レインズ(REINS)とは?仕組み・使い方・閲覧方法まで徹底解説
レインズ(REINS)とは、国土交通大臣が指定した不動産流通機構が運営する、不動産会社専用の物件情報ネットワークシステムです。全国の売買・賃貸物件の情報が集約されており、一般の方は直接閲覧できませんが、「REINS Market Information」を通じて過去の成約価格を無料で確認できます。
この記事では、レインズの基本的な仕組みから、媒介契約ごとの登録義務の違い、一般の方がレインズ情報を確認する方法、ATBB(不動産業者間サイト)との違い、不動産会社が活用するメリットと注意点まで網羅的に解説します。
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レインズ(REINS)とは
レインズとは、不動産会社専用の物件情報ネットワークシステムです。 国土交通大臣が指定した「指定流通機構」が運営し、全国の売買・賃貸物件情報が集約されています。一般の方は直接利用できませんが、過去の成約価格は「REINS Market Information」で無料確認可能です。
正式名称は「Real Estate Information Network System」で、その頭文字をとって「REINS(レインズ)」と呼ばれています。
レインズの正式名称と設立の背景
レインズは1990年(平成2年)に、旧建設省(現・国土交通省)の主導で創設されました。
当時、不動産取引では売り手と買い手の間に大きな情報格差がありました。不動産会社ごとに保有する物件情報がバラバラで、買い手が幅広い物件を比較検討するのが難しい状況だったのです。
レインズはこの情報の非対称性を解消し、公正で透明な不動産取引を実現するために、宅地建物取引業法に基づく「指定流通機構」制度として法的に位置づけられました。
レインズの目的と3つの役割
レインズには、不動産取引を円滑にするための3つの役割があります。
| 役割 | 内容 |
|---|---|
| 物件情報の共有 | 全国の不動産会社が登録した売買・賃貸物件を一元的に検索可能にする |
| 適正価格の形成 | 過去の成約事例データを蓄積し、エリアごとの相場把握を支援する |
| 取引の透明性確保 | 物件ステータスの公開により、囲い込みなどの不正行為を抑止する |
国土交通省の「不動産流通市場の整備」資料によると、2023年度のレインズの新規登録件数は約186万件、総登録件数は累計427万件を超えています。不動産取引のインフラとして広く活用されているシステムです。
全国4つの指定流通機構と管轄エリア
レインズを運営するのは、全国に4つある「指定流通機構」です。不動産会社は所在地に応じた機構に所属し、物件情報を登録・検索します。
| 機構名 | 管轄エリア |
|---|---|
| 東日本不動産流通機構(東日本レインズ) | 北海道・東北・関東・甲信越 |
| 中部圏不動産流通機構(中部レインズ) | 富山・石川・福井・岐阜・静岡・愛知・三重 |
| 近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ) | 滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山 |
| 西日本不動産流通機構(西日本レインズ) | 中国・四国・九州・沖縄 |
4つの機構は独立して運営されていますが、相互に物件情報を閲覧できる仕組みになっています。たとえば東京の不動産会社が大阪の物件を検索することも可能です。
レインズに登録される不動産情報
レインズには、現在売り出し中の物件の基本情報(所在地・価格・面積等)と、過去の成約価格データが登録されています。 売主は自分の物件がどう掲載されているかを確認でき、買主は不動産会社を通じて希望条件に合う物件を広く探せます。
物件の基本情報
レインズに登録される物件の基本情報は以下のとおりです。
- 所在地・物件名
- 売出価格(税込/税抜の区別あり)
- 面積・間取り・構造・築年数
- 交通アクセス(最寄り駅・バス停からの距離)
- 土地の権利形態(所有権・借地権など)
- 物件の写真・間取り図・外観画像(登録は任意だが掲載推奨)
成約情報・取引事例データ
レインズには現在売り出し中の物件だけでなく、過去に成約した物件の取引データも蓄積されています。
- 成約価格・成約日
- エリアごとの価格推移・相場データ
- 面積・築年数・所在地の条件別データ
この成約事例データは、不動産会社が売主に対して査定額の根拠を説明する際や、買主に対して価格の妥当性を説明する際の資料として活用されています。
