賃貸営業の事務とは?仕事内容・向いている人・必要スキルも解説
不動産業界で事務職への就職や転職を考えたとき、賃貸営業事務は未経験歓迎の求人も見られる職種の一つです。ただし、契約書類の作成や更新手続き、物件・顧客情報の管理、電話・来客対応など業務は幅広く、覚えることが多い仕事でもあります。
また、営業のサポートが中心の職場もあれば、案内や契約業務まで担当する職場もあり、仕事内容や働き方には会社ごとの差があるものです。
この記事では、賃貸営業事務の仕事内容から向いている人の特徴、必要なスキル、業務を効率化するITツールまで幅広く解説します。
不動産賃貸の営業事務とは?
不動産賃貸の営業事務とは、賃貸仲介会社で営業担当者の業務を事務面からサポートする職種です。物件情報の入力・更新、契約書類の作成補助、来店客や電話への対応など、担当する業務は幅広く、会社によって任される範囲も異なります。
営業担当が物件案内や商談に集中できるのは、営業事務が書類作成や情報管理、顧客対応を支えているからです。
賃貸仲介では、契約条件や重要事項に関わる確認事項が多く、事務対応の精度が業務全体の進みやすさに影響します。そのため、営業事務は賃貸仲介業務を円滑に進めるうえで重要な存在です。
営業事務の年収は?
厚生労働省の職業情報提供サイトによると、一般的な営業事務の平均年収は約511.9万円です。ただし、これは不動産賃貸の営業事務に限った数値ではありません。実際の年収は、企業規模や地域、担当業務の範囲に加え、資格手当の有無などによって差が出ます。
不動産業界は取引単価が高く、資格手当を設ける企業も多いため、平均を上回る水準が期待できるでしょう。
参照:厚生労働省職業情報提供サイトjobtag「営業事務」
不動産業界の営業事務の仕事内容
営業事務の仕事は多岐にわたり、営業担当が商談や提案に集中できるよう、さまざまな事務業務を担います。
ここでは、代表的な仕事内容を「顧客・取引先対応」と「書類・データ管理」の2つに分けて紹介します。
顧客・取引先対応
店舗の窓口として、来店客や電話・メールでの問い合わせに対応します。入居希望者だけでなく、オーナーや管理会社、保証会社などとの連絡も日常的に発生するでしょう。
具体的な業務は以下の通りです。
- 内見予約の調整
- 契約手続きの案内
- 鍵の引渡し手配
- 営業担当の外出時における伝言の受付や折り返し対応
最初に接する相手としての印象が、そのまま店舗の印象につながることもあるため、丁寧で適切な対応が求められます。
書類・データ管理
賃貸借契約書や重要事項説明書の原案作成は、営業事務の中心となる業務です。物件情報や契約条件を正確に反映する必要があります。記載内容の不備や入力ミスがあると、確認や修正に手間がかかる原因になるからです。
あわせて、物件情報や顧客データのシステム登録・更新も日常的に行います。会社によっては、不動産ポータルサイトへの掲載情報の管理を担当することもあるでしょう。
契約更新時期の管理や必要書類の回収状況チェックなど、期限を意識したデータ管理も営業事務の役割です。
【不動産の業種別】営業事務の仕事内容
不動産業界の営業事務は、所属する事業分野によって仕事内容が大きく変わります。同じ営業事務でも、賃貸仲介・売買仲介・不動産管理・開発では、扱う書類や対応相手、必要な知識が異なるのです。
ここからは、不動産業界での営業事務の仕事内容を、業種ごとに整理します。
賃貸仲介の営業事務は顧客と接する機会が多く、対人スキルが特に求められます。管理部門では入居者対応やデータ管理の比重が高い点が特徴です。
どの業種でも、正確な書類処理と関係者間の調整力が求められる点は共通します。
【不動産賃貸・売買】
賃貸仲介や売買仲介の営業事務は、不動産業界のなかでも顧客と接する機会が多い職種です。
<賃貸・売買の営業事務の主な仕事内容>
- 不動産ポータルサイトへの物件情報の掲載・更新
- 内見予約の調整や鍵の手配
- 賃貸借契約書や重要事項説明書の原案作成
- 顧客からの電話・メールによる問い合わせへの一次対応
来店客の受付対応を担当する場面も多いため、明るく丁寧な接客スキルが求められます。1月〜3月の繁忙期は問い合わせや契約件数が増えやすく、通常期より業務が立て込みやすいのも特徴です。
【不動産管理】
