不動産のWeb広告|媒体の選び方・費用と反響を成果につなげる運用

営業ノウハウ

不動産のWeb広告 媒体選びと反響後の運用
目次

不動産のWeb広告は、検索結果やWebサイト、SNSなどに有料で広告を配信し、物件への問い合わせや売却相談、来店予約などの接点をつくる施策です。媒体を選ぶときは、知名度や利用者数だけでなく、「誰から、どのような相談を得たいか」「受け付けた後に対応できるか」を先に決めます。

同じ広告費でも、買主の内見希望を集める場合と、売主の査定相談を集める場合では、伝える内容もリンク先も異なります。また、問い合わせの件数が増えても、商談や成約につながっているかは別に確かめる必要があります。

この記事では売買仲介を中心に、賃貸・分譲にも共通する媒体の選び方、予算の組み立て、出稿前の準備、配信後の改善を解説します。広告担当者と営業担当者が、どの数字と情報を共有するかまで整理していきましょう。

反響を集めた後の対応にも課題がある方は、FaciloのCRMで扱える業務を確認できます。

→ 広告で得た相談を管理するCRMの機能を見る

不動産のWeb広告は「誰から、何の反響を得るか」から選ぶ

最初に決めるのは、媒体名よりも「獲得したい相談」と「有効な反響の条件」です。買主・売主・借主をひとまとめにすると、広告の内容も成果の評価も曖昧になります。

買主・売主・借主・来場予約で、広告の目的を分ける

たとえば「○○市の中古マンションを見学したい人」と「○○市の自宅を売るか迷っている人」では、同じ地域の広告でも必要な情報が違います。前者には物件の条件や見学方法、後者には相談できる内容や査定の進み方を伝える必要があります。

出稿前に、次のように目的と受け付ける行動を対応させます。表の条件は設計例であり、自社の商圏や取扱業務に合わせて調整してください。

相談相手

広告で求める行動

主なリンク先

有効な反響として確認する条件の例

買主

購入相談・内見希望

物件詳細・購入相談ページ

対応地域、希望条件、相談内容が確認できる

売主

査定依頼・売却相談

売却相談・査定の案内ページ

対象物件と相談者の関係、所在地、相談内容が確認できる

借主

空室確認・内見希望

募集中の賃貸物件・賃貸相談ページ

対応できる地域や条件の問い合わせである

分譲住宅の検討者

資料請求・来場予約

対象物件の販売・来場案内ページ

資料請求と来場予約を分け、予約内容が確認できる

「送信されたらすべて同じ1件」と集計するのではなく、営業の売り込み、同じ人の重複送信、対象外の相談をどう扱うかも決めておきます。ただし、検討時期が先というだけで除外すると、将来の見込み客を見失うことがあります。対応対象であることと、すぐ商談になることは分けて記録しましょう。

買主・売主の相談を担当者へ引き継ぐ仕組みも、出稿計画と一緒に検討できます。以下はFaciloのCRMサービス紹介資料です。

→ 自社の反響管理を見直すために、CRMのサービス資料を取り寄せる

ポータル掲載・SEO・自然投稿との役割を整理する

ポータルサイトの通常掲載は、条件で物件を探す人に情報を届ける接点です。SEOは検索から継続的に見つけてもらうための取り組み、SNSの自然投稿は会社や物件、担当者を知ってもらう接点として考えられます。Web広告では、これらで不足する接点に予算を投じます。

ただし、ポータルにも有料の広告商品があり、SNSにも自然投稿と広告があります。「どのサイトに出るか」と「どのような仕組みで届けるか」を分けて考えることが大切です。

既存施策を一斉にやめて広告へ置き換える必要はありません。今の反響の内訳を見て、補いたい相談を一つ選び、営業が対応できる量から始めます。Web広告以外も含めて比較する場合は、不動産の集客方法と改善の進め方を参照してください。優先顧客や事業目標から考え直す場合は、不動産マーケティング戦略の立て方で全体を整理できます。

主なWeb広告の特徴と、自社に合う使い分け

検索広告は検索された言葉と相談内容を合わせ、画像・動画の広告は、見せたい情報と制作・更新できる体制を合わせて選びます。同じ不動産会社でも、募集する物件や獲得したい相談によって候補は変わります。

