不動産チラシの作り方|デザイン・テンプレート・配布と反響測定

営業ノウハウ

不動産チラシ:作り方・配布・反響測定
目次

不動産チラシは、物件の購入・入居を募るのか、売却相談を受けるのか、会社やイベントを知ってもらうのかによって作り分けます。先に「誰に、何を伝え、次に何をしてもらうか」を決めると、写真、文章、問い合わせ先を選びやすくなります。

作成方法は、オンラインのデザインツール、印刷会社のテンプレート、不動産専用ソフト、使い慣れたOfficeソフトなどから選べます。ただし、見た目を整えるだけで完成ではありません。物件情報と広告表示を確認し、配布先・費用・測定方法、問い合わせを受ける担当まで準備しましょう。

この記事では、不動産会社の営業・販促担当者に向けて、チラシの企画から作成、配布、反響対応までを説明します。

配布の準備と一緒に、問い合わせの履歴を残す場所も決めておくと安心です。Facilo AI駆動CRMでは、顧客ごとの連絡履歴を確認し、担当者間で対応の経緯を共有できます。

→ 問い合わせ後のやりとりをまとめる機能を見る

不動産チラシは、目的によって作り分ける

1枚のチラシでは、誰に何をしてもらいたいかを明確にします。物件への問い合わせと売却相談では、読者が判断したいことも、案内する窓口も違います。

目的

主な読者

判断に必要な情報の例

次に取ってもらう行動

売買物件の紹介

購入を検討する人

所在地、価格、広さ、間取り、写真、交通・周辺環境、取引条件

詳細の確認、問い合わせ、内見相談

賃貸物件の紹介

住み替えを検討する人

賃料と諸費用、間取り、設備、入居条件、入居可能時期

空室確認、条件の問い合わせ、内見相談

売却・買取の相談募集

不動産の所有者

相談対象の地域・物件、仲介と買取の違い、自社の対応内容

売却相談、査定の依頼

会社・イベントの紹介

地域の住民や参加対象者

相談できる内容、店舗の場所、開催日時、対象者、予約方法

来店相談、参加申し込み

この表は企画の整理用です。広告に必要な表示事項の一覧ではありません。実際の紙面は、物件の種類と媒体に応じたルールに照らして確認します。

売却・買取の相談募集を目的にする場合は、売主からの相談を募るチラシの作り方で、訴求内容と問い合わせ先の組み立て方を確認できます。

物件を紹介するチラシ

物件紹介では、写真で関心を持った人が、価格や立地、広さを確認し、問い合わせるまでの流れをつくります。見栄えの良い写真だけを並べず、購入・入居の判断に必要な条件を近くに置きましょう。

1物件を詳しく紹介する紙面と、複数物件を比較する紙面でも設計が変わります。前者は特徴を写真や間取りで説明し、後者は価格・所在地・広さなどの項目と順番をそろえると比較しやすくなります。賃貸なら、賃料の大きな文字だけが目立ち、管理費や契約条件が見落とされる構成になっていないかも確認します。

購入物件の問い合わせを受けた後は、希望に合うほかの候補も比較できる形で提案したいところです。Facilo物件購入クラウドでは、買主専用のマイページに物件情報をまとめられます。

→ 物件を一覧で見比べてもらう提案方法を知りたい

売却・買取の相談を受けるチラシ

売却相談を募る場合は、「どの地域・種類の不動産を相談できるか」「相談すると何を案内してもらえるか」を具体化します。自社が買主になる買取と、買主を探す仲介を混同させないことも大切です。

たとえば、相続した家の売却を検討する人と、住み替えを急ぐ人では知りたいことが異なります。幅広い悩みを詰め込むより、対象を定めて、相談内容と受付方法をつなげます。実在しない購入希望者や裏付けのない成約実績を、相談を促す材料として使ってはいけません。

売却相談の後は、査定時の資料や販売中の状況を売主が見返せると、その後の説明にも使えます。Facilo物件売却クラウドの売主マイページで、共有できる内容を確認できます。