不動産管理会社の営業事務は、入居者とオーナーの双方に対応しながら、契約管理やデータ処理を担う仕事です。仲介部門に比べると来店対応は少ない一方で、継続的な事務処理の割合が高くなります。
<不動産管理の営業事務の主な仕事内容>
- 入居者からの問い合わせ対応(設備不具合、契約内容の確認など)
- オーナー向けの月次収支報告書や入金明細の作成
- 契約更新や解約に伴う書類の作成・送付
- 家賃入金データの入力・照合、滞納状況の管理
管理物件数が多い会社ほど処理件数も増えるため、正確なデータ管理と計画的な進行管理が欠かせません。また、騒音や設備不具合など、入居者トラブルの初期対応を担当する場合もあり、冷静な判断力も求められます。
【不動産販売】
不動産販売(新築マンション・戸建て分譲など)の営業事務は、販売促進に関わる業務が特徴的です。主な勤務先はモデルルームや販売センターで、来場予約の管理や販売資料の準備などを担当します。
<不動産販売の営業事務の主な仕事内容>
- モデルルームの来場予約受付と顧客情報の管理
- パンフレットや間取り図など販売資料の作成・手配
- 販売状況(成約数、在庫数)の集計と報告
- 購入希望者への契約手続き案内と必要書類の回収
取引金額が大きいぶん、書類作成や情報管理には高い正確性が求められます。また、土日祝に来場対応が発生する職場では、シフト勤務になるケースがある点も把握しておきましょう。
【不動産開発】
不動産開発(デベロッパー)の営業事務は、社内外の関係者と連携しながら、開発プロジェクトを事務面から支える仕事です。ほかの分野に比べて、行政機関や設計会社、施工会社など、多くの関係先とやり取りする場面が多い傾向があります。
<不動産開発の営業事務の主な仕事内容>
- 行政への各種申請書類の作成補助や提出対応
- 設計会社や施工会社との打ち合わせ日程の調整、議事録の作成
- 開発スケジュールの進捗管理と社内向け報告資料の作成
- 土地・建物に関する登記関連書類の手配や確認
不動産開発のプロジェクトは、数か月から数年にわたって進むこともあるため、長期的なスケジュール管理能力が求められます。また、建築や都市計画に関する基礎知識があると、書類の内容を理解しやすくなり、実務にも対応できるでしょう。
不動産賃貸の営業事務で働くおすすめのポイント
不動産賃貸の営業事務は、実務を通じて専門知識を身につけやすく、未経験からでも挑戦しやすい職種として注目されています。
ここでは、不動産賃貸の営業事務として働く主な魅力を紹介します。
未経験でも始めやすい
基本的なPC操作と一般的な事務スキルがあれば、未経験からでも挑戦可能です。多くの企業では入社後にOJT研修を実施し、業界特有の知識を段階的に教えてくれます。
接客業や一般事務の経験があれば、電話応対やデータ入力のスキルをそのまま活かせるでしょう。不動産の専門用語は働きながら覚えられるため、業界経験がなくても問題ありません。
精神面・肉体面での負担が少ない
営業職と異なり、個人の売上ノルマを直接背負う場面がほとんどありません。精神的な負担が少なく、落ち着いた環境で業務に取り組めます。
外回りもほとんどなく、オフィスワークが中心です。勤務時間が安定している企業が多く、ワークライフバランスを保ちたい方に適した職種といえます。
事務スキルと営業サポート力を同時に磨ける
契約書の作成やデータ管理を通じて事務処理能力が高まるのが利点です。営業担当や顧客とのやり取りでコミュニケーション力も同時に磨かれます。
業界特有のシステム操作やポータルサイトの運用スキルも身につくため、転職市場での評価が高まるでしょう。
住まい探しを支えるやりがいがある
賃貸営業事務は、顧客の「新しい住まい探し」を裏側からサポートする仕事です。契約手続きや書類準備などを通じて、新生活をスタートさせる過程に携われます。
来店時や契約時に直接感謝の言葉をかけられる場面もあり、暮らしに関わる仕事を支えている実感を得やすいのも魅力です。
不動産の専門知識が身につきキャリア形成につながる
日々の業務を通じて、賃貸契約や不動産取引に関する基礎知識が自然と身につきます。宅地建物取引士(宅建)の資格取得を目指す土台にもなるでしょう。
宅建を取得すれば、毎月2万円〜3万円程度の資格手当が上乗せされるケースもあります。将来的に営業職や管理職へキャリアを広げられるかもしれません。人手不足が続く不動産業界では、専門性の高い人材が特に重宝されます。
