不動産コンサルタントとは?仕事内容・資格・なり方と相談先の選び方

不動産仲介の基礎知識

不動産コンサルタント|仕事内容・資格・なり方
目次

不動産コンサルタントとは、土地・建物の活用、取得、売却、管理などの課題を整理し、依頼者が方針を選ぶための調査・提案・調整を行う仕事です。「売る」「買う」という結論を先に決めるのではなく、保有を続ける、貸す、使い方を変えるといった選択肢も含めて検討します。

一方、「不動産コンサルタント」という仕事の呼び方と、認定資格の「公認 不動産コンサルティングマスター」は同じではありません。仕事の役割、資格の取得条件、実際に行える業務の範囲を分けて理解することが大切です。

この記事では、仕事内容と資格、経験の積み方を中心に解説します。相談先を探している方は、相談先の確認ポイントへ進んでください。仕事として検討している方には、仕事内容、受験・登録の条件、経験の積み方から読むと全体を整理しやすくなります。

不動産コンサルタントとは?仲介営業・鑑定士との違い

不動産コンサルタントは、依頼者の目的や制約を整理し、不動産について取り得る選択肢と、その判断材料を示す役割を担います。何を依頼するかによって調査内容や成果物は変わるため、肩書きだけでは業務範囲を判断できません。

仕事の呼称と、認定資格を分けて考える

不動産流通推進センターは、不動産コンサルティングを、不動産の利用・取得・処分・管理等について、依頼者が適切な選択や意思決定を行えるようにする企画・調整・提案等の業務として説明しています。不動産コンサルティングマスターの公式案内

その業務に携わる人の呼称が、不動産コンサルタントです。これに対し「公認 不動産コンサルティングマスター」は、同センターの試験合格と登録要件を満たした人に認定される資格です。「コンサルタント」と名乗っていることだけで、その認定を受けているとは限りません。

また、認定資格を持っていることと、特定の相談分野に十分な経験があることは別です。相続した自宅の処分、賃貸住宅の運営、企業の拠点再編などでは必要な実務経験が異なるため、担当する領域と具体的な業務実績を合わせて確認します。

仲介・鑑定・コンサルティングの違い

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役割

主に目指すこと

業務・成果物の例

不動産の仲介営業

売買・賃貸借などの取引成立を支える

相手方の探索、物件紹介、条件調整、契約手続き

不動産鑑定士

不動産の経済価値を専門的に判断する

鑑定評価など、資格・業務制度に基づく仕事

不動産コンサルタント

依頼者が方針を選べるよう課題と選択肢を整理する

活用案、調査・比較資料、事業方針の提案、関係者との調整

同じ会社や担当者が複数の役割を担うこともあります。たとえば、所有者の方針検討を支援した後、売却を選んだ場合に仲介を受託するケースです。その場合も、助言を行う業務と、取引を成立させる媒介業務の契約・報酬を分けて考えます。

仲介営業の全体を知りたい方は、不動産営業の仕事内容もご覧ください。コンサルティングの資格だけで、宅地建物取引業や鑑定評価、法律・税務などの資格や法令上の要件を置き換えることはできません。

仲介業務も担う不動産会社の方へ。

課題の整理や専門的な助言とは別に、物件提案や顧客との連絡を支える仕組みも必要になります。Faciloでは、業務別にサービスを確認できます。

→ 仲介のどの業務を支援できるか、サービス全体を見る

不動産コンサルタントの主な仕事内容

相談の入り口は「この土地をどうしたらよいか」「保有物件の運営を見直したい」などさまざまです。目先の取引だけでなく、依頼者の目的、資金、時間、管理の負担を整理して、選択肢を比較することが仕事の土台になります。

活用・取得・処分の選択肢を比較する

活用の相談では、現状のまま使う、改修して貸す、建て替える、売却するなどの案を、物件条件や依頼者の意向に照らして検討します。最初から特定の活用方法へ誘導するのではなく、実行に必要な費用・時間・許認可等の確認事項も示します。

取得を検討する相談なら、使う目的と候補物件が合うかを調べます。自ら使う住居・事業所と、賃貸運営を想定する物件では、評価する点が異なります。収支を比較する場合も、家賃や稼働率、修繕費などの前提を明らかにし、想定どおりになることを保証しません。

たとえば「安い物件を買いたい」という相談でも、購入後の改修や管理にかかる負担を含めると判断が変わる場合があります。価格だけで結論を出さず、保有期間や利用方法まで含めて検討するのが役割です。