→ 売主に販売状況を共有する仕組みを見る

会社やイベントを知ってもらうチラシ

店舗案内では対応エリアと相談内容を、イベント案内では日時・会場・対象者・参加条件を優先します。「地域密着」などの抽象的な言葉だけで終えず、相談できる仕事や来店方法を示しましょう。予約が必要ならその旨を明記し、問い合わせ先と予約先が別の場合は、それぞれの役割を分かるようにします。

不動産チラシを作る6つの手順

制作を始める前に、次の順序で必要な情報をそろえます。紙面のデザインより先に、読者・目的・掲載情報を決めておくと、後からの大きな作り直しを減らせます。

1.読者と配布エリアを決める

「地域の人」から一歩進めて、どのような状況にある人へ届けたいかを考えます。近隣で住み替えを検討する世帯なのか、特定のマンションの所有者なのか、初めて家を買う人なのかで、紙面の説明と配布先が変わります。

エリアは店舗からの距離だけで選ばず、物件の立地や自社が対応できる地域と合わせます。配布会社に任せる場合も、希望する地域と実際に配れる地域・建物が一致するかを確認してください。

2.伝える価値と、次の行動を決める

特徴を列挙する前に、読者にとって中心となる判断材料を選びます。物件紹介なら「どのような住まいか」、相談募集なら「何を相談できるか」が出発点です。写真・見出し・説明文が、それぞれ別の話をしないようにします。

企画時には、次のメモを埋めると整理できます。

今回の目的:[物件問い合わせ/売却相談/イベント予約など] 届けたい人:[対象者と検討状況] 対象エリア:[地域・建物等] 中心に伝えること:[確認できた特徴や対応内容] 読んだ後の行動:[詳細確認/電話/フォーム入力など] 成果として数えること:[新規問い合わせ人数など]

3.写真・間取り・物件情報を集める

価格、面積、交通、築年月、設備、取引条件などを、確認元と日付を付けて集めます。担当者の記憶や古い広告のコピーだけで確定させず、不明な項目は確認待ちとして管理しましょう。

写真と間取りは、対象の物件・住戸に合っているかを確認します。リフォーム前の写真や別住戸の図面が混じっていないか、撮影時から変化した点がないかも点検します。間取りを描き直す場合の手順やツールは、間取り図の作成方法で詳しく紹介しています。

4.情報を紙面に配置する

最初は色や装飾を付けず、「見出し」「写真・間取り」「物件情報」「問い合わせ先」「必要な表示事項」の位置を決めます。必要な情報が入り切らない場合は、文字を一律に縮める前に、重複した説明や装飾を減らします。

両面にするなら、表面と裏面の役割を分けます。表面だけでも何の案内か分かるようにし、裏面には比較材料や詳しい条件をまとめます。連絡先を裏面だけに置く場合は、表面から場所が分かる案内も必要です。

5.内容と出力データを確認する

制作担当だけでなく、物件情報を把握する担当者と表示確認の担当者も確認します。レイアウトの見やすさと情報の正しさを、一度の目視でまとめて済ませないことがポイントです。

確認するもの

確認内容

確認結果として残すもの

物件・企画の情報

価格、募集状況、条件、開催日時等

確認元・確認日・担当者

広告表示

物件種別と媒体に応じた表示、表現の根拠

参照した別表、修正箇所

出力したPDF等

文字の欠け、写真、余白、表裏、QRの読み取り

採用するファイルと版

問い合わせ先

電話番号、フォーム、物件との対応

確認日と受付担当

6.印刷と配布の準備をする

用紙サイズ・紙質・片面か両面か・部数・納期を決め、印刷会社の入稿条件で書き出します。編集画面がきれいでも、出力後に文字や写真が変わることがあるため、実際に入稿するファイルを確認してください。

配布日から逆算し、情報の最終確認日、校了、入稿、納品、配布の予定を組みます。変更が起きたときの連絡先と、印刷・配布を止められる期限も先に確認しておきましょう。

読まれる紙面にするデザイン・文章のポイント

見出しで関心を持ってもらい、写真や条件で判断を助け、問い合わせ先で次の行動を示します。すべてを同じ大きさで強調せず、情報の役割に応じて差を付けましょう。

チラシの配置例。見出しで案内の内容を伝え、物件情報と写真で判断を助け、問い合わせ導線で次の行動を示す。表示事項を確認し、紙面全体を点検する。
配置の考え方を示す模式図です。実物件の広告や、必要な表示事項の一覧ではありません。表示事項は図の最下部だけに集めるという意味ではなく、物件・媒体のルールに沿って紙面全体を確認します。

