福岡を中心に土地勘のないエリアまで商圏を広げ、提案数10倍を実現──少数精鋭で実践するAI×Facilo活用法

記事

買い仲介

福岡不動産研究所株式会社 牧野文宣様
社名
福岡不動産研究所株式会社
企業規模
2〜10名

導入前の課題

  • 福岡では宅建協会のシステム「ふれんず」中心で希望条件にぴったり合うものだけで提案を組むため、物件候補が多く見つからず、1顧客あたり多くて5件程度の提案にとどまっていた
  • 現地集合・現地解散が基本のため、立ち話の短時間で、ハザード・学区・周辺環境・新築/中古比較まで魅力を伝えきれなかった。郊外ゆえ営業側が事前に調べる手間も大きいことも影響。 代表・牧野様に集約された集客〜提案ノウハウが属人的で、新しく入った営業へ横展開・標準化しづらかった

活用方法

  • 「ふれんず」の図面も含め、他社物件をワンタッチでFaciloに取り込み。マップ上で希望条件を広げながら、提案物件を追加(使う顧客には積極的に、多ければ削除していただく)
  • 案内中は営業担当者様のiPad/PCでマイページを見せ、ハザード(レッドゾーン)・学区・周辺環境・新築/中古を地図上で一目で共有。営業自身の事前確認ツールとしても活用する。商談後にニーズをあらためて精査してマイページを整えて送付。この時戸建てや中古などニーズに沿って幅広く提案。 それぞれの営業スタイルに合わせて物件数を見たり追加したりできるため、未経験からの立ち上がりも速い。

導入効果

  • 提案物件数が体感で約10倍に(5件→50件)。「この物件も御社で扱えるんですか?」という顧客の言葉が増え、取り扱いの幅が広がった
  • 新築と中古を同じテーブルで検討いただけるようになり、両手仲介の割合が増加(肌感覚で2割→3割超)。厳しい市場でも売上アップにつながった。 物件を見る・共有する文化が根付き、属人的だった営業がチームに展開。未経験入社のスタッフがレクチャーほぼなしで使いこなし、成約を伸ばしている。

福岡不動産研究所株式会社様は、2021年末に福岡で開業した不動産会社様です。代表の牧野文宣様は建築の世界から不動産業界へ進んだ経歴の持ち主で、現在は営業3名を含む7名の少数精鋭で、福岡郊外を中心に不動産購入仲介を手がけています。自社物件を持たず、どの物件もお客様にフラットに提案するのが同社のスタイル。AIで資金計画書アプリを自作してしまうほどのスキルを持つ牧野様が、Faciloを導入したのはなぜだったのでしょうか。1人のお客様に5件ほどだった提案物件数が、体感で約10倍にまで広がった提案数の向上、福岡ならではの商習慣のなかでの活用方法、少数精鋭のチームに生まれた変化などについて聞きました。

建築出身の代表が、福岡郊外で築いた「研究所」

取材に応じる福岡不動産研究所株式会社の牧野文宣様
福岡不動産研究所株式会社 代表・牧野文宣様

──本日はよろしくお願いします。まずは代表の牧野様について教えてください。福岡で不動産会社を立ち上げるに至るまで、どのようなキャリアを積まれてきたのでしょうか?

建築の専門学校でデザインと設計を学び、卒業後は地元である熊本の1級建築士事務所に4年ほど勤めました。当時は若かったこともあって営業やCG制作、ホームページづくり、プレゼンまで幅広く任されました。もともと人と話すのは苦手だったのですが、半ば強引に営業を任せていただいたおかげで、気づけばデザインや設計以外にも、いろいろなことができるようになっていました。

デザインや設計を学んだ分「図面に書く線1本の重さ」を知っていたので、当時は自分が家を建てられるなんて思ってもいませんでした。それでも、いつか家を建てたい、そのためにはまず土地から知るべきだと考えて、23歳で福岡に出てきたのです。不動産は完全に未経験でしたから、まずは基本を知ろうと、賃貸から不動産業界でのキャリアを積み上げました。3年半ほどの勤務期間で、不動産のいろはに加えて福岡の土地勘などを学べたと振り返っています。その後は売買専門の会社に創業メンバーとして加わり、7年間売買仲介を経験して、2021年の終わりに独立し、当社を立ち上げました。