物件ステータスの管理
レインズに登録された物件には、現在の取引状況を示す「ステータス」が設定されています。
| ステータス | 意味 |
|---|---|
| 公開中 | 他の不動産会社からの紹介・購入申込を受け付けている |
| 書面による購入申込あり | 購入希望者から書面での申込が入った状態 |
| 売主都合一時紹介停止中 | 売主の事情で一時的に他社への紹介を停止している |
このステータスは他の不動産会社からも確認でき、後述する「囲い込み」を防止する仕組みの1つになっています。
売主・買主にとっての活用ポイント
レインズの情報は不動産会社が直接操作しますが、売主・買主も間接的にその恩恵を受けています。
売主にとってのメリット:
- レインズに登録されることで、全国の不動産会社に物件情報が公開され、買い手候補が広がる
- 成約事例データを基に、不動産会社から根拠のある査定額の説明を受けられる
買主にとってのメリット:
- 不動産会社がレインズを通じて幅広い物件を検索できるため、自分では見つけられない物件の提案を受けられる
- エリアの相場観を把握した上で、価格の妥当性を判断しやすくなる
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レインズへの登録義務と媒介契約の関係
レインズへの登録義務は媒介契約の種類で異なります。 専属専任媒介は5営業日以内、専任媒介は7営業日以内に登録が必要ですが、一般媒介には登録義務がありません。売却を検討している方は、この違いを理解しておくことが重要です。
専属専任媒介契約のレインズ登録義務
専属専任媒介契約は、1社の不動産会社にのみ売却を依頼する契約です。
- レインズ登録義務: あり(媒介契約締結日から5営業日以内)
- 売主への業務報告: 1週間に1回以上
- 他社への依頼: 不可
- 自己発見取引: 不可(売主が自ら買い手を見つけた場合も、契約した不動産会社を通す必要がある)
3種類の中で最も早くレインズに登録され、報告頻度も高いため、売主が状況を把握しやすい契約形態です。
専任媒介契約のレインズ登録義務
専任媒介契約も1社にのみ依頼する契約ですが、専属専任よりもやや制約が緩くなります。
- レインズ登録義務: あり(媒介契約締結日から7営業日以内)
- 売主への業務報告: 2週間に1回以上
- 他社への依頼: 不可
- 自己発見取引: 可(売主が自ら見つけた買い手との直接取引は可能)
一般媒介契約のレインズ登録義務
一般媒介契約は、複数の不動産会社に同時に売却を依頼できる契約形態です。
- レインズ登録義務: なし(任意)
- 売主への業務報告: 義務なし
- 他社への依頼: 可
- 自己発見取引: 可
登録義務はありませんが、売主から不動産会社にレインズ登録を依頼することは可能です。
媒介契約の比較表
| 項目 | 専属専任媒介 | 専任媒介 | 一般媒介 |
|---|---|---|---|
| レインズ登録義務 | あり(5営業日以内) | あり(7営業日以内) | なし(任意) |
| 業務報告の頻度 | 週1回以上 | 2週に1回以上 | 義務なし |
| 他社への依頼 | 不可 | 不可 | 可 |
| 自己発見取引 | 不可 | 可 | 可 |
| 契約期間の上限 | 3か月 | 3か月 | 法律上の定めなし(実務上3か月が一般的) |
レインズへの登録義務に違反した場合
不動産会社がレインズへの登録を期限内に行わなかった場合や、虚偽の情報を登録した場合は、宅地建物取引業法に基づく行政処分(指示処分・業務停止処分)の対象になります。
売主としては、専属専任または専任媒介契約を締結した場合、不動産会社から「登録証明書」を受け取ることで、期限どおりにレインズに登録されたかを確認できます。登録証明書を受け取っていない場合は、不動産会社に発行を求めましょう。
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レインズは一般人でも見られる?閲覧方法を解説
レインズ本体は不動産会社専用で、一般の方は直接利用できません。 ただし、過去の成約価格は「REINS Market Information」で無料確認可能です。また、売主は不動産会社から受け取る「登録証明書」で、自分の物件のステータスを確認できます。
レインズ本体は不動産会社のみ利用可能
レインズのシステム本体にアクセスできるのは、指定流通機構に加盟した不動産会社(宅地建物取引業者)のみです。個人がレインズに直接ログインして、現在売り出し中の物件情報を検索することはできません。