見出しと写真に異なる役割を持たせる

見出しは、紙面全体を読む前に「何の案内か」を伝える役割です。写真は、その言葉を具体的に理解する材料にします。収納を中心に紹介するなら収納や間取りが分かる写真を、室内の使い方を伝えるなら空間の関係が分かる写真を選びます。

大きな写真を置くために条件欄を削るのではなく、写真の役割が重複していないかを見直しましょう。同じ部屋の似たカットを増やすより、外観・居室・水回りなど、異なる判断材料をそろえる考え方が使えます。

特徴と、暮らしのイメージを分けて書く

設備や間取りは事実として書き、使い方は検討のヒントとして示します。「この設備があるから必ず快適」と言い切らず、読者が自分の生活に合うかを考えられる文章にします。

以下は文章を組み立てる例です。実物件の広告では、該当する事実が確認できた場合にだけ使い、必要な条件を追記してください。

伝えたい内容

事実を先に置く表現例

補足すると判断しやすい情報

収納

「各居室に収納があります」

収納の位置、奥行き、備え付けかどうか

部屋の使い方

「リビングに隣接する洋室。仕事部屋などの使い方も検討できます」

部屋の広さ、仕切り、動線

内見の案内

「室内の広さや収納を現地で確認できます。内見希望は[窓口]へ」

予約の要否、受付時間、日程調整方法

売却相談

「[対象エリア]の住まいの売却についてご相談を受け付けています」

相談内容、対応する物件種別、連絡方法

「人気」「おすすめ」だけでは判断材料が不足します。何を根拠に勧めるかを明確にし、紙面から読み取れない条件まで良く見せないことが大切です。

価格・条件・連絡先を見つけやすくする

価格や賃料は目立たせつつ、単位や付随する条件が離れないようにします。複数物件を載せる場合は、どの価格がどの写真・間取りに対応するかを明確にしてください。情報欄の背景や罫線をそろえると、項目を追いやすくなります。

問い合わせ先には、電話番号やQRコードに加えて、何を問い合わせられるかを書きます。「お問い合わせはこちら」だけでなく、「空室・内見について」「売却相談の予約」など用件を示すと、連絡する前の迷いを減らせます。電話とWebの両方を載せる場合も、窓口が競合しないよう役割を整理しましょう。

QRコードは読み取りからスマートフォンでの入力まで確かめる

QRコードの近くには、遷移先でできることを添えます。「室内写真と物件詳細を見る」と書いたのに、会社のトップページへ移動するだけでは、読者が情報を探し直すことになります。

出力した紙面からQRコードを読み、対象ページに到達するか、スマートフォンで文字やフォームが使いやすいかを確認します。短縮URLやQR作成サービスを使う場合は、有効期限や利用停止の条件も点検してください。紙に印刷した後はコード自体を差し替えられないため、公開を維持できるURLを選びます。

テンプレート・作成ソフトは用途と編集方法で選ぶ

「無料テンプレートがある」だけで選ばず、編集に必要なソフト、保存・再編集、印刷用の出力、商用利用の条件まで確認します。以下は2026年10月13日に確認した公式情報を基にした用途別の整理です。操作性を実測したランキングではありません。

作成方法・候補

主な使い方

費用・必要な環境

保存・印刷で確認すること

デザイン型:Canva

不動産向けテンプレートの写真・文字を編集

無料で始められる。使用素材や機能によって有料条件あり。オンライン・アプリで利用

JPEG・PNG・PDF出力に対応。印刷会社が求めるPDF等の条件と照合

印刷注文型:ラクスルのオンラインデザイン

不動産向けのデザインを選び、文字・画像を編集して印刷注文

デザインサービスは無料。利用には会員登録が必要。印刷注文は別料金

オンラインデザインから入稿。確認用PDFと注文の流れを確認

不動産専用:メガソフト「不動産チラシデザイナー3 Lite」

物件用テンプレートに情報を入れ、間取り・区画図等も作成

Windows向け有料ソフト。ダウンロード版は税込27,500円(確認時)

