより、良かった点と気になる点の両方を聞きましょう。否定的な感想も、次の提案を絞るための情報になります。

【共通】生活場面を想像できる質問をする

返答例:「普段お使いの家具を置くとしたら、どのあたりが良さそうですか」「朝の支度では、洗面所やキッチンを何人で使われますか」

広さの印象だけでなく、生活に合うかを確認する質問です。間取りを見て決めつけず、顧客の使い方を聞いたうえで、採寸や設備確認が必要なところを整理します。

分からないことは、その場で推測しません。たとえば「この壁に棚を付けてもよいですか」という質問には、賃貸なら契約条件や管理会社への確認が必要です。「できます」と先に答えず、確認先と回答予定を伝えます。

【共通】内見後は評価を急がず、残った疑問を聞く

返答例:「実際に見て、資料で想像していた印象と違った点はありましたか」「良かった点と気になる点を、一つずつ教えていただけますか」

「どうでしたか」だけでは答えにくい人にも、評価する観点を示せます。反対に、すでに詳しく話してくれている場合は、質問を機械的に追加せず、内容を要約します。

返答例:「収納は十分で、帰宅時の道の暗さが気になるということですね。夜の周辺状況を確認してから判断したい、という理解で合っていますか」

不安の解消方法が分かれば、担当者が調べることと、顧客自身が体験して確かめたいことを分けます。顧客の感想を「日当たりが悪い物件」と事実化せず、「内見時に暗く感じた」と記録することも大切です。

【共通】複数候補で迷ったら、優先順位に戻る

顧客:「AとBで決められません」

返答例:「最初に重視していた通勤と収納で見ると、AとBはそれぞれどう感じましたか。内見後に優先順位が変わった点もありますか」

最初の条件に縛り付けるのではなく、現地を見て変わった希望も更新します。家族の意見が異なる場合は、誰の希望が正しいかを担当者が決めず、それぞれの重視点と確認したい情報を並べましょう。

賃貸の内見前に、どこまで候補を比較できる状態を作るか。山一地所の社宅営業では、物件提案の準備と顧客とのやりとりを見直しています。チームでの運用を考える材料になります。

→ 繁忙期の提案方法を変えた、賃貸仲介会社の事例を読む

「検討します」「高いです」「もう結構です」への対応

保留の言葉には、情報不足、家族との相談、考える時間の確保、そして断りなど、異なる意味が含まれます。保留理由を確認する場面と、明確な拒否を受けて案内を終了する場面を分けてください。断りを乗り越えるための切り返しを用意する考え方は避けましょう。

懸念を受け止めてから説明を加える話法については、Yes But法の使い分けと避ける場面で例を確認できます。明確な拒否を覆すための切り返しには使いません。

【共通】「検討します」には、必要な情報を一度確かめる

返答例:「承知しました。判断するうえで、こちらから追加した方がよい情報はありますか。それとも、今はお時間が必要でしょうか」

追加情報が必要なら内容と回答日を確認し、時間が必要なら、相手の希望に応じて次の連絡を相談します。「いつ決めますか」と追い詰めたり、「今日決めないとなくなります」と未確認の状況で急がせたりしません。

顧客:「必要ならこちらから連絡します」

返答例:「承知しました。こちらからのご案内はいったん止めます。確認したいことが出てきましたらお知らせください」

この返答をしたなら、その約束を記録して守ります。担当者だけが覚えている状態にせず、他の担当者にも連絡停止が伝わる運用にしましょう。

【共通】「高い」には、何と比べた負担なのかを確認する

返答例:「月々の支払い、初期費用、似た物件との価格差のうち、特に気になるのはどこでしょうか」

価格への不満と、支払える金額を超えていることは別です。前者なら比較条件、後者なら予算内の候補を整理します。内訳を説明しても予算を超えるなら、説得を続けるより別の候補を探す方が目的に合います。

値下げの希望を受けたときは、「ご希望として確認しますが、減額できるかは相手方の判断になります」と伝えます。まだ合意されていない値引き、ローン審査の通過、将来の値上がりや利回りを約束しないようにします。

【共通】家族や関係者との相談が必要なとき

返答例:「ご相談の際に、どの情報があると判断しやすそうですか。費用の内訳や候補の比較をまとめてお渡ししましょうか」

その場にいない人を説得する方法を持ちかけるのではなく、判断材料をそろえます。本人の了解なく家族へ連絡したり、共有してよいか分からない情報を送ったりしないことも大切です。