検索広告は、具体的な地域・条件を探す人への接点になる

Google広告やLINEヤフー広告の検索広告は、検索結果などに広告を表示する仕組みです。「○○駅 中古マンション」「○○市 不動産 売却相談」のように、地域と目的が具体的な検索を、対応するページへ案内する候補になります。

購入希望者を売却査定のページへ送ったり、個別物件を探す人を情報の少ない会社トップへ送ったりすると、広告で期待した情報を見つけにくくなります。検索される言葉、広告の説明、リンク先の内容を一組で設計しましょう。

検索広告は文字だけに限られず、Google広告には条件を満たす場合に利用できる画像アセットもあります。利用要件や表示方法は、Google広告の画像アセットに関する案内で確認できます。

検索する人の数が限られる商圏では、予算を増やしても狙った問い合わせが同じ割合で増えるとは限りません。最初から広い言葉を大量に登録するより、扱える相談に合う検索意図を選び、実際に広告が表示された検索語句を確かめていく方法が考えられます。

ディスプレイ・SNS・動画は、伝える内容と制作体制から選ぶ

画像で物件の特徴を見せたい、地域で会社を知ってもらいたい、動画で相談の流れを伝えたい場合は、検索以外の接点も候補になります。

広告の主な形

掲載される場の例

向いている検証の例

準備・更新するもの

検索広告

Google・LINEヤフー広告の検索結果等

地域や相談内容に合う検索から反響を得られるか

検索意図に合う広告文、リンク先、除外候補

ディスプレイ広告

Webサイト・アプリの広告枠、LINE・Yahoo! JAPANの掲載面等

会社や物件を知る接点を増やせるか

画像・文章、配信対象、掲載先の確認

SNS広告

Instagram・Facebook・TikTok等のフィードや動画の掲載面

利用中の人に、物件や相談内容への関心を持ってもらえるか

写真・短い動画、説明、相談への導線

動画広告

YouTube等の動画の掲載面

室内の動線や会社の対応方針を伝え、次の閲覧・相談につながるか

動画、字幕、音声、視聴後のリンク先

SNSは掲載される場、動画は表現の形式でもあるため、分類は重なります。表を排他的な媒体一覧として扱わず、「どこで」「何を見せるか」を分けて比較してください。

LINE・Yahoo! JAPANへの配信は、2026年4月に統合されたLINEヤフー広告の体系で確認します。旧LINE広告の日本向け配信は2026年10月26日に終了しています。LINE公式アカウントで友だちへメッセージを送る運用と、広告の有料配信も別の仕組みです。LINEヤフー広告の統合案内、旧LINE広告の配信停止案内

媒体は「若い人が多そうだから」といった印象だけで選ばず、扱う物件、相談内容、素材、リンク先をそろえて判断します。たとえば、動画の更新担当が決まっていないのに動画広告を中心にすると、募集条件の変更に対応できないおそれがあります。

候補を絞るときは、次の順に確認すると不足を見つけやすくなります。

  1. 目的:購入相談、売却相談など、どの反響を得たいか。
  2. 接点:検索中の人か、閲覧中に関心を持ってもらう人か。
  3. 素材とリンク先:伝えたい情報を用意し、更新できるか。
  4. 運用担当:配信の確認、変更、問い合わせ対応を誰が行うか。
目的、届かせたい接点、素材と広告の遷移先ページ、運用担当の四段階で広告を設計する。
媒体名だけで決めず、目的・読者との接点・用意できる素材やページ・担当体制を合わせて選びます。特定媒体の優劣や成果を示す図ではありません。

リターゲティングは、訪問者への再接触方法として考える

リターゲティングは、自社サイトへの訪問などを手掛かりに、再び広告を届ける方法です。検索広告・SNS広告などと並ぶ一つの掲載媒体というより、配信対象をどう選ぶかという考え方に当たります。

利用できる対象データや条件は媒体によって異なります。タグなどの計測設定、プライバシーに関する表示・必要な対応、配信に足りる対象数、表示頻度を確認します。問い合わせ済み・成約済みの人へ同じ募集広告を繰り返さないための除外も、利用できる設定の範囲で検討しましょう。すべての訪問者を必ず識別して配信できるわけではありません。