──独立にあたり、ご自身が大切にしたことはありますか。

自分も、一緒に働く仲間も、長く働ける環境を自分の手でつくることです。前職での経験を通じて、働きやすい環境がなければ人は長く続かないと痛感していました。人を採用するのは代表の権限だと感じていたので、それなら自分が働きやすい環境をまずつくってしまおう、そうすれば同じ思いの人を呼び寄せられる、と考えたんです。おかげさまで1年に1人ほどのペースで仲間が増えて、いまは営業3名を含む7名の体制になりました。スタッフのなかには、自分で“マンションマニア”と名乗るくらい物件に詳しい人間もいるんですよ。

福岡市内にとどまらず、商圏は佐賀県や筑前町にも。幅広いエリアの物件を提案

──カバーエリアや仲介する物件売買の範囲を教えてください。

エリアは福岡市内を中心に、宗像や春日方面等、郊外のベッドタウンにも力を入れています。私が図面を読むことができるため得意にしている戸建ての提案がしやすいことが大きな理由です。しかし、具体的なエリアの線引きをしておらず、時には隣の佐賀県や、福岡県内でも離れた筑前町にまで及ぶことも。スタッフは1人1台の車で営業してもらっているので、お客様の希望があれば、普段は扱っていない北九州の物件にも足を運びます。

扱っているのは購入仲介が中心で、賃貸の仲介は行っていません。まれにお客様の紹介で物件売却の仲介を行うこともあります。また、購入仲介では自社物件を持たず、他社物件を広告掲載しています。そのため、どの物件もお客様にフラットに提案できるのが強みです。

福岡ならではの「ふれんず」を主体とした商習慣

──福岡の不動産仲介ならではの特徴を教えてください。

まず、「レインズ」ではなく宅建協会のシステム「ふれんず」が主流であることです。また、お客様の層も、東京圏とはずいぶん違います。福岡の購入平均年齢は45歳くらいで、東京の35歳前後に比べると高め。賃貸の賃料が安いため、若いうちに戸建てを購入する動機が低く、結果として平均購入年齢が高くなっているのだと思います。また、60代以上の県外の方が、退職金やUターンを機に福岡に戻って家を買われるケースもあります。

物件選びでは、郊外ならではのお客様の視点もあります。地域によっては災害の影響が多いところもあるため、ハザードマップを入念に確認する必要があります。また、ひとつ番地が違うだけで学区が変わることも珍しくなく、学区情報も重要です。営業が事前に調べておくべきことが比較的多いと感じます。

──集客から成約まではどのような流れなのでしょうか。

当社は自社物件を持たないので、他社の物件を掲載しています。反響の入り口はSUUMOからが7割ほどで、残りの3割は自社ホームページ、ご紹介などです。反響があったお客様には、お問い合わせいただいた物件の詳細な情報とこだわりの資金計画書をすぐにお送りします。内見につながったら現地で待ち合わせをしてご案内へ。その後、物件比較やご案内を経て成約となります。

見積書もAIで自作。5秒で出る「資金計画書」が生む差別化

福岡不動産研究所様が作成した資金計画書の例
AIを活用して自作した資金計画書の例

──さきほど教えていただいた反響後の詳細な情報と資金計画書についておしえてください。どのようなこだわりがあるのですか。

初回にお送りする詳細情報と資金計画書の中身は、大きな差別化になっていると思います。紙でお持ちしていた時代には、その量に感動していただけることも珍しくありませんでした。

物件の詳細情報には、物件情報に加え、周辺情報、学区、ハザードマップなどたくさんの情報を盛り込みます。しかし、最も力を入れているのは資金計画書です。

住宅ローンの借り入れや初期費用はもちろん、住宅ローン控除が使えるかどうか、証明書を取れば金利がどれだけ優遇されるか、自己資金を用意するとどれくらいお得になるか、金利の変動による差分までをシミュレーションした詳細な計画書をお渡ししているんです。さらに、10年後・20年後にローン残高がどれくらい残るか、購入に必要な世帯年収はどれくらいか、そして修繕積立金の将来予想まで。

資料は単なる計画書だけでなく、プロによる重要なポイントが描かれており、絵文字で視認性を上げる工夫も凝らされています。そして、この計画書は、なんと自作のウェブアプリで一瞬で作成できるんですよ。

──どうやってご自身でアプリを作成されたのですか?