編集用原稿とPDF・JPG等を保存可能。専用形式と完成画像を区別

社内のWord・PowerPoint等

自社の書式や入稿用テンプレートを編集

利用するソフトの契約・利用環境が必要。テンプレート無料とは別

入稿先の対応形式、PDF変換、フォントや配置の崩れを確認

デザインを柔軟に変えたいならCanva

Canvaは、写真や図形を配置し、物件紹介や相談会などの紙面を整える候補です。無料素材を使う場合と、Pro等の素材・機能を使う場合では条件が違います。作り終わってから有料素材に気付かないよう、使う素材と出力設定を先に確認しましょう。Canvaのダウンロード案内

広告・販促で使える素材にも、個別の制限があります。たとえば「Editorial Use Only」の素材は広告用途に使えません。無料で表示されていることを、無条件の商用利用許可と読み替えず、コンテンツ使用許諾契約を確認してください。

印刷注文まで進めたいならラクスル

ラクスルは、オンラインデザインで紙面を編集し、印刷商品を注文する流れを選べます。完成したデザインの見本を選ぶ「オンラインデザイン」と、Word・PowerPoint等で使う「入稿用テンプレート」は別です。後者はサイズや印刷範囲などを整えるためのひな型で、選ぶデータに応じた編集ソフトが必要になります。初めて利用する方向けの公式案内

仕上がりは、公式ガイドに従って印刷イメージのPDFで確認します。画面の色と印刷物の色が完全に同じになるとは限らないため、色が重要な場合は注文先の確認方法を確かめてください。オンラインデザインの仕上がり確認方法

物件用の書式を繰り返し使うなら不動産専用ソフト

不動産チラシデザイナー3 Liteは、物件向けの書式に写真や情報を差し替え、間取り・区画図も扱いたい場合の候補です。公式のサンプルにはPDF・JPG等もありますが、閲覧用の完成データと編集用データは同じではありません。「ダウンロードできた」だけで、WordやPowerPointで各項目を自由に編集できると考えないようにします。公式サンプルの案内

導入前は、自社の端末で動くか、ほかの担当者も修正できるか、過去データをどう保管するかまで確認します。月に何枚作るかだけでなく、価格変更や担当交代の際に更新しやすいかも選定材料です。

制作ツールと顧客対応の仕組みを分けて準備する

紙面を作るツールには、写真や文字を編集して印刷データを出す役割があります。一方、問い合わせ後に「誰が何を案内したか」を残すのは、顧客管理の仕事です。制作を外注する場合も、反響の受付と記録を誰が担うかは自社で決めておきます。

複数の担当者で問い合わせに対応するなら、個人のメールだけで経緯を管理しない運用を検討できます。FaciloのCRMを社内で比較・検討するためのサービス紹介資料を用意しています。

→ 連絡履歴の共有に使うCRMのサービス資料を請求する

公開・配布前に確認したい広告表示のルール

不動産広告の必要な表示は、物件の種類と媒体によって変わります。汎用テンプレートを埋めるだけで済ませず、該当する規約・別表と実際の紙面を照合してください。

必要な表示事項は、物件種別と媒体から確認する

「不動産の表示に関する公正競争規約」第8条と施行規則・別表では、広告主、物件、取引条件などの必要な表示事項を定めています。たとえば中古マンションは別表7、中古賃貸マンションや貸家などは別表9が確認先です。紙で配るチラシについては、該当する媒体区分を確認します。不動産公正取引協議会連合会「不動産の公正競争規約」

実務では、物件種別・媒体・必要項目・確認元・確認者を一覧にすると、修正時の抜けを防ぎやすくなります。チラシに表示が必要な事項を、QRコードの先にだけ載せて済ませないようにしましょう。宅建業法第34条の取引態様の明示も確認対象です。宅地建物取引業法