不動産賃貸の営業事務に向いている人の特徴
賃貸営業事務は、正確さと柔軟さの両方が求められる仕事です。ここでは、この職種に向いている人の主な特徴を5つ紹介します。
細かい作業を正確に実践できる
契約書や申込書には、住所・氏名・金額など、正確に扱うべき項目が多くあります。物件情報や顧客データの入力でも、わずかな記載ミスが確認の手間や手続きの遅れにつながりかねません。
そのため、細部まで注意を払いながら、確認やチェックを丁寧に進められる人に向いているでしょう。
周囲をサポートすることにやりがいを感じる
営業事務は、営業担当がスムーズに動けるように環境を整える役割を担います。自分が前面に立つよりも、周囲を支えることでチームに貢献したい人に向いている仕事です。
こうしたサポート業務にやりがいを感じられるかどうかは、長く働くうえでの大切なポイントになります。
臨機応変に対応できる
賃貸営業の現場では、予定外の来店や急な契約内容の変更など、その場で対応が必要になることがあります。そうした場面では、優先順位を見直しながら、落ち着いて対応する力が必要です。
状況の変化にあわせて柔軟に動ける人は、日々の業務も進めやすいでしょう。
コミュニケーションを取ることが苦にならない
営業事務は、電話・メール・対面など、さまざまな形で人とやり取りする機会があります。顧客だけでなく、オーナーや保証会社、管理会社など、関わる相手も多岐にわたります。
相手や場面に応じて伝え方を調整しながら、丁寧に対応できる人は力を発揮しやすいでしょう。
マルチタスクで進められる
「電話対応をしながら書類を準備する」「複数の契約手続きを並行して進める」という場面も珍しくありません。タスクの優先順位を素早く整理し、一つひとつ着実に処理する能力が必要です。
そのため、複数の業務を整理しながら着実に進められる人に向いています。
不動産賃貸の営業事務で必要なスキル
不動産賃貸の営業事務として活躍するには、いくつかの基本スキルが求められます。ここでは、実務で特に求められる4つのスキルを整理しました。
正確な事務処理能力
賃貸借契約書や重要事項説明書に関わる書類は、記載内容の正確さが欠かせません。入力や転記に不備があると、手続きが滞る原因になります。
そのため、入力後に見直す、複数回チェックするなど、ミスを防ぐための確認を丁寧に行う姿勢が大切です。
スケジュール管理能力
内見予約や契約日程、更新手続きなど、複数の予定が同時に進むのが賃貸営業事務の特徴です。営業担当や顧客との日程調整を行いながら、抜け漏れなく管理する力が求められます。
カレンダーやタスク管理ツールを活用し、期限と優先順位を整理して進める工夫も役立つでしょう。
基本的なパソコン操作スキル
ExcelやWordを使った書類作成、データ入力は日常業務の中心です。基本的なパソコン操作をスムーズに行えると、作業を効率よく進められます。また、不動産会社で使用する管理システムや顧客管理ツール(CRM)の操作スキルも不可欠です。
近年は、不動産業務に特化したクラウドツールを導入する企業も増えています。こうしたツールを使いこなせるようになると、情報共有や進捗管理がしやすくなり、業務効率の向上にもつながります。
不動産向けCRMの機能について詳しく知りたい方はこちらの記事もあわせてご確認ください。
⇒不動産向けCRM(顧客管理システム)とは?機能や選び方を解説
コミュニケーション能力
賃貸営業事務は、顧客だけでなく、営業担当やオーナー、管理会社、保証会社など、さまざまな立場の人と日々やり取りが発生します。相手や状況に応じて、わかりやすく丁寧に伝える力が欠かせません。
電話・メール・対面と手段も多様です。状況にあわせた適切な対応が信頼関係の構築を促せるでしょう。
不動産賃貸の営業事務の仕事を効率化するツール
不動産業界では、電話やFAX、紙の書類を使う業務が今も残っており、営業事務の負担を大きくする一因になっています。そこで注目されているのが、ツールの活用です。
不動産仲介業務に特化したクラウドツール「Facilo(ファシロ)」は、顧客情報と物件情報を一元管理し、顧客ごとに自動生成される「お客様マイページ」を通じて、物件提案から追客までを効率化します。
<Faciloの特徴>
- 顧客情報の一元管理:メール・電話・来店のやり取りを一画面で把握