【共通】「もう結構です」には終了を伝える

返答例:「承知しました。これ以上のご案内はいたしません。お時間をいただき、ありがとうございました」

国土交通省は、宅地建物取引業者による迷惑な勧誘として、契約しない意思や勧誘を受けたくない意思を示した相手への勧誘継続などを案内しています。相手の拒否を、別の言い方や連絡手段で乗り越えようとしないでください。国土交通省・関東地方整備局の注意喚起

案内停止と、すでに依頼を受けている確認事項への回答など、必要な事務連絡の扱いが不明な場合は、何の連絡が必要かを区別して社内責任者に確認します。事務連絡を口実に新たな勧誘を続ける運用にはしません。

情報不足には確認して回答、時間が必要なら希望を確かめて待つ、明確な拒否には案内終了という異なる対応を示す。
順番に進む工程ではなく、意向に応じた対応の分岐です。「電話は困る」と「案内そのものが不要」も、相手の言葉に沿って区別します。

申込み・次回相談へ進むときの確認トーク

次の行動を提案するときは、顧客の希望と、まだ分かっていないことを確かめます。申込みへ進む意思の確認と、契約条件への合意を一つにまとめないことが大切です。申込み・審査・重要事項説明・契約等の手続きを、取引に応じて説明しましょう。

【購入・賃貸】申込みの希望と必要な手続きを確認する

返答例:「この物件で申込みの手続きを確認したい、ということでよろしいでしょうか。先に、必要な情報、今後の流れ、現時点で未確定の条件をご説明します」

申込書を出せば必ず契約できると誤解させないよう、売主・貸主の判断や審査など、該当する手続きを案内します。一方で、申込みならどんな場合も自由に撤回できる、と一律に説明することも避けます。具体的な書面、合意内容、進んでいる手続きに合わせて責任者へ確認します。

期限がある場合は、根拠を確認できたものだけを伝えます。「他にも検討者がいる」と言うときも、把握した事実の範囲にとどめ、申込みを急がせるために競合状況を作らないようにしましょう。

【共通】迷いが残るときは、小さな次の約束を作る

返答例:「今日は決めず、気になっている管理費と周辺環境を確認しましょう。こちらは管理費の内訳を○日までにお送りします。その後のご連絡は、必要でしょうか」

次回の約束は、来店や契約だけではありません。資料を送る、追加確認に答える、家族と比較する時間を取る、といった行動でも構いません。誰が、何を、いつまでにするかを短くまとめ、顧客にも伝えます。

商談途中の反応を確かめ、その後の対応を考える方法は、テストクロージングの質問例と返答別の対応も参考にしてください。

【売却担当向け】査定額と売出価格、売却時期を分けて話す

ここからは、住まいを探す顧客ではなく、売主への説明例です。

顧客:「査定額より高く売り出したいです」

返答例:「ご希望を踏まえて売出価格を検討しましょう。査定の根拠となる事例と、売却したい時期を整理したうえで、反響を見て価格を見直すタイミングも相談できればと思います」

査定額は成約価格の保証ではなく、売出価格とも区別して説明します。近隣の事例を出すときも、立地・面積・状態・取引時期などの違いを添え、単純な横並びにしません。

売出し後は「反響が少ないので下げましょう」と結論だけを告げるのではなく、問い合わせ・内見・顧客の反応など、確認できた販売状況を共有します。価格を維持する案と変更する案で、何を期待し、何を見直すかを売主と話し合いましょう。

売主への説明を、担当者の口頭報告だけに頼らないために。売却クラウドでは、売主のマイページを通じて販売活動に関する情報を共有する機能を紹介しています。

→ 売主と販売状況を共有する機能を見る

トークを自社用に整え、チームで練習する

トーク集は、読むだけでは担当者の接客に定着しません。固定するのは会話の目的と確認項目であり、顧客の返答まで台本どおりにする必要はありません。実際の情報へ置き換え、使った後の記録から改善します。

台本の可変部分と、確認が必要な事実を分ける

表は横にスクロールできます

区分

自社用に用意する内容

使うときの注意

冒頭

会社名・担当者名・用件

何の連絡か先に伝える

顧客ごとの情報

希望・予算・時期・連絡方法

前回の記録を読み、変化がないか確認

物件ごとの事実

募集状況・費用・設備・条件

確認日と確認先を残す

未確認事項

調べる内容・担当者・回答予定

その場で推測して埋めない

終了時

次の行動・期限・連絡の希望

顧客と認識をそろえて記録する

たとえば「すぐ入居できます」は固定文にせず、「入居可能日は確認中です。○日までに回答します」と、状況に合わせて変えます。上司が作った台本でも、物件や顧客の事情より優先されるものではありません。