AIに、私のこれまでの知見と経験を学習させて作成しました。今では、物件のファクトシートをアップロードするとその情報をAIが読み込んで、5秒ほどでPDFができあがるようになっています。5年間しっかり資金計画書を作り込んできた蓄積と、それをデータとして保存してきた基盤があったからこそ、AIにも自分の考え方を教え込めたのだと思います。

──資金計画書のほかにも、AIを活用されているそうですね。

こうした業務アプリを、20個ほど自作しています。たとえばハザードマップや物件の管理情報は、書類そのものもお客様にお渡ししますが、それとは別にAIへ読み込ませてテキスト化し、要約したものを社内で共有しているんです。お客様に見せる資料としてだけでなく、営業メンバーがすぐ使えるツールとしても役立っています。

Faciloは、比較検討を待たずに即採用。「採用しない選択肢がなかった」

Faciloの導入について話す牧野文宣様

──AIを活用してアプリまで作成される牧野様は、業務で使うシステムやツールにもこだわりがおありだと思います。Faciloを導入したきっかけを教えてください。

当社は顧客管理・分析のツールを10年以上使っていて、集客はかなり強い方です。月によっては福岡市圏で反響数が5位以内に入るくらいで、そこには自信がありました。ただ、その先の「物件を調べて提案する」部分が、経験のある私に属人化してしまっていたんです。長年培ってきた土地勘や知識を使って無意識に成果を出せてしまう分、新しく入った営業にそのノウハウをベースアップしていくのが難しかった。物件を調べるという不動産屋の基本を、もっとチームで共有したいと考えていました。

そんなとき、「新しいシステムを導入したい」と思い、インターネットで検索していたところ、偶然たどり着いたのがFaciloでした。ホームページの問い合わせフォームから連絡して、他社と比較することもなく、すぐに採用を決めました。「使いながら考えよう」という感覚でしたね。

──何が決め手になったのでしょう。

流通図面をクラウド上でサクサク取り込んで、どんどん物件を追加したり消したりできることです。最初に話を聞いた時点で「これは採用しない選択肢がない」と感じ、すぐに導入させていただきました。

50〜60代のお客様も迷わずご利用。未経験のメンバーも、レクチャーなしで使いこなす

Faciloを使った物件提案について説明する牧野文宣様

──Faciloを導入してみて、お客様やスタッフの反応はいかがでしたか?

福岡は購入層の平均年齢が45歳くらいと高めなので、50〜60代のお客様も少なくありません。その年代の方でもかんたんに使っている印象があります。中には毎日マイページを見てくださっているお客様もいらっしゃり、その期待が伝わってきます。

──社内での活用推進はスムーズでしたか?

前職が消防士で、不動産未経験で入社してくれたメンバーがいるのですが、レクチャーなしでも自然とFaciloを使いこなして契約を増やしてくれています。屋久島からわざわざ来店されるお客様がつくほどの成果も出ているんですよ。

個別の事例だけでなく、組織全体としても、集客から提案まで私に属人化していた状態から、「物件を見て、共有する」という文化がチームに広がってきました。「研究所」という名前を冠しているため、当社にとって物件の知識はとても重要です。Faciloにより物件を見る時間が増え、物件を深く知ることができるようになったのはとても大きな効果だと感じています。

物件提案数が約10倍に。「これも扱えるんですか?」が増えた

──導入して、物件提案はどう変わりましたか。

いちばん変わったのは提案物件数です。これまでは「ふれんず」に掲載されている物件の中から、希望条件にぴったり合うものだけを探して提案していたので、1人のお客様に多くて5件ほどしか提案物件を出せませんでした。それがFaciloではボタンひとつでサクサク物件を取り込み、お客様専用の「マイページ」に反映できるので、ご希望から幅を広げた物件も提案することができます。体感では、提案物件数はおよそ10倍になりました。1人のお客様に50件規模を提案することもあるんですよ。

私のやり方は「とにかく多めに入れて、いらなければ削除する」。お客様の反応を見ながら、消したり新しく足したりと調整しています。Faciloに物件を簡単に取り込めるからこそできる使い方ですね。

──お客様の反応はいかがですか。

提案の幅を広げた物件をご提案する時、Faciloのお客様専用マイページに物件情報をアップしたうえで「この物件、見たことはありませんか?」とお見せすると、「御社でも取り扱えるんですか?」と言っていただくことが増えました。おそらくポータルサイトでお客様が見ていた物件で、当社で提案できると思っていなかったのだと思います。どんな物件も客観的に提案できる強みが、Faciloでよりお客様にも伝わっていると感じます。

新築と中古を一緒に提案でき、両手仲介の割合がアップ

タブレットで確認するFaciloのマイページと物件の地図表示
Faciloのマイページで物件情報を確認

──営業活動の品質が上がったと感じる場面はありますか?