なお、レインズの利用に料金は発生しません。「レインズの閲覧に料金がかかるのでは?」と気になる方もいますが、不動産会社のシステム利用料は無料です(加盟する業界団体の会費は別途必要)。
REINS Market Informationで成約価格を確認する方法
一般の方でも、レインズが公開している「REINS Market Information」を通じて、過去の成約価格に関する情報を無料で確認できます。
REINS Market Information(http://www.contract.reins.or.jp/)
- 会員登録不要・利用料無料
- マンション・戸建住宅の成約価格を検索可能
- 所在地(町名レベル)・面積・築年数・取引時期で絞り込み可能
- 個別物件の特定はできない(番地・マンション名は非公開)
売却を検討している方は、自分の物件と条件が近い成約事例を調べることで、おおよその売却相場を把握できます。購入を検討している方も、希望エリアの相場観をつかむのに役立ちます。
不動産情報ライブラリとの違い
2024年4月に国土交通省が開設した「不動産情報ライブラリ」も、不動産取引に関する情報を一般公開しているWebサイトです。REINS Market Informationとは提供される情報の性質が異なるため、目的に応じて使い分けましょう。
| 項目 | REINS Market Information | 不動産情報ライブラリ |
|---|---|---|
| 運営 | 不動産流通機構 | 国土交通省 |
| 主な情報 | 仲介取引の成約価格 | 地価公示・取引価格・防災・都市計画 |
| 価格の性質 | 成約価格(実際に売買された価格) | 公示地価・取引価格(アンケート調査) |
| 物件の詳細度 | 町名レベル | 地番・地図上にプロット |
| 利用料 | 無料 | 無料 |
REINS Market Informationは「実際にいくらで売れたか」を調べたいときに、不動産情報ライブラリは「地価の推移やハザードマップも含めてエリアの全体像を把握したいとき」にそれぞれ適しています。
売主がレインズで自分の物件を確認する方法
専属専任または専任媒介契約を締結した売主は、不動産会社から交付される「登録証明書」を使って、レインズ上の自分の物件情報を確認できます。
確認の手順:
- 不動産会社から登録証明書を受け取る
- 登録証明書に記載された「確認画面のURL」にアクセスする
- 記載されたID・パスワードでログインする
- 物件のステータス(公開中・申込あり・一時紹介停止中)を確認する
この仕組みは、不動産会社による「囲い込み」を売主自身が見破る重要な手段です。もしステータスが「一時紹介停止中」になっているのに、不動産会社からその理由の説明がない場合は、囲い込みの可能性を疑い、不動産会社に確認しましょう。
不動産会社に確認すべきポイント
レインズを直接見ることはできなくても、不動産会社を通じてレインズの情報を活用できます。以下の質問を参考にしてください。
売主が確認すべきこと:
- 「レインズに登録されていますか?登録証明書をいただけますか?」
- 「現在のステータスは『公開中』ですか?」(囲い込みチェック)
- 「レインズ経由の問い合わせは何件来ていますか?」
- 「近隣の類似物件はいくらで成約していますか?」(査定根拠の確認)
買主が確認すべきこと:
- 「希望条件でレインズを検索してもらえますか?」(ポータルサイトに載っていない物件が見つかることも)
- 「この物件はいつからレインズに登録されていますか?」(長期間売れ残っている場合、価格交渉の余地がある)
- 「このエリアの類似物件の成約事例を教えてもらえますか?」(価格の妥当性を判断する材料に)
レインズとポータルサイト(SUUMO・HOME'S等)の違い
「SUUMOやHOME'Sで検索すればレインズは不要では?」と思う方もいるかもしれませんが、両者は性質が異なります。
| 項目 | レインズ | ポータルサイト(SUUMO等) |
|---|---|---|
| 性質 | 不動産会社間の情報共有システム | 不動産会社が出稿する広告媒体 |
| 掲載対象 | 媒介契約に基づく登録物件 | 不動産会社が任意で掲載する物件 |
| 閲覧者 | 不動産会社のみ | 一般消費者 |
| 掲載の網羅性 | 専属専任・専任媒介は登録義務あり | 不動産会社の判断で非掲載もあり |
ポータルサイトには掲載されていないが、レインズには登録されている物件も存在します。より幅広い選択肢から物件を探したい場合は、不動産会社にレインズでの検索を依頼するのが有効です。
不動産仲介における顧客満足度向上のメカニズムとは?