自然投稿との組み合わせは、不動産SNSの媒体選びと運用で解説しています。媒体ごとの配信結果は分けて評価しながら、受け付けた顧客情報は社内で追える状態にします。

媒体を増やす前に、反響受付後の顧客情報とやり取りをどこへ集めるかを決めましょう。

→ 顧客情報と接客履歴をまとめる機能を確かめる

費用と予算は、獲得したい成果から組み立てる

予算は媒体費だけで決めず、制作・運用・計測の費用と、営業が対応できる件数を含めて組み立てます。「不動産広告なら月額いくら」という一律の相場から決めると、自社の目的や収益に合わないことがあります。

媒体費・制作費・代行費・計測費を分ける

支出項目

含まれるものの例

見積もりで確認する点

媒体費

広告を配信するための費用

課金方式、予算上限、配信期間

制作費

画像・動画・広告文・LPの制作

初回費用、修正回数、追加素材の費用

運用代行費

入稿、配信調整、分析・報告

定額・料率等の算定方法、最低費用、作業範囲

計測・管理費

タグ設定、計測ツール、データ集計

初期設定と月額費用、保守・変更の範囲

課金には、クリックに応じるCPC、1,000回の表示を単位とするCPM、動画視聴等に応じるCPVなどがあります。選べる方式や「視聴」の条件は広告商品・設定によって異なるため、媒体名だけで課金方法を決めつけないようにします。

見積もりでは税込・税別、初期・継続、最低契約期間もそろえて比較します。社内運用でも、担当者の入稿や分析に使う時間は必要です。外注費がないことと、運用コストがないことは同じではありません。

許容獲得費と対応可能な件数から試験予算を決める

仲介会社が採算を考える基準は、物件価格そのものではなく、自社に残る収益や利益です。1件の成約から得られる収益、営業・事務にかかる費用、確保したい利益を踏まえ、顧客獲得に充てられる範囲を決めます。その全額を広告の媒体費に使えるとは限りません。

初回は「目標とする有効反響数×仮の有効反響単価」で媒体費を試算し、制作費等を別に加える方法があります。過去実績がなければ仮定として置き、追加支出の前に見直す条件を決めておきます。

次は計算方法を示す架空の例です。広告費10万円で受け付けた問い合わせ10件を追跡し、そのうち有効反響5件、面談2件、成約1件だったと仮定します。実績や費用の相場ではありません。

評価する成果

計算

1件当たりの媒体費

問い合わせ

10万円÷10件

1万円

有効反響

10万円÷5件

2万円

面談

10万円÷2件

5万円

成約

10万円÷1件

10万円

問い合わせ1件の獲得費をCPAと呼ぶ場合でも、何を成果と数えたCPAなのかを添えます。この例に制作費や代行費がかかっていれば、総費用での獲得単価はさらに上がります。1件の成約だけで今後の費用対効果を断定せず、継続データで仮定を更新しましょう。

広告の費用対効果を判断するには、営業側の活動と成果の記録も必要です。FaciloのCRMが扱う分析機能を確認できます。

→ CRMで確認できる活動・成果分析の範囲を見る

日額設定と実際の請求上限を確認する

管理画面に設定した日額が、その日の固定上限とは限りません。Google広告の「1日の平均予算」を使う多くのキャンペーンでは、1日の費用上限は平均予算の2倍、1か月は30.4倍です。キャンペーンの種類や月途中の予算変更などで扱いが変わるため、設定値だけで支払いを予測せず、Google広告の費用上限の案内と予算レポートを確認してください。

複数媒体を使う場合は、媒体ごとの上限に加え、会社全体で承認した総額を管理します。増額できる人と、確認が必要な金額も決めておくと、配信調整と予算管理を両立できます。

出稿前に、広告・リンク先・受付体制をそろえる

出稿前は、広告の表示だけでなく、リンク先の情報と問い合わせを受ける担当まで確認します。入稿が完了していても、募集状況や受付の準備が整っていなければ配信を始められません。