次は、作業を分担するための簡易リストです。法令上の全項目を網羅したものではありません。

確認領域

点検すること

社内で用意する根拠・記録

広告主・取引態様

社名、連絡先、免許証番号、取引態様等が対象広告に合うか

現行の会社情報、取引関係の確認

物件・条件

所在地、面積、価格・賃料、諸費用、設備等に誤りがないか

物件資料、条件の確認記録

取引状況

現在も案内できる物件か、広告開始の要件を満たすか

募集状況、必要な許可・確認等

表現・素材

強調表現に根拠があり、写真・図面の使用条件を満たすか

根拠資料、素材の許諾・利用条件

配布する版

確認済みの原稿と入稿・配布データが同じか

版番号、校了日、最終確認者

取引状況と広告開始時期を確認する

宅建業法第33条は、造成・建築工事の完了前の広告について、必要な開発許可や建築確認などを受けた後でなければ広告できないと定めています。「申請中だから掲載できる」と判断しないようにします。宅地建物取引業法第33条

また、実在しない物件、すでに取引できない物件、取引する意思がない物件の表示は、おとり広告の問題になります。原稿制作時だけでなく、印刷前・配布開始前にも募集状況を確かめ、状況が変わった場合は、配布停止や残部の取り扱いを関係者で判断します。消費者庁「不動産のおとり広告に関する表示」

強い言葉と、写真・図面の根拠を確認する

「最高」「格安」などは、表示規約第18条第2項に使用条件があります。根拠資料があれば常に使えるわけではなく、用語によっては根拠となる事実の併記も必要です。客観的な特徴で説明できないかを先に検討してください。表示規約・特定用語の使用基準

他社の写真・図面を使う場合は、広告利用の承諾や利用条件を確認します。写真の利用許可があっても、対象物件と違う写真を自由に載せてよいわけではありません。物件写真、完成予想図等の表示方法は、表示規約施行規則第9条第22・23号も確認します。迷う場合は、社内の広告審査担当や所属する公正取引協議会等へ、実際の紙面と確認資料を示して相談しましょう。

配布方法・エリア・費用を決める

配布方法は、届けたい人と地域、配布条件、予算から選びます。印刷単価だけで比べず、制作から配布、問い合わせ対応までを含めて計画しましょう。

配布方法ごとの届き方を整理する

配布方法

検討しやすい場面

事前に確かめたいこと

新聞折込

新聞購読世帯へ地域を絞って届けたい

配布エリア、部数、折込日、サイズ・納品条件

ポスティング

地域や建物条件を指定して配りたい

指定できる範囲、配布除外、配布期間、完了報告

店頭での配布・設置

来店者や店舗の前を通る人へ案内したい

設置場所、持ち帰りやすさ、補充・差し替え担当

DM

既存の顧客等、送付対象を定めて案内したい

送付先情報の利用目的、宛先の更新、送付停止の扱い

ポスティングでは、投函禁止の表示や建物の管理ルールを確認し、配布会社にも除外条件を伝えます。地図で選んだ地域にある全戸へ必ず届くわけではありません。配布予定部数と、実際の配布完了部数を区別して報告を受けてください。

折込・ポスティング等を印刷と合わせて手配する場合も、配布条件はサービスごとに確認が必要です。ラクスルの不動産向けチラシ活用案内では、目的に応じた配布方法が紹介されています。

費用を同じ条件で比べる

見積もりは、同じ紙面サイズ・紙質・色数・部数・納期・配布地域で比較します。安い印刷単価でも、納期の短縮や配送、配布対象の指定で総額が変わる場合があります。

費用区分

含めておきたい項目

企画・制作

原稿、撮影、デザイン、修正、素材・ソフトの費用

印刷

サイズ、用紙、色数、片面・両面、部数、加工

配送・配布

納品先への配送、折込・ポスティング、地域等の指定

配布後の運用

問い合わせ窓口の準備、受付・記録・集計の作業

外注では、修正回数、編集データの納品、追加料金の条件も聞いておきます。完成PDFだけの納品だと、次回の価格変更を社内で直せない場合があるためです。

配布日と受付体制を合わせる

配布を始める前に、電話・Webの受付担当、不在時の引き継ぎ、物件確認を依頼する相手を決めます。受付時間外に届いた問い合わせを、次の営業日に誰が確認するかも明確にしましょう。イベントの直前に配布する場合は、予約受付と案内可能枠をそろえておきます。