購入の仲介を担う会社で、候補物件を顧客と比較する場面には、購入クラウドのマイページが活用候補になります。専門的な収支判断や鑑定を代替する機能としてではなく、物件提案を共有する仕組みとして確認してください。

→ 購入候補の物件を、顧客と比較する仕組みを見る

処分の相談では、売るか保有を続けるか、いつまでに資金化したいか、関係者の合意が必要かなどを整理します。売却する方針が決まっても、想定価格と実際の売却価格は同じとは限りません。方針検討の段階で使った前提と、販売開始後の反応を分けて確認します。

売却の仲介を受託した後は、問い合わせや内見の状況を説明し、必要に応じて販売方針を相談することになります。助言の成果物を渡した時点で仕事が終わるのか、取引や運営の段階まで支援するのかは、依頼時に範囲を決めておくと認識のずれを減らせます。

売却の仲介も受託する不動産会社の方へ。売主に販売状況を伝える業務を支える、売却クラウドの情報共有機能を紹介しています。

→ 売主への情報共有を支える機能を見る

管理・事業運営・相続・法人の不動産課題を整理する

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相談領域

整理する内容の例

必要に応じて連携する相手

賃貸運営・管理

稼働状況、修繕、管理負担、収支の前提

管理会社、建築・設備の専門家など

相続に伴う不動産

所有・利用の状況、関係者の希望、保有・処分の選択肢

弁護士、税理士、司法書士など

法人の保有不動産

事業目的、拠点の利用状況、保有・賃借の比較

社内の財務・事業部門、必要な専門家など

空き家・未利用地

現状、管理上の課題、利用可能性、必要な調査

自治体、管理・建築・法務等の専門家など

相続に関する不動産の方針整理と、相続税の個別計算や申告、登記、紛争への法的対応は区別します。コンサルタントがすべてを自分で処理するのではなく、担当できる範囲と専門家へつなぐ範囲を明確にします。

法人の相談では、不動産単体の収益性だけでなく、事業に必要な場所や面積、移転による影響などが関係します。一般的な住宅売買の知識だけで足りると考えず、依頼者の事業上の目的を把握することが必要です。

相談から提案までの基本的な流れ

一般的な進め方として、次のように段階を分けられます。実際の順序や成果物は契約する業務によって調整します。

  1. 目的と範囲を確認する: 困っていること、希望する期限、予算、関係者を整理する。
  2. 調査する: 権利関係や利用状況、市場・建物等、必要な情報の確認先を決める。
  3. 選択肢を比較する: 費用・効果の前提、実行の条件、リスクや未確認事項を並べる。
  4. 提案する: 推奨案の理由と、採らなかった案の理由を説明する。
  5. 実行を調整する: 契約範囲に応じて、必要な専門家や実務担当者へ引き継ぐ。

たとえば空き家の相談なら、「売却額が高そうだから売る」と結論づける前に、家族が使う予定、管理の負担、改修の必要性、処分までの期限を整理します。分からないことは仮定であると示し、追加調査によって結論が変わる条件も伝えます。

コンサルタントは相談課題を整理し、調査と選択肢比較を経て提案し、必要な専門家と調整する。方針を選ぶのは依頼者。
一般的な進め方の例です。調査や専門家との調整は必要に応じて行き来します。資格や法令上の要件を満たす専門業務まで一人で代替することを示していません。

複数の担当者が顧客対応に関わる不動産会社では、相談の経緯や次に回答する内容を引き継げることも重要です。FaciloのCRMでは、顧客ごとのメール・LINE等のやりとりを確認する機能を紹介しています。

→ メール・LINEのやりとりを、顧客ごとに確認する

必要な資格は?コンサルティングマスターの受験・登録

「不動産コンサルタントになるには必ずこの資格を取る」という一つの経路があるわけではありません。ただし、行う業務によって資格・免許等の要件があります。ここでは、不動産分野の経験を基に専門性を高める資格として、公認 不動産コンサルティングマスターを整理します。

受験できるのは、指定された資格の登録者

2026年度の公式試験案内では、申込時点で次のいずれかに該当することが受験条件です。

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資格登録

業務に関する条件

宅地建物取引士の資格登録者

宅地建物取引業に従事している、または今後従事しようとする人

不動産鑑定士の資格登録者

不動産鑑定業に従事している、または今後従事しようとする人

一級建築士の資格登録者

建築設計業・工事監理業等に従事している、または今後従事しようとする人

宅建試験に合格しただけの状態と、宅地建物取引士として資格登録した状態は異なります。受験時には宅建士証の交付を受けていなくても、資格登録があれば対象になりますが、技能登録では別の条件があります。2026年度の試験概要