広告の約束とLPの情報・フォームを一致させる

LPは広告をクリックした後に開くページです。広告で案内した物件・相談内容をすぐ見つけられ、対象地域、募集状況、条件、費用、次にできる行動が分かるようにします。査定相談と内見予約を同じ案内で受けず、それぞれに必要な入力項目を用意しましょう。

スマートフォンで広告からLP、フォーム、送信完了、社内への受付通知まで一連の動きを確認します。テスト送信は、担当者と識別方法を決めて実施してください。定休日や担当者不在時も含め、誰が受付を確認し、未対応を引き継ぐかまで決めます。

問い合わせを受け付けた後、誰がどこまで対応したかを共有したい方へ。FaciloのCRMサービス紹介資料をご用意しています。

→ 担当と対応履歴の共有を検討するために、CRM資料を請求する

表示ルールと媒体審査を、出稿前の確認表にする

物件広告では、誇大広告になっていないか、未完成物件に必要な許可・確認等を得ているか、取引態様を正しく示しているかを確認します。物件種別・広告の態様に応じた必要表示、写真や表現の根拠、掲載承諾も確認対象です。宅地建物取引業法、不動産公正取引協議会連合会の規約集

「短い広告だからLP側だけですべて補える」「媒体審査に通れば適法」と一律に判断しないようにします。配信する国や広告カテゴリー、個人情報・タグの利用、素材の権利も媒体の現行条件と照合します。

物件種別ごとの必要表示や制限表現の詳しい確認は、不動産広告のルールと掲載前の確認方法をご覧ください。確認済みの特徴を短く伝える方法は、不動産のキャッチコピー例と作り方で解説しています。

物件の変更・成約を、配信中の広告とLPの停止まで届ける

物件が成約したときは、次の更新予定日を待たず、該当広告とリンク先を速やかに見直します。取引できなくなった物件の掲載継続は、おとり広告の問題につながります。不動産公正取引協議会連合会のおとり広告ガイドライン

担当

行うこと

完了時に残すもの

物件担当

成約・条件変更を広告担当へ連絡

物件を識別する情報、変更内容・時刻

広告担当

該当する配信を停止・修正

媒体名、キャンペーン・広告ID、操作結果

LP担当

募集情報・フォームの案内を修正

対象URL、公開表示の確認結果

媒体とLPの両方を確認して初めて対応を終えます。広告の自動配信を使っていても、物件の成約情報が自動で届くとは限らないため、停止連絡の経路を別に持たせましょう。

配信後は、数字が減る段階から改善する

反響が少ないときは、表示・クリック・問い合わせを順に見て、どの段階から改善するかを決めます。問い合わせ件数だけを見て媒体全体を評価すると、リンク先や計測の問題を見逃すことがあります。

表示・クリック・問い合わせを同じ定義で比べる

まず、広告管理画面と社内の報告で、指標の意味をそろえます。次は問い合わせを成果として見る場合の基本的な整理です。

指標

計算・意味

確認したいこと

表示回数

広告が表示された回数

広告が配信されているか。人数とは区別する

CTR(クリック率)

クリック数÷表示回数×100

表示された広告がクリックにつながっているか

CPC(クリック単価)

媒体費÷クリック数

クリックを得るために使った費用

問い合わせCVR

問い合わせ件数÷クリック数×100という集計例

クリックから問い合わせにつながっているか

問い合わせCPA

媒体費÷問い合わせ件数

問い合わせ1件に使った媒体費

CVRは、サイトの訪問数を分母にする集計もあります。異なる分母や計測範囲の数値を、そのまま比較しないでください。問い合わせの件数も、フォーム送信完了なのか、電話ボタンのクリックなのか、実際の通話なのかで意味が変わります。

広告管理画面とアクセス解析では、成果を数える期間や接点の扱いなどが異なることがあります。数字が一致しないときは、まず測っている行動、重複の扱い、集計期間・時刻をそろえます。差があるというだけで、どちらかが誤計測と決めつけないようにしましょう。