- お客様マイページ:顧客ごとに最適な物件情報を自動共有
- 追客の可視化:顧客の行動ログを確認でき、フォロー漏れを防止
- 導入実績:全国1,500店舗以上
営業事務の立場では、対応履歴の確認や物件情報の共有がしやすくなり、手作業による転記ミスや対応漏れの防止にもつながります。業務の進め方を見直したい場合は、こうしたツールの導入を検討する価値があるでしょう。
Faciloの具体的な活用事例はこちらをご参照ください。
不動産業務の効率化ツール導入の成功事例
ここでは、実際にFaciloを導入して業務効率と顧客満足度の両方を向上させた不動産会社の事例を紹介します。
株式会社永大ハウス工業
宮城県を中心に不動産事業を展開する永大ハウス工業は、1人の営業担当が最大100名の顧客を抱えるなか、電話・メール・紙資料によるアナログな提案と追客に限界を感じていました。顧客管理名簿や提案資料、追客ツールが分断され、対応漏れや熱いタイミングを逃すケースも発生していたのです。
Facilo導入後は、顧客ログで見込み度の高い顧客を可視化し、マイページ上で物件情報をまとめて提案できる体制に転換しました。
その結果、通常3〜4回かかっていた商談が1回で成約するケースも生まれ、商談効率は最大4倍に向上。紙資料の整理作業からも解放され、営業事務の負担が大幅に軽減されています。
参照:Facilo導入事例「株式会社永大ハウス工業」
三菱地所ハウスネット
三菱地所ハウスネットでは、顧客ごとの希望条件や過去に提案した物件を一元管理するのが難しく、お客様側から「この物件を見たい」と能動的に希望を伝えていただく機会も少ないという課題がありました。
Faciloの「お客様マイページ」と「サブ担当機能」を導入し、営業担当間の情報共有と顧客への物件提案を一元化しました。マップ機能で複数物件の位置関係を把握でき、内覧スケジュールも組みやすくなっています。
これにより、1件あたりの提案時間は30分から約10分へ短縮。顧客とのコンタクト回数が飛躍的に増加し、満足度の高い取引につながっています。
参照:Facilo導入事例「三菱地所ハウスネット」
不動産賃貸の営業事務に関するよくある質問
ここでは、不動産賃貸の営業事務に関するよくある質問を紹介します。
- Q1. 不動産事務の仕事はきついですか?
- Q2. 未経験から不動産事務に転職できますか?
- Q3. 不動産営業事務で宅建は必要ですか?
Q1. 不動産事務の仕事はきついですか?
繁忙期(1月〜3月)は業務量が増加し、忙しさを感じる場面はあります。ただし、営業職のようなノルマはなく、精神的な負担は比較的少ないです。
書類の正確性が求められるプレッシャーはありますが、チェック体制やITツールの導入で軽減している企業も増えています。
Q2. 未経験から不動産事務に転職できますか?
基本的なPC操作スキルと一般的な事務能力があれば、未経験でも採用されるケースは多いです。入社後にOJTや社内研修で業界知識を習得する企業がほとんどのため、業界経験は必須ではありません。
Q3. 不動産営業事務で宅建は必要ですか?
宅建資格は必須ではありませんが、取得すると実務の幅が広がります。重要事項説明を自ら実施できるようになるほか、毎月の資格手当で年収アップにもつながるでしょう。
キャリアアップを目指す方には取得をおすすめします。
まとめ|賃貸営業事務のコツを押さえ、成約率と業務効率を高めよう
不動産の賃貸営業事務は、不動産取引を裏側から支える職種です。契約書類の作成補助や顧客対応、物件情報・契約情報の管理まで幅広い業務を担い、営業担当が商談や提案に集中できる環境を作ります。
業務の幅は広いものの、日々の実務を通じて不動産業界の知識や事務処理の力を身につけやすい点も、この仕事の特徴です。正確な書類対応や丁寧なコミュニケーションを積み重ねることが、現場全体の業務品質向上にもつながります。
日々の業務をより効率的に進めたい場合は、不動産仲介業務に特化したクラウドツールの導入が有効です。
「Facilo(ファシロ)」は顧客管理から物件提案、追客までを一元化し、全国1,500店舗以上で導入されています。営業事務の負担を減らしながら、店舗全体の成約率向上にも貢献するツールです。
賃貸仲介業務の生産性を高め、よりスムーズな顧客対応を実現したい方は、ぜひ一度Faciloのサービス資料をご覧ください。