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レインズの使い方【不動産会社向け】
不動産会社はレインズで物件の登録・検索・成約報告を行います。 物件登録は媒介契約締結後に行い、登録証明書を売主に交付する義務があります。検索機能では条件設定に加え、日報配信で新着物件を自動受信することも可能です。
レインズへの物件登録方法
売主から媒介契約を受けた不動産会社は、以下の手順でレインズに物件情報を登録します。
- レインズの会員ログイン画面からログイン
- 「物件登録」メニューから物件種別(売買・賃貸)を選択
- 所在地・価格・面積・間取り・築年数などの基本情報を入力
- 物件写真・間取り図をアップロード(任意だが、写真ありの物件は問い合わせが増える傾向)
- 登録完了後、「登録証明書」が自動発行される
登録証明書は売主への交付が義務づけられています。専属専任媒介契約では5営業日以内、専任媒介契約では7営業日以内に登録を完了する必要があります。
レインズでの物件検索の方法
買主から物件探しの依頼を受けた不動産会社は、レインズで以下の条件を組み合わせて物件を検索します。
- エリア(都道府県・市区町村・沿線・駅)
- 物件種別(マンション・戸建・土地・事業用等)
- 価格帯・面積・築年数・間取り
- 新着物件のみ・価格改定物件のみなどの絞り込み
レインズには「日報」配信機能があり、設定した条件に合致する新着物件を毎日メールで自動受信できます。顧客の希望条件に合った日報を設定しておけば、新着物件をいち早くキャッチして提案につなげられます。
検索を効率化するポイント:
- 価格帯は顧客の予算より少し広め(±10〜15%程度)に設定し、価格交渉の余地がある物件も拾う
- 「価格改定物件」の絞り込みを活用すると、値下げされたばかりの物件を素早く見つけられる
- 成約済み物件を除外する設定を忘れると、すでに売れた物件に問い合わせてしまう無駄が発生する
成約事例データの活用法
レインズに蓄積された成約事例データは、不動産会社の日常業務の多くの場面で活用されています。
- 査定業務: エリア・面積・築年数が類似する成約事例を複数抽出し、比較検討することで根拠のある査定額を算出。「○年△月に、徒歩□分の類似マンションが○○万円で成約」と具体的に示すことで売主の納得感が高まる
- 買主への価格説明: 「このエリアではこの条件の物件が○○万円で成約しています」と具体的なデータで価格の妥当性を説明
- 価格改定の判断: 売り出しから一定期間経過しても反響が少ない場合、直近の成約事例との乖離を確認し、値下げ幅の根拠とする
- 物件仕入れの判断: 売主からの査定依頼に対して、成約事例データを基に「このエリアなら○○万円台での成約が見込める」と提案し、媒介契約につなげる
登録証明書の発行と売主への交付義務
物件をレインズに登録すると、登録証明書が発行されます。専属専任・専任媒介契約の場合、この登録証明書を遅滞なく売主に交付する義務があります。
登録証明書には以下の情報が記載されています。
- レインズの登録番号
- 物件の登録日
- 確認画面のURL・確認用ID・パスワード
交付を怠った場合、行政指導・処分の対象になりうるため、登録完了後は速やかに売主へ送付しましょう。
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ATBB(不動産業者間サイト)とは?レインズとの違い
ATBBは東日本レインズが運営する業者間の物件情報サイトで、レインズとは別のシステムです。 レインズが「物件情報の登録・検索」に特化しているのに対し、ATBBでは販売図面や帯替え用資料など、営業活動に直接使える資料の共有が可能です。
ATBBの概要と利用条件
ATBBは、東日本レインズが運営する不動産業者間の物件情報サイトです。正式名称は「ATBB(At Home Biz Board)」で、東日本レインズに加盟している不動産会社が追加で利用登録することでアクセスできます。
利用料は無料ですが、対象は東日本レインズの管轄エリア(北海道・東北・関東・甲信越)の不動産会社に限定されます。
ATBBで確認できる情報
ATBBでは、レインズに登録された物件情報に加え、以下のような販売活動に直接使える情報・資料を共有できます。