配信対象・広告素材・リンク先を切り分ける

確認できた状態

最初に調べる候補

表示自体が少ない

審査・配信状態、商圏、対象条件、予算、検索需要

表示はあるがクリックが少ない

検索意図との一致、訴求、画像・動画、掲載面

クリックはあるが問い合わせが少ない

LPの内容・速度・スマホ表示、フォーム、広告との条件の不一致

問い合わせはあるが有効反響が少ない

広告で伝えた対象、対応地域、集計ルール、相談内容

有効反響はあるが面談等に進まない

初回対応、連絡の成立、提案内容、顧客の検討時期

表は原因を確定するものではなく、確認順の目安です。たとえばクリック率の低下でも、配信先が変わったのか、素材が合わなくなったのかを分けて調べます。

検索広告では、登録したキーワードだけでなく、実際の検索語句を確認します。目的と無関係な語句は除外候補ですが、「無料」「相場」などを機械的に除くと、売却査定を検討する人まで対象外にする可能性があります。相談内容と、その後の成果も合わせて判断しましょう。

変更した内容と検証条件を残す

媒体、対象地域、広告、LP、予算を一度に変えると、どの変更が影響したか分かりにくくなります。変更日、変更内容、確認したい指標、比較期間を記録し、できるだけ条件をそろえて比べます。物件や募集時期が違えば、その差も記録してください。

少数のクリックや問い合わせだけで勝ち負けを決めず、計測が動いているかを先に確認します。一方、取引できない物件の広告、フォームの故障、承認予算を超える設定は、十分なデータがたまるのを待つ問題ではありません。

自動入札などを利用している場合は、学習状況や設定変更の影響も媒体の案内に沿って確認します。毎日数値が動くたびに条件を変えるより、何を確かめたい運用なのかを保つことが大切です。

広告側の数字と、顧客に行った対応は役割を分けて記録します。営業の履歴をどう確認できるか、製品ページで確かめられます。

→ 問い合わせ後の接客履歴を確認する仕組みを見る

問い合わせから商談・成約まで追う

広告の成果を見るには、どの時期に得た反響が、その後どこまで進んだかを追います。広告管理画面の問い合わせ数と、営業側の対応履歴・進捗をつなげて考えましょう。

有効反響の条件と、受付後の担当を決める

有効反響の定義は、自社の対応地域や相談内容に合わせて決めます。「連絡先が記入されている」「購入・売却等の相談である」などの条件を置き、対象外、重複、営業の売り込み等は理由とともに分けます。

受付後に連絡がつかなかった場合も、問い合わせそのものが無効なのか、まだ連絡が成立していないのかは別です。途中で定義を変えると過去との比較ができなくなるため、変更日と条件を残してください。

営業側では、少なくとも顧客を識別する情報、受付経路・日時、担当者、初回対応、現在の状況、次回の予定を追えるようにします。賃貸なら内見・申込み、分譲なら来場・再来場など、自社の業務に合う段階へ置き換えましょう。

受付後に何を伝えるか、継続フォローをどう進めるかは、不動産の反響営業の進め方で確認できます。

反響を得た時期をそろえ、面談・内見・成約への進み方を見る

今月の成約が、先月以前の問い合わせから生まれることはあります。そのため「今月の成約数÷今月の問い合わせ数」だけでは、今月の広告から得た反響の成約率を正しく表せません。

たとえば「10月に獲得した購入相談を、11月末時点で確認する」のように、獲得期間と確認日を分けます。その同じ対象について、有効反響、面談、内見、成約などの件数を見ると、途中の進み方を追えます。追跡中の案件を失注とみなさず、前月と比較するときも経過期間をそろえます。

同じ人が広告をクリックし、後日会社名で検索して電話する場合もあります。最後の接点だけを「唯一の獲得元」と扱わず、分かる範囲で最初の接点、問い合わせ時の経路、顧客の申告を分けて残します。把握できない経路は不明のまま区別し、推測で特定媒体の成果に加えないようにします。

広告運用・効果測定・CRMの役割を分ける

媒体別の成果を確かめるには、広告側の識別情報と、営業側の顧客・案件を対応させる設計が必要です。URLの識別パラメータや広告クリックのIDを利用する場合も、取得・保存・受け渡しが機能しているかを確かめます。URLには氏名やメールアドレスなどの個人情報を入れないようにします。