物件のご案内時にお伝えできる情報量が変わりました。郊外であることもあり、物件のご案内は現地集合・現地解散が基本です。30分ほどの立ち話で物件の見方や周辺情報まで伝えきるのは難しく、お伝えできる情報に限りがありました。Faciloを導入してからは、お客様にFaciloの画面を見ていただくことでその効率が格段に上がりました。iPadなどでFaciloのマイページを見せながら、物件の見方や注意点をお客様と同じ目線で共有できます。

郊外で特に効くのがハザード表示です。この地域はレッドゾーンが本当に多くて、そこは物件選びに直結します。エリアを絞らずに対応しているからこそ、1日に5件も案内していると、私たち自身も初めて行く場所が少なくありません。地図上でハザードを一目で見られると、「このエリアはやめておきましょうか」と案内前に共有してご案内効率を上げることもできます。また、学区や周辺環境もひと目で確認できるので、郊外特有の複雑さに対応できています。

ひととおりご案内が終わったら、あらためてFaciloのマイページを整えて、お客様にマイページのリンクを送付。ご案内中にお伝えした情報をもう一度見ていただくことができます。

──ご案内時の情報共有が効率的になったことで、どのようなメリットがありましたか?

お客様のニーズの把握や、一歩踏み込んだニーズを掘り起こせるようになったことです。これにより、反響時の希望条件だけにとらわれず、おすすめできる物件まで幅広く提案できるようになりました。特に、新築と中古を一緒に検討していただけるようになったことが良い影響をもたらしてくれています。これまでは全く別のジャンルだと認識されていて、両方を検討いただくのは至難の業でした。Faciloでは物件が地図上に並べられるので、新築と中古一緒に提案しやすいのです。

これにより、新築物件に多い両手仲介の割合も増えました。価格高騰や金利上昇で市場が厳しい中でも、Faciloの導入は売上向上に寄与してくれています。

Voice

「お客様にとって家を買うことは、ひとつの物語なんです。Faciloの記録があれば、その物語を一緒に振り返ってあげられる」(牧野様)

Faciloがつなぐ物件探しの物語。紹介を生む関係づくり

──Faciloによって、営業のあり方そのものは変わりましたか?

私が大切にしているのは、お客様との「物語」や「思い出」です。契約して終わりでは、一緒に過ごした時間があまりに薄いという課題感がずっとありました。

Faciloのマイページと地図上の記録は、その思いを形にしてくれます。「ここに一緒に行きましたよね」「前はこの物件でしたよね」と、過去に見た物件を地図で一緒に振り返ることで、お客様に物件探しの歩みを思い出してもらうんです。単なる物件提案ではなく、お客様の思考を整理して、寄り添うためのツールとして使っています。お客様にとって家を買うことは、ひとつの物語なんです。Faciloの記録があれば、その物語を一緒に振り返ってあげられる。こうした関係づくりが満足度につながって、紹介やリピート、売却のご相談にも広がっています。

──お客様との距離が近いんですね。

うちはお客様と担当者というより、同じ目線で一緒に仕事をしている感覚に近いんです。スタッフのなかには、お客様と一緒に飲みに行くメンバーもおり、そういうつながりは会社としても推奨しています。だからこそ、契約して終わりにするのはもったいない。一緒に物件を探した記録を、いつかお客様にお渡しできたらと思っています。

Faciloで物件探しの楽しさを味わっていただきたい

──これからFaciloを活用して取り組んでいきたいことを教えてください。

お客様にとって、FaciloがSUUMOやHOMESに次ぐ「物件探しのプラットフォーム」になるといいなと思っています。物件を探す楽しさを、お客様自身に味わっていただきたいです。Faciloにそこまで期待を寄せている理由は、実はFaciloの「中の人」に対する信頼です。導入以来開発のスピードの速さや、一ユーザーの声をしっかり取り入れてくれる姿勢をひしひしと感じており、これからもどんどん活用していきたいなと思っています。

物件を探す楽しさそのものは、いつの時代も変わらないはず。Faciloを、お客様が楽しめるツールとして、これからも使い続けていきたいです。

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