- 物件の販売図面(チラシ用データ)
- 帯替え用の資料データ(自社名義で作り直すためのデータ)
- 間取り図の高解像度画像
- 業者間での物件確認(空室確認・内見予約など)のやり取り
レインズとATBBの使い分け
| 項目 | レインズ | ATBB |
|---|---|---|
| 運営 | 全国4つの指定流通機構 | 東日本レインズ |
| 対象エリア | 全国 | 東日本レインズ管轄エリア |
| 主な用途 | 物件情報の登録・検索・成約報告 | 業者間の図面共有・販売資料の取得 |
| 販売図面の共有 | 基本情報のみ | 販売図面・帯替え資料まで共有可能 |
| 利用料 | 無料 | 無料(東日本レインズ会員限定) |
レインズが「物件情報を見つける場所」であるのに対し、ATBBは「見つけた物件の販売資料を手に入れる場所」という位置づけです。東日本レインズ管轄エリアの不動産会社であれば、両方を使いこなすことで物件紹介の準備がスムーズになります。
物件資料の作成・共有を効率化したい仲介会社の方へ。
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不動産会社がレインズを利用する5つのメリット
レインズの最大のメリットは、会社規模を問わず全国の物件情報に無料でアクセスできることです。 成約データによる適正価格の算出、囲い込み防止、売主への活動報告の根拠としても活用でき、不動産仲介業務の基盤として欠かせないシステムです。
会社規模を問わず全国の物件情報にアクセスできる
レインズに加盟していれば、中小規模の不動産会社でも大手と同じ物件情報にアクセスできます。自社の営業エリア外の物件も検索可能なため、転勤に伴う住み替えや遠方の投資用物件の相談にも対応しやすくなります。
成約データで適正価格を算出しやすい
過去の成約事例データが蓄積されているため、「この条件の物件は実際にいくらで売れたか」を根拠として示すことができます。査定時に「近隣の類似物件がこの価格帯で成約している」と具体的に説明できれば、売主・買主双方の納得感が高まります。
囲い込みの防止と取引の透明性向上
レインズでは、登録された物件のステータスが他の不動産会社にも公開されています。ステータスが不自然に「一時紹介停止中」に変わっている場合は囲い込みの疑いがあり、他社からのチェック機能として働きます。
2025年1月の制度改正では、正当な理由のないステータス変更が処分対象として明確化されました。ステータスの変更履歴が記録・監視される仕組みも導入され、取引の透明性がさらに強化されています。
登録費用・利用料が無料
レインズの利用にシステム使用料は発生しません。物件の登録・検索・成約報告まで、すべて無料で利用できます。ただし、レインズを利用するためには指定流通機構に加盟する必要があり、加盟先の業界団体(宅地建物取引業協会など)の年会費は別途発生します。
売主への活動報告の根拠になる
レインズの登録証明書や物件ステータスの情報は、売主への活動報告に活用できます。「レインズに登録しました」「○件の問い合わせがありました」「現在のステータスは公開中です」と具体的に伝えることで、売主からの信頼を得やすくなります。
成約率を高めたい仲介会社の方へ。
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レインズ利用時の注意点
レインズは万能ではなく、管理状態・修繕履歴・近隣トラブルなどの情報は含まれていません。 また、物件情報の鮮度にばらつきがある点や、囲い込みリスクにも注意が必要です。2025年1月の制度改正で囲い込み対策は強化されましたが、売主自身による確認も重要です。
レインズだけでは把握できない情報がある
レインズに登録される情報は物件の基本スペックと価格が中心で、以下のような情報はレインズだけでは確認できません。
- 物件の管理状態・修繕履歴
- 近隣トラブル・騒音問題
- マンションの管理組合の財政状況
- ハザードマップ情報(不動産情報ライブラリで確認可能)
- 売主の売却理由・売り急ぎの有無
買主としては、レインズの情報だけで判断せず、現地確認や不動産会社への追加ヒアリングが欠かせません。売主としても、物件の強みをアピールするために、レインズに載らない情報(リフォーム履歴、周辺環境の良さなど)を不動産会社に伝えておくことが重要です。