接客メモは、事実・希望・約束を分けて残す

「A物件が良さそうだった」だけでは、次の担当者は判断できません。次のように、何を確認したかと、担当者の解釈を分けます。

  • 事実: AとBを内見した。Aの収納を採寸した。
  • 顧客の希望・感想: Aの収納は好印象。帰宅経路の明るさが気になる。
  • 未確認事項: 夜間の周辺環境はまだ確認していない。
  • 約束: 管理費の内訳を○日までにメール。追加の物件案内は現時点では希望なし。

記録する個人情報は業務に必要な範囲とし、社内の管理ルールに従います。感想を勝手に成約見込みへ置き換えず、顧客が実際に言ったことを中心に残しましょう。

担当が替わるたびに同じ説明をお願いしているなら、会話の引き継ぎ方を見直す機会です。顧客別のやりとりを確認するためのCRM機能を紹介しています。

→ 顧客対応の履歴をチームで共有できるか確かめたい

ロールプレイは、話し方より判断の過程を見る

練習では、営業役・顧客役・観察役を分け、答えを用意していない質問や、案内を断る場面も扱います。観察役は次の点を確認しましょう。

  1. 顧客の質問に先に答えたか。
  2. 事実と推測、未確認事項を分けたか。
  3. 希望に合わない点も説明したか。
  4. 拒否や連絡方法の希望を尊重したか。
  5. 次の行動を顧客と確認したか。

一度にすべてを直すより、今回は「説明前に一つ質問する」、次は「約束を最後に要約する」と改善点を絞ると、実践後に振り返りやすくなります。録音を使う場合は、利用目的や保管・閲覧の社内ルール、必要な説明等を先に確認します。

会話後の連絡については、追客の方法・頻度を設計する考え方も参考になります。接客時に聞いた希望と矛盾する連絡計画にしないよう、一緒に整えましょう。

練習だけでは解消しにくい、資料探しや履歴確認の手間も整理してみませんか。Faciloのサービス資料は、対象の製品を選んで請求できます。自社の購入・賃貸・売却などの担当業務に合う資料を確認してください。

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不動産営業トークのよくある質問

話すことが苦手でも使えますか?

使えます。長く話すことより、相手の質問を聞き、分かっていることを短く返すことから始めましょう。「何を確認する会話なのか」が分かれば、台本の一文をそのまま読まなくても対応できます。まずは初回相談、希望の確認、次回の約束の3場面を練習すると整理しやすくなります。

質問に即答できないときは、どう返せばよいですか?

「確認して、○日○時までに回答します」と、確認先と期限を具体化します。分からないまま「大丈夫です」と答えたり、調べる約束を忘れたりする方が信頼を損ねます。期限を決められない場合も、まずいつ進捗を伝えるかを約束しましょう。

電話と対面で同じ台本を使ってもよいですか?

意向を確認し、情報を補い、次の行動を決める目的は共通です。ただし、電話は今話せるかの確認が必要で、図面を一緒に見ることも難しいため、一度に伝える情報を絞ります。対面は資料を指し示して比較できますが、反応を決めつけず言葉で確認してください。

担当交代時に、もう一度ヒアリングしてもよいですか?

記録を読まずに最初から聞き直すのは避けましょう。「前回は通勤時間を重視され、AとBをご検討と伺っています。状況に変化はありますか」と、引き継いだ内容を伝えてから確認します。前任者の推測や古い情報を、確定事項として扱わないことも必要です。

顧客が判断しやすい会話と、提案の準備を整えよう

不動産営業のトークは、気の利いた切り返しを増やすだけでは改善しません。今の場面に合う例を選び、自社で確認した事実へ置き換え、顧客の希望と次の約束を残すことが基本です。

会話を改善する際は、「どんな言葉を使うか」と「その言葉を支える情報を準備できるか」を一緒に見直しましょう。物件の比較資料や前回の履歴が見つからなければ、よい質問ができても次の提案まで時間がかかります。

会話で聞いた希望を、次の提案へつなげませんか

不動産会社向けのFaciloでは、担当する業務に合わせて、物件提案や顧客との情報共有を支援するサービスを用意しています。

  • 購入・賃貸の候補を比較する: 顧客専用のページで物件をまとめて提案。
  • 売主に販売状況を説明する: 販売活動に関する情報を共有。
  • 担当間で経緯を引き継ぐ: CRMで顧客ごとのやりとりを確認。

適したサービスは、業態や困っている工程によって異なります。物件の紹介、説明後の連絡、担当間の共有のうち、どこに時間がかかっているかを整理してご相談ください。フォーム入力後、担当者が折り返します。

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執筆:Facilo編集部/情報確認日:2026年10月16日