試験合格と、マスターとしての登録は別

試験に合格しただけでは、公認 不動産コンサルティングマスターとして登録されたことにはなりません。登録には、受験資格として用いた資格の登録後に積んだ、所定の業務経験等が必要です。

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登録への経路

実務経験・講習の考え方

実務経験5年以上

所定の実務経験を証明し、登録要件を満たして申請する

実務経験3年以上5年未満

所定の経験の証明・審査に加え、センター指定の登録講習等を修了する

宅建士を基礎資格とする場合、登録申請時には有効な宅建士証も必要です。鑑定士・一級建築士についても登録等の条件を確認します。また、異なる基礎資格の実務経験年数を合算して5年・3年とすることはできません。

合格の効力には期限があり、登録までの期間によって演習問題への解答等も必要になります。自分の合格年度や実務経歴に応じて、合格後の登録手続と、実務経験3年以上5年未満の登録案内を確認してください。

指定基礎資格の登録と業務条件を満たして受験する。合格後の登録には、所定実務経験5年以上、または3年以上5年未満で登録申請・審査後に案内された指定講習等を修了する経路がある。登録認定後は5年ごとに更新する。
2026年10月16日確認の公式案内に基づく概要です。3年以上5年未満の経路は、登録申請・審査後に講習等の案内を受け、修了後に認定されます。実務経験は基礎資格の登録後から数えます。資格証の有効性、合格の効力、講習・更新等の詳細は本文の公式案内で確認してください。

試験の内容・費用・日程を確認する

2026年10月16日に確認した公式案内の概要は次のとおりです。費用は税込で、年度や講座によって変更される場合があります。

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項目

公式案内で確認できる内容

2026年度試験日

2026年11月8日

申込期間

2026年7月15日〜9月16日。確認日時点で受付終了

択一式

50問。事業・経済・金融・税制・建築・法律

記述式

実務・事業・経済の必修科目と、金融・税制・建築・法律から選ぶ科目

受験料

31,500円

登録手数料

19,000円。受験料とは別

3年以上5年未満の経路の講習費

別途必要。基礎講座・実務講座・特別講座2講座を受講。選択する講座の料金を確認

試験対策では、知識を選ぶ問題だけでなく、記述式への準備も必要です。普段の業務で扱う領域と、それ以外の金融・税制・建築等の領域を分けて学習計画を立てると、補う知識を把握しやすくなります。「誰でも短時間で合格できる」といった一律の目安ではなく、公式の試験概要から出題形式と学習案内を確認しましょう。

講習費の確認には、不動産コンサルティング登録講習の公式案内を利用できます。受験料・登録手数料だけで総費用が完結するとは限らず、教材や講習等の費用も自分の経路に合わせて見積もります。

登録後も継続学習と更新が必要で、認定は5年ごとの更新制です。取得時だけでなく、業務で必要な知識を維持する計画も考えておきましょう。継続学習と更新要件

不動産コンサルタントになるには?経験の積み方

資格の取得計画と、どの相談に対応できる経験を積むかを、一緒に考えることが大切です。知識だけでなく、調査の前提をそろえ、依頼者へ比較材料を説明する実務が必要になります。

未経験なら、担当したい業務から入口を選ぶ

不動産会社の仲介・管理、鑑定、建築、企業の不動産部門など、経験の入口は一つではありません。まず、住宅の売買を支えたいのか、賃貸運営に関わりたいのか、法人の資産活用を扱いたいのかを整理します。

求人や配属先を見るときは、職種名だけでなく、実際に担当する調査・提案・顧客対応、教育体制、専門家と協働する機会を確認しましょう。「コンサルタント」という募集名でも、主な業務が物件の販売営業である場合など、会社によって役割は異なります。

未経験の段階で難しい助言を一人で引き受けるより、上司や専門家の確認を受けながら、事実調査、資料作成、顧客への説明を担当する経験を積むことが出発点になります。

仲介・管理・鑑定・建築の経験を、比較提案へ広げる

既存の経験を生かす場合も、得意分野だけで結論を決めないことが大切です。仲介経験なら取引条件や市場との接点、管理経験なら運営上の負担、鑑定や建築の経験なら専門的な評価・技術の視点を持ち込めます。

そのうえで、自分に足りない調査・収支・法務税務等の観点を洗い出し、専門家へ確認する方法を身に付けます。顧客に説明する際は、専門用語を並べるより「どの条件なら、この案が適するか」を伝えられることが重要です。