配布後の問い合わせを複数人で受けるなら、前回の連絡内容を確認できることが大切です。FaciloのCRMでは、顧客とのやりとりをタイムラインで確認できます。

→ 担当者が変わってもやりとりを追えるか確かめる

反響を測り、問い合わせ後の対応まで改善する

配布数、QR等の閲覧数、問い合わせ数、来店・内見数は別の指標です。どの段階で次の行動につながっていないかを分けて見ると、見直す場所を絞れます。

チラシ配布、公開ページ閲覧、問い合わせ、担当者対応、来店・内見を分けた流れ。買主への個別提案は、問い合わせ後に担当者が希望条件を確認した後の分岐として示す。
公開ページを経由する場合の代表的な流れです。チラシから直接電話する人もいるため、Webの閲覧だけで全反響を捉えず、受付記録と合わせます。顧客専用ページ等を使う個別提案は、問い合わせ後の担当者対応から分けて考えます。

配布数・問い合わせ数・来店数を分けて記録する

まず「反響」を何として数えるかを決めます。同じ人が電話とフォームで連絡した場合、連絡回数は2回でも、新規問い合わせ人数は1人です。目的が売却相談なら査定相談、物件紹介なら内見など、その後の指標も目的に合わせます。

指標

計算・記録方法

分かることと限界

配布完了部数

実際に配布した部数

届けた量。実際に読んだ人数ではない

QR等からの閲覧

専用URLへのアクセス等

Webに移った動き。同じ人の複数閲覧や計測制約に注意

新規問い合わせ人数

対象の配布から問い合わせた人数

次の接点を得た数。QR閲覧数とは別

問い合わせ率

新規問い合わせ人数÷配布完了部数×100

配布に対する反響。件数の定義と集計期間をそろえる

来店・内見人数

対象問い合わせから来店・内見した人数

問い合わせ後の進行状況。予約と実施を分ける

問い合わせ1人当たりの費用

施策費用÷新規問い合わせ人数

費用の比較材料。含めた費用の範囲をそろえる

たとえば、配布完了5,000部、新規問い合わせ5人、制作・印刷・配布費用の合計10万円なら、問い合わせ率は0.1%、問い合わせ1人当たりの費用は2万円です。これは計算方法を示す架空の例で、目標値や業界平均ではありません。問い合わせが0人の場合は、1人当たりの費用を0円とはせず、算出できないことと費用総額を記録します。

配布した版をQRコード等で識別する

配布地域や紙面の版ごとに識別できるURLを用意すると、どの施策からWebへ移ったかを確認しやすくなります。社内では、配布日・地域・部数・紙面の版・遷移先・集計期間を対応させます。電話の場合も、差し支えない範囲で見たチラシを確認し、分からなければ「不明」と残します。

QRから来た人が後日電話をする場合や、家族からチラシを受け取る場合もあります。専用URLの数字だけで全反響を把握できるとは考えず、受付時の記録と合わせて見ましょう。アクセスが増えたことを、そのまま問い合わせや成約の増加とは表現しません。

問い合わせ後の個別提案を準備する

紙面のQRコードは、物件詳細や問い合わせフォームなど、一般公開できるページにつなぎます。その後、担当者が希望条件を確認して、顧客ごとの提案へ進める流れです。公開する広告の入口と、個別に渡す資料・ページを分けて設計します。

購入物件への問い合わせなら、掲載物件の状況を確認したうえで、気になった点と希望条件を聞きます。ほかの候補を提案するときも、最初の問い合わせ内容への回答を飛ばさないようにしてください。

問い合わせた買主へ複数の候補を提案する段階では、物件情報を個別にまとめる方法があります。Facilo物件購入クラウドのマイページは、物件の比較や内見希望の申し込みに使えます。

→ 問い合わせ後に買主へ渡すマイページの機能を見る

受付担当と記録する項目を決める

受付時には、問い合わせの内容、返信・電話の状況、次の対応と期限を残します。単に「対応済み」とするより、「物件の状況を回答し、内見希望日を確認中」と書いたほうが、引き継ぐ人が次にすることを判断できます。

受付日時:[日時] 流入元:[配布地域・紙面の版/不明] 対象物件・相談内容:[問い合わせへの回答に必要な内容] 希望する連絡方法・時間帯:[確認した範囲] 担当者:[氏名] 対応履歴:[いつ、何を確認・案内したか] 次の対応:[すること/担当者/期限]