管理する領域

主な役割

受け渡しで確認すること

広告管理画面

広告配信、入札、予算、広告別の実績

キャンペーン・広告の識別、成果の定義

アクセス解析・広告効果測定

サイト内の行動、フォーム到達・完了、接点の把握

計測条件、経路の識別、重複の扱い

CRM・営業管理

顧客、担当者、対応履歴、進捗・営業成果

顧客・案件の識別、受付経路、更新ルール

広告配信、サイトとフォームの計測、顧客と営業の管理を分け、媒体・広告、問い合わせ・顧客、営業進捗の識別情報を渡す。領域間には連携設定が必要。
役割と情報の受け渡しを示す概念図です。Faciloが広告を配信する、広告費が無設定でCRMへ連携される、といった意味ではありません。利用する媒体・計測方法・サービスごとに取得情報と連携範囲を確認します。

Google広告でオフラインの成果を記録する場合も、データソースの接続とコンバージョン設定が必要です。CRMを入れただけですべての媒体に営業成果が自動で返るわけではありません。Google広告のオフラインコンバージョン設定

売買仲介の顧客管理を検討する場合、FaciloのCRMには、買い・売りの反響管理、担当者との紐付け、接客履歴、活動・成果分析などのシステム機能があります。本記事で案内するのは営業情報を管理する機能です。広告の配信・入札を行うツールとして紹介するものではありません。賃貸・分譲の業務では、必要な管理項目や既存システムとの役割分担に合うかを個別に確認してください。

製品ページには開発中・今後提供予定の機能も含まれます。AIによる担当者の推奨や自動追客などと、システム機能欄にある内容を分け、導入時の提供範囲を確認します。顧客管理の必要機能や導入手順を整理したい場合は、不動産CRMの選び方も参考にしてください。

売買の反響を、担当者だけの情報にしないために

FaciloのCRMでは、買い・売りの反響、担当者との紐付け、接客履歴、活動・成果分析を扱います。広告配信とは別に、営業の情報共有を整えたい方に向けたサービスです。自社で管理したい業務を整理したうえで、CRMサービス紹介資料をご検討ください。

→ 反響から営業成果までの管理を検討できるCRM資料を受け取る

自社運用と外注は、担当できる作業から決める

内製・外注は、手数料の有無だけでなく、誰が必要な作業と判断を継続できるかで決めます。代理店へ任せる場合も、最新の物件情報や営業結果を渡す社内担当は必要です。

社内に残す判断と、任せる作業を分ける

商圏、扱う相談、募集状況、予算上限、営業上の成果は、自社の事業に基づく判断です。一方、広告の入稿、素材制作、配信調整、レポート作成などは、社内の担当者や外注先と分担できます。

自社運用なら、日常の確認と、担当者不在時の停止・修正を誰が担うかを決めます。外注なら、物件情報が変わったときの連絡方法、広告を止める権限、対応時間を確認しましょう。「代理店へ連絡した」と「配信が止まった」は別の状態です。

広告担当と営業担当の打ち合わせでは、クリック率だけでなく、どの相談が来て、対応できたかを共有します。個人情報を含む記録を外部へ渡す場合は、必要な範囲・利用目的・取扱方法を確認し、集計値で足りる情報まで顧客単位で共有しないようにします。

代理店には費用・権限・改善内容を確認する

以下は、見積もりや提案を比べる際の確認例です。「不動産の実績あり」だけで判断せず、売買・賃貸・分譲、目的、商圏などが自社に近いかを確かめます。

確認項目

聞いておきたいこと

実績

同じ業態・目的の支援例か。成果の定義・期間・母数は何か

費用

媒体費と手数料は分かれているか。初期・追加費用は何か

制作・更新

画像・動画・LPの制作と修正は何回・どこまで含むか

計測

タグやフォームの設定、計測不具合の修正は誰が行うか

権限

自社でアカウントの実績を確認できるか。緊急停止は誰ができるか

報告・改善

結果の報告だけでなく、原因仮説と次の変更案があるか

契約終了

契約期間、解約条件、アカウント・素材・データの引継ぎはどうなるか

クリック単価が下がったという実績だけでは、有効反響や成約が増えたかまでは分かりません。提示された成功例と自社の条件が違う部分も確認し、最初の運用で何を検証するか合意しておきます。