仲介会社であれば、提案後のやりとりを振り返ることも経験の蓄積になります。どこで疑問が残り、どんな情報が判断に役立ったかを残しておくと、次の調査や説明に生かせます。

仲介業務の提案準備や顧客対応を見直す会社の方へ。Faciloの資料請求では、担当する業務に合う製品を選べます。資格教材やコンサルタント養成講座ではなく、業務支援サービスの資料です。

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独立前には、顧客基盤・業務範囲・継続費用を確かめる

独立を検討するなら、資格の有無だけでなく、どこから相談を受け、何を有料で提供し、どの段階で専門家へ依頼するかを具体化します。調査に時間をかけても契約につながらない場合や、報酬の回収まで時間がかかる場合を含めて、資金繰りを考える必要があります。

仲介も行う会社を立ち上げる場合は、その業務に必要な免許・体制を別に整えます。コンサル資格がその代わりになるわけではありません。運営面は不動産会社の経営と収益・組織づくりも参考になります。

また、顧客情報や資料をどこに置き、誰が確認し、案件が増えたときにどう引き継ぐかを決めます。支援ツールは便利そうだから揃えるのではなく、実際に使う部署・人数・業務を整理し、継続費用を確認しましょう。

仲介も担う不動産会社で、物件提案や顧客との連絡に使う仕組みを検討している場合は、対象業務・利用人数を伝えて導入費用を相談できます。不動産の購入費や独立資金の相談窓口ではありません。

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年収・報酬はどう決まる?働き方別に確認する

不動産コンサルタントの収入を調べるときは、会社員の給与、独立した人の事業売上、依頼者が支払う報酬を分けてください。扱う業務や働き方の違う数字をまとめても、自分の収入や依頼費用の目安にはなりません。

【仕事を検討する方へ】給与の条件と仕事内容をセットで見る

会社員の場合は、固定給、賞与、成果に連動する報酬の有無と、その評価基準を確認します。求人に示される年収例も、対象職位や経験、実績、固定残業代等の条件を読まなければ比較できません。

同じ肩書きでも、仲介による売上を中心に評価する会社と、調査・提案プロジェクトの成果を評価する会社では仕事が異なります。「年収例が高い」という理由だけでなく、どの業務で評価されるか、未経験者がどこから担当するかを確かめましょう。

この記事の確認範囲では、業務範囲や対象をそろえた全国共通の平均年収は確認できていません。一般的な不動産営業の給与や、一社の求人例を、この職種全体の平均として置くことはしません。

【独立を検討する方へ】売上と手元に残る所得を分ける

独立後の売上には、調査・提案業務の報酬、継続的な支援の報酬、別途契約した仲介等の報酬が含まれる場合があります。しかし売上からは、外注費、交通費、事務所費用、システム費用なども支出します。

たとえば同じ報酬額の仕事でも、必要な調査日数や専門家への依頼費が異なれば、残る利益は変わります。受注件数だけでなく、一案件に必要な時間と支出、契約に至らなかった相談への対応も含めて事業計画を作ります。

継続契約を設ける場合も、相談回数・対応範囲・成果物・追加業務の扱いが曖昧だと、想定以上の工数が発生します。顧客にとって分かりやすい契約内容は、仕事の採算を管理するうえでも役立ちます。

【相談を依頼する方へ】料金より先に、業務と成果物を確かめる

コンサルティングを依頼する場合は、時間単位、案件単位、継続契約など、何に対して支払う料金なのかを確認します。次の項目をそろえると、複数の提案を比較しやすくなります。

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確認項目

聞きたいこと

業務の範囲

現状の整理だけか、調査・比較・実行支援まで含むか

成果物

調査報告、比較表、提案書等の何を受け取るか

基本料金

どの単位で、いつ支払うか

追加費用

現地調査、資料取得、専門家への依頼等を誰が負担するか

中止・変更

途中で方針を変えた場合や中止した場合の精算はどうなるか

取引との関係

後に仲介を依頼するとき、業務・報酬がどう分かれるか

「相談料が無料」と案内されていても、その後の調査や提案、仲介まで無料という意味とは限りません。どこまでが無料相談で、どの時点から有料契約になるかを確認してください。

仲介手数料とは、業務・契約・報酬を区分する

国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」は、宅建業者が媒介以外の関連業務を行う場合、あらかじめ契約内容を十分に説明して依頼者の理解を得たうえで、媒介契約とは別に、業務内容・報酬額等を明らかにした書面等により契約を締結する扱いを示しています。成果物がある場合は、書面で交付等することも求めています。