共有する顧客情報は、業務に必要な範囲と閲覧できる担当者を定めます。受付から提案までを別の担当者が担うなら、引き継ぐタイミングも決めましょう。初回対応から追客までの進め方は、不動産の反響営業でも解説しています。

自社の受付・引き継ぎ・提案の流れに、どの製品が合うかを整理したい場合は、Faciloの導入相談を利用できます。現在の記録方法や困っている工程を伝えると、具体的に検討しやすくなります。

→ 問い合わせ後の顧客対応をどう管理するか相談する

買主への次の提案と、次回の配布改善を考える

提案後の反応は、次の会話を考える材料にします。どの物件が見られたかに加え、本人の希望や質問も確かめます。閲覧回数が多いだけで購入意思を確定したり、見られていないだけで検討をやめたと決めたりしないことが大切です。

買主に提案した後の閲覧も確認したい場合、購入クラウドでは物件の閲覧状況やお気に入りを把握できます。チラシの閲覧測定とは別に、個別提案後のフォローに使う機能です。

→ 提案後の物件閲覧を確認できる機能を見る

次回の配布では、結果に応じて見直す箇所を選びます。Web閲覧まで少なければ配布先や紙面の訴求、閲覧されても問い合わせがなければ案内先やフォーム、問い合わせ後に進まなければ対応内容を確認する、という考え方です。

ただし、結果の差には物件条件、時期、配布地域なども影響します。見出しと地域と部数を一度に変えると理由を切り分けにくいため、比較したい条件を先に決めます。少数の反響だけで効果を断定せず、同じ定義・期間で継続して記録しましょう。

不動産チラシでよくある質問

作成方法や配布枚数に、すべての会社・物件に共通する正解はありません。用途、確認できる情報、予算、対応できる体制に合わせて決めます。

手作りや無料素材でも作れますか?

作成できます。手書きの紙面を印刷したり、無料のテンプレートを編集したりする方法もあります。ただし、読みやすさと必要な表示の確認は、使用ツールにかかわらず必要です。画像やフォントは広告利用の条件を確認し、他社の完成チラシを許可なく流用しないようにします。

無料でデザインできても、素材、編集ソフト、印刷、配布まで無料になるとは限りません。繰り返し使うなら、次の担当者が編集できるデータを残せるかも確かめてください。

最初は何枚配ればよいですか?

目的に合う配布エリアと予算、配布サービスの最低部数や受付体制から決めます。「何枚配れば必ず1件来る」とは計算できません。まず、配布条件と結果を記録できる範囲で始め、次の配布を判断するための期間と評価指標を決めておくと進めやすくなります。

安い物件のチラシは、おとり広告ですか?

価格の安さだけでは判断できません。おとり広告は、実在しない、取引できない、取引する意思がない物件の表示などが問題になります。消費者として気になる場合は、物件の所在地や現在の募集状況、問い合わせ先の会社情報を確かめましょう。事業者側は、掲載時点だけでなく配布時の情報も確認します。消費者庁の説明

チラシを作って終わらず、反響への対応を整える

不動産チラシは、目的に合う情報を載せ、必要な表示を確認し、届けたい地域へ配ることから始まります。テンプレートや作成ソフトは、その作業を支える手段として選びましょう。

配布する前に、問い合わせの受付・記録・次の提案まで準備しておくことが大切です。配布数だけで成果を判断せず、問い合わせと来店・内見までを分けて振り返ると、次回の改善につながります。

チラシ以外の施策も含めて考える場合は、不動産会社の集客方法や不動産マーケティングも参考にしてください。

反響を次の商談につなぐ準備を

問い合わせが届いた後、連絡が個人のメールやメモに分かれていると、担当者の不在時に状況を確認しにくくなります。Facilo AI駆動CRMは、顧客との連絡や接客の履歴を共有するためのサービスです。

  • LINE・メール・SMSのやりとりをまとめ、前回の案内を確認する
  • 接客履歴をタイムラインで把握し、担当交代時の確認に使う
  • 顧客と担当者を紐付け、チームで対応状況を共有する

反響後の記録・共有の方法を検討する方に向けて、CRMのサービス紹介資料を用意しています。

→ 顧客対応をチームで共有するCRMのサービス資料を請求する

執筆:Facilo編集部/情報確認日:2026年10月13日