外注先へ伝える情報と、社内で持つ顧客対応の記録を整理したうえで、CRMに必要な機能を確認しましょう。

→ 社内で共有する顧客・営業情報の機能を確認する

よくある質問と、最初の出稿で決めること

広告の開始額や評価期間は、自社の目的と運用条件に合わせて決めます。始める前に、次の疑問と実行項目を整理しておきましょう。

少額でも始められますか?

媒体や契約条件によります。少額から設定できても、その金額で広告の良し悪しを判断できるだけのデータが得られるとは限りません。対象地域・相談内容・媒体を絞り、制作や確認の工数まで含めて実行可能かを考えます。

広告費を小さく分けて多くの媒体に出すより、最初に確かめたい仮説を決めると、結果を次の判断に使いやすくなります。予算を使い切ること自体を目的にせず、継続・変更・停止の条件も決めてください。

ポータルサイトとWeb広告は両方必要ですか?

必ず両方必要というわけではありません。現在のポータルから得られる反響、費用、顧客層と、自社が増やしたい相談の差を見ます。売却相談など既存の掲載で十分に得られていない接点を補う場合は、Web広告を検証する理由になります。

比較では問い合わせ単価だけでなく、有効反響や営業対応の状況も確認します。同じ人が複数の経路から相談している可能性も考慮しましょう。

いつまで運用すれば成果を判断できますか?

配信状態やフォームの動作は開始直後から確認します。一方、問い合わせの傾向や成約への進み方には、一定のデータと追跡期間が必要です。広告の入札方式や顧客の検討期間も違うため、すべての会社に共通する固定日数では決められません。

「配信の不具合を確認する日」「問い合わせの内容を振り返る日」「獲得した顧客の営業進捗を確認する日」を分けて予定に入れると、成約を待つ間も改善を進められます。

広告で得た相談を、営業の次の行動につなげる

最初の出稿では、目的・対象・媒体・リンク先・予算・担当・評価方法を一枚にまとめます。以下は売却相談の広告を想定した架空の記入例です。地域、期間、金額、件数は自社の条件で決めてください。

項目

記入例

目的・対象

自社商圏の住宅所有者から売却相談を得る

媒体・リンク先

検索広告から、対象地域を明示した売却相談ページへ案内

支出範囲

媒体費、LP修正、運用費を分け、総額の上限を社内承認

担当

広告担当は配信・停止、営業責任者は受付・未対応の確認

計測定義

フォーム送信と通話成立を分け、重複・対象外の相談を識別

停止・見直し条件

フォームの故障、誤表示、予算設定の不備等を発見した場合に対応

振り返り

広告の数値と、同じ獲得期間の相談内容・営業進捗を確認

媒体を選んだ後も、広告で何を伝え、どの相談を受け、次に誰が動くかをつなげて管理します。問い合わせが増えた先の対応まで見えると、広告を変えるべきなのか、営業の受け渡しを見直すべきなのかを判断しやすくなります。

集めた反響を、チームで追える状態へ

「反響は得られるが、対応履歴や進捗が担当者ごとに分かれている」という売買仲介会社へ。FaciloのCRMは、買い・売り反響の管理、担当者と顧客の紐付け、接客履歴、営業の活動・成果分析を支援します。

  • 顧客と担当者を結び付けることで、誰が受け持つ相談かを確認する。
  • 接客履歴をまとめることで、これまでのやり取りを引継ぎや対応の確認に使う。
  • 活動・成果の情報を持つことで、問い合わせ後の営業を振り返る材料にする。

広告の配信や入札は広告運用側で行い、CRMでは顧客対応の情報を整えます。現在の業務に合うか、CRMサービス紹介資料で検討できます。リンク先のフォームで必要事項を入力し、資料をメールで受け取れます。

→ 自社の反響管理に合うか、CRMサービス資料を取り寄せる

執筆:Facilo編集部/情報確認日:2026年11月2日