したがって、仲介業務と同じ内容を名前だけ変えて、コンサルティング料として重ねて請求してよい、という意味ではありません。依頼する側も提供する側も、どの業務の対価なのかを説明できる状態にしておくことが重要です。国土交通省:解釈・運用の考え方(2026年4月1日施行版、第34条の2関係11・第46条第1項関係6)

向いている人・難しさ・今後求められる力

不動産の知識に加え、複数の条件を整理し、分からないことを明らかにする姿勢が求められます。自分の得意な解決方法へ誘導するより、依頼者に合う選択肢を比較できる人が力を生かしやすい仕事です。

結論の前に、目的と前提を整理できる

同じ物件でも、所有者が短期間の資金化を希望するのか、家族で使い続けたいのかによって提案は変わります。依頼者が最初に口にした「売りたい」という言葉だけでなく、なぜそう考えるのかを聞き取る力が必要です。

また、情報がそろわない段階で結論を出さないことも重要です。確認済みの事実、推計の前提、未調査の事項を分け、追加調査の費用と、調べずに決める場合の不確実性を説明します。曖昧な点を隠さないことが、判断を支える仕事につながります。

利害関係と情報管理を意識できる

自社が仲介や管理も受託する場合は、提案によって自社にどんな報酬が発生するかを説明します。提携先を紹介するときも、紹介の理由や利害関係を明らかにし、依頼者が比較できる状態を保ちます。

公認 不動産コンサルティングマスターの公式倫理規程には、依頼者の利益、秘密の保持、能力の維持・向上などの考え方が示されています。これは認定者に対する規程ですが、仕事を選ぶ際や相談先を評価する際にも、どのような姿勢で対応するかを知る材料になります。公式の倫理規程・業務に関する基本事項

顧客との連絡には、家族関係、資産、今後の予定など、取り扱いに配慮が必要な内容も含まれます。共有する目的と担当範囲を決め、必要な情報を必要な人が確認できる運用を整えましょう。

相談の経緯が担当者個人のメールに分かれている不動産会社の方へ。顧客別のやりとりを確認するCRM機能は、引き継ぎの仕組みを考える材料になります。社内の閲覧範囲や情報管理ルールと合わせて検討してください。

→ 担当が替わっても相談の経緯を共有できるか確かめたい

法改正・市場の変化を学び、専門家と協働する

空き家の利活用、相続に伴う不動産、法人の拠点見直しなど、複数領域にまたがる課題があります。ただし、課題があることと、誰でも仕事を獲得できることや高収入を得られることは別です。

日々の学習では、法令や制度の更新日、資料の対象地域、価格や収支の前提を確認します。過去の成功例を現在の物件へそのまま当てはめず、条件の違いを説明できることが必要です。

また、専門家に任せるべきところを判断することも能力の一部です。自分ですべて回答しようとせず、税務、法務、登記、建築等の論点を整理し、適切な相手と協働できる関係を作りましょう。

【相談を依頼したい方向け】相談先を選ぶときの確認点

ここからは、不動産の課題について助言を受けたい所有者・事業者向けです。資格名だけで決めず、相談内容と得意領域、実際の担当者、契約する業務の範囲を確認しましょう。

得意領域と、担当した案件の内容を聞く

「不動産全般に対応」だけでなく、似た種類の物件や課題で、何を担当したかを尋ねます。個人情報を含む実例を求めるのではなく、調査した事項、比較した選択肢、連携した専門家など、業務の進め方を説明してもらうと判断しやすくなります。

営業時に話した人と実務担当者が異なる場合は、担当者の資格・経験や、誰が提案を確認するかも聞きます。資格の取得や登録状況を確認したい場合は、不動産流通推進センターの公式資格案内を出発点に、本人の説明と照らし合わせてください。

候補をまだ決めていない場合は、この公式案内にある「公認 不動産コンサルティングマスター検索サービス」も入口になります。対応地域や業務内容を確認し、個別に得意領域を聞いてみましょう。検索に掲載されていることだけで、自分の相談に適任とは判断しないことが大切です。

費用・成果物・他の選択肢の説明を比べる

相談時には「この案以外にどんな選択肢がありますか」「その案を採らなかった理由は何ですか」と尋ねてみましょう。一つの建築や売却の提案だけでなく、現状維持も含めて比較する必要があるかを確認できます。