物件情報の鮮度にばらつきがある
レインズに登録された情報は、登録した不動産会社が更新しない限り、古い情報のままになることがあります。
- 成約済みなのにステータスが「公開中」のまま残っている
- 価格改定が反映されていない
- 退去済みの賃貸物件が掲載されたまま
レインズで気になる物件を見つけた場合は、必ず元付業者(物件を登録した不動産会社)に現在の状況を確認しましょう。
囲い込みへの対処と2025年1月の制度改正
囲い込みとは、売主から媒介を受けた不動産会社が、自社で買い手も見つけて両手仲介(売主・買主双方から仲介手数料を受領)を狙うために、他社からの紹介を不当に拒否する行為です。
2025年1月の制度改正の主なポイント:
- 正当な理由のないステータス変更(他社への紹介を停止する行為)が行政処分の対象として明確化
- レインズのステータス変更履歴が記録・監視される仕組みが導入
- 売主がレインズの確認画面でステータスを直接チェックできることの周知が強化
売主が囲い込みを見破るチェックポイント:
- 登録証明書で確認画面にログインし、ステータスが「公開中」になっているか定期的に確認する
- 内見の申し込みや問い合わせの件数が不自然に少ない場合は、他社からの問い合わせが拒否されていないか確認する
- 不動産会社からの報告内容に疑問がある場合は、他の不動産会社にレインズ上の物件ステータスを確認してもらう
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レインズに関するよくある質問
Q1. レインズの登録に費用はかかりますか?
レインズのシステム利用料は無料です。物件の登録・検索・成約報告まで、すべて費用なしで利用できます。ただし、レインズを利用するには不動産業界団体(宅地建物取引業協会、全日本不動産協会など)への加盟が必要で、団体の年会費は別途発生します。
Q2. レインズは個人(一般人)でも利用できますか?
レインズ本体を一般の方が利用することはできません。レインズにアクセスできるのは、指定流通機構に加盟した不動産会社(宅地建物取引業者)のみです。ただし、過去の成約価格については「REINS Market Information」(http://www.contract.reins.or.jp/)で、無料・会員登録不要で確認できます。
Q3. 一般媒介契約でもレインズに登録してもらえますか?
一般媒介契約には、不動産会社にレインズへの登録義務はありません。ただし、売主から登録を依頼することは可能です。レインズに登録されることで物件情報がより多くの不動産会社に公開されるため、早期売却を目指す場合は登録を依頼するのが有効です。
Q4. レインズに登録された情報はいつ反映されますか?
レインズへの登録手続きが完了すると、原則として即時に他の不動産会社から検索・閲覧可能になります。登録期限は、専属専任媒介契約で5営業日以内、専任媒介契約で7営業日以内です。
Q5. レインズの登録状況を確認する方法はありますか?
専属専任・専任媒介契約の場合、不動産会社から「登録証明書」が交付されます。登録証明書に記載された確認用URLとID・パスワードを使えば、売主自身がレインズ上の物件ステータス(公開中・申込あり・一時紹介停止中)を確認できます。登録証明書を受け取っていない場合は、不動産会社に発行を依頼しましょう。
まとめ
レインズ(REINS)は、国土交通大臣が指定した不動産流通機構が運営する、不動産会社専用の物件情報ネットワークシステムです。
- レインズには物件の基本情報と成約事例データが集約されており、全国の不動産会社が情報を共有する基盤として機能している
- 媒介契約の種類によって登録義務が異なり、専属専任は5営業日以内、専任は7営業日以内の登録が必要
- 一般の方はレインズを直接利用できないが、REINS Market Informationで成約価格情報を無料で確認可能
- ATBBは東日本レインズが運営する業者間サイトで、販売図面や帯替え資料の共有に特化
- 2025年1月の制度改正により、囲い込み防止策がさらに強化された
不動産仲介業務の効率化に関心のある方は、ぜひFaciloのサービス資料もご覧ください。
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