報酬や提携先との関係も説明を求めます。説明を受けても範囲が曖昧なら、契約前に、調査項目・成果物・期限・追加費用・中止条件を文書で確認しましょう。「相談に来たから、その会社へ仲介を依頼しなければならない」と思い込む必要はありません。実際の契約条件は個別に確かめます。

相談前に用意しておくとよい情報

初回からすべての書類を揃えるより、まず相談したいことと、分かる範囲の情報を整理します。資料の提出方法や機密情報の取り扱いは、相手に確認してから共有してください。

  • 物件の所在地・種類・現在の使い方。
  • 所有者や関係者、共有など分かっている権利関係。
  • 保有・売却・活用についての希望と、その理由。
  • 予算や資金化の期限など、動かしにくい条件。
  • すでに受けた提案と、まだ分からないこと。

登記関係の資料、図面、賃貸借契約、収支等は、相談内容に応じて必要になります。専門家へ何を調べてほしいかが明確なら、調査範囲と費用について話し合いやすくなります。

不動産コンサルタントのよくある質問

宅建士と不動産コンサルタントは何が違いますか?

宅建士は、重要事項説明等の法令上の業務を担う資格です。不動産コンサルタントは、依頼者の課題整理や提案等を行う仕事の呼称です。同じ人が両方の役割を担う場合もあります。呼び方や資格の有無だけでなく、依頼する業務と、その業務を担当できる要件を確認してください。

コンサルティングマスターを取れば、何でも相談業務ができますか?

すべての業務を行える資格ではありません。税務、法律事務、登記、鑑定評価等は、それぞれの法令・資格の要件に従います。取得した資格を、自分の対応範囲を説明する根拠の一つとし、必要な専門家と連携することが大切です。

無料相談と有料のコンサルティングはどう違いますか?

名称だけで範囲は決まりません。初回の状況確認は無料でも、調査や提案書の作成から有料となる場合があります。どの時点で契約が必要か、何が成果物か、追加費用があるかを事前に確認しましょう。

会社員のまま専門性を高められますか?

できます。担当業務の経験を整理し、足りない知識を学び、上司や専門家の確認を受けながら調査・提案へ関わる方法があります。資格を目指す場合は、自分の資格登録と実務経験が受験・登録条件を満たすか確認してください。社外で仕事を受ける場合は、勤務先の規程や守秘・利益相反も別に確認が必要です。

目的に合わせて、仕事・資格・相談先を選ぼう

不動産コンサルタントは、不動産についての選択肢を整理し、依頼者の判断を支える仕事です。仲介・鑑定等との役割の違いを理解し、必要に応じて専門家と協働します。

仕事として検討する方は、扱いたい相談領域と積むべき経験を整理しましょう。資格を目指す方は、受験と登録を分けて条件を確認します。相談を依頼したい方は、得意領域、担当者、成果物、費用、利害関係を確認することが次の一歩です。

どの立場でも、肩書きだけで判断せず、「誰が、何を調べ、どこまで提案するか」を具体化することが大切です。

【不動産会社向け】業務を支える製品情報を集める

仲介も担う会社が仕組みを見直すなら、課題の調査・助言と、日々の物件提案・顧客連絡を分けて整理します。後者に時間がかかっている場合は、支援サービスの機能を調べ、自社の業務に合うかを比較する方法があります。

まずは製品情報を手元に揃えたい方へ。Faciloの資料請求フォームでは、対象サービスを選び、情報を入力して資料を請求できます。前述の資料請求と同じサービス紹介資料の窓口です。

→ 仲介業務を支える製品の資料を請求する

【不動産会社向け】課題と利用条件を整理して導入を検討する

製品情報を確認したら、改善したい業務、利用する部署・人数、開始時期、現在の情報管理方法を整理します。機能が存在することだけでなく、自社で誰がどのように使うかまで確認すると、導入後の運用を検討しやすくなります。

物件提案と顧客対応に使う時間を見直しませんか

Faciloは、不動産会社の担当業務に合わせて、提案や情報共有を支えるサービスを用意しています。

  • 購入・賃貸の候補物件を、顧客専用ページで提案する。
  • 売主へ販売活動に関する情報を共有する。
  • 顧客ごとの連絡履歴を、担当間で確認する。

専門的な調査や助言そのものとは役割を分け、どの業務を仕組みで支えられるかをご相談ください。導入相談フォームへの入力後、担当者が折り返します。

→ 自社の提案・顧客対応に合うサービスを相談する

執筆:Facilo編集部/制度・製品情報の確認日:2026年10月16日