不動産会社の社長は何をする?年収の考え方・仕事内容と独立前の確認点

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不動産会社の社長 仕事・年収・独立前の確認点
目次

不動産会社の社長は、物件を売る営業の責任者であると同時に、資金、人、業務の進め方を決める経営者です。営業成績が良ければ、独立後も同じ働き方で収入を増やせるとは限りません。会社を続けるための支払いや判断も、自分で引き受けることになるためです。

「社長になったら年収はいくらになるのか」「一人で不動産会社を経営できるのか」と考えるときは、会社の売上と自分の収入を分け、どの仕事を担うかを整理する必要があります。

この記事では、不動産会社の社長の収入を左右する要素、5つの仕事、一人経営と社員を雇う場合の違いを解説します。独立を検討する方が、営業経験のほかに何を準備すべきか判断できるようにまとめました。

不動産会社の社長の年収は、何で変わる?

不動産会社の売上は、社長が自由に使えるお金ではありません。個人の収入を考える前に、経費と、会社を継続するために必要な資金を確認しましょう。

会社の売上・利益・社長の報酬を分けて考える

まず、扱う物件の価格と会社の売上を区別します。売買仲介で取り扱った物件が高額でも、物件の売買代金がそのまま仲介会社の収入になるわけではありません。仲介会社は、取引を支援する対価として仲介手数料を受け取ります。

その売上から、広告費、事務所賃料、人件費、システム利用料などを支払います。法人の社長が受け取る役員報酬は、この会社側の支出に含まれます。会社に利益が出ても、その全額が自動的に社長個人の年収へ加算されるわけではありません。

見るお金

意味

混同しやすいこと

物件の取引価格

売主と買主の間で取引される価格

仲介会社の売上ではない

会社の売上

仲介手数料、管理受託料など、会社が得る収入

経費を引く前の金額である

会社の利益

売上に対応する費用などを差し引いた結果

会社の預金残高とは一致しない

社長個人の収入

法人なら役員報酬など、個人として受け取るお金

会社の利益や預金をそのまま足さない

個人事業の場合は、法人の役員報酬と同じ仕組みではありません。事業所得、家計への資金移動、税金を分けて考えます。法人と個人事業のどちらが有利か、役員報酬をいくらにするかは、この記事の一般例から決めず、事業計画と家計を持って税理士等に確認してください。

会社の売上、会社に残す資金、社長個人の収入を区別する概念図。法人の役員報酬は会社側の支出に含まれ、会社の利益を個人収入へそのまま足すものではない。
売上・必要資金・個人の収入を分けて考えます。法人の概念図で、利益や手取りの計算図ではありません。

同じ売上でも、経費と仕事の進め方で残る金額が変わる

例えば、月の売上がどちらも150万円の会社を考えます。以下は違いを理解するための仮定であり、不動産会社の平均値ではありません。

仮定の月次計画

A社

B社

売上

150万円

150万円

社長報酬以外の費用

80万円

110万円

社長の役員報酬

40万円

40万円

上記の差額

30万円

0万円

A社には差額がありますが、ここから税金や借入の返済、将来の支出も考える必要があります。B社は同じ報酬を支払えていても、売上が下がった月への余裕がありません。これは収支の違いを示す簡略例で、会計上の利益や手取りを算定する表ではありません。

「もっと契約を取る」だけでなく、どの仕事に時間と費用がかかっているかを見直すことも、経営者の役割です。

仲介の作業負担を見直すなら、どこをシステムで支援できるかを先に確かめてみませんか。Faciloは、顧客対応や物件提案など、不動産仲介の業務を支えるサービスを提供しています。

→ 仲介のどの仕事を効率化できるか見る

業態・規模・入金時期も年収を左右する

仲介中心の会社と、自社で物件を保有する会社では、必要資金や収益の受け取り方が違います。社員数、店舗数、広告への投資額も異なるため、「不動産会社の社長」という肩書だけで年収を比較しても、自分の将来像は見えにくいでしょう。

取引件数が少ない立ち上げ期は、契約や入金の時期によって月ごとの数字が動きます。好調な月の売上だけで固定的な報酬や採用を決めず、入金が遅れた場合も支払いを続けられるかを確認します。

本記事では、不動産会社の社長全体を代表する平均年収として提示できる一次統計を確認できていません。根拠の不明な平均値を目標にするより、「自社の売上・費用・資金繰りで、希望する生活を維持できるか」を試算するほうが、独立の判断につながります。業態の違いは、不動産ビジネスの種類と収益モデルも参考にしてください。

不動産会社の社長が担う5つの仕事

営業担当者は担当案件の成果を追いますが、社長は会社全体で成果を出し続けられる条件を整えます。自分が営業するだけでなく、失注や人手不足が起きても業務を続けられる状態を作る仕事です。

1.どの顧客に、どの事業で価値を提供するかを決める

売買仲介、賃貸仲介、管理、買取再販など、何を扱うかを決めます。同じ売買仲介でも、地域の住み替え、相続した不動産の売却、事業者の移転では、必要な知識と協力先が異なります。

「相談があれば何でも受ける」とすると、調査や対応の負担が予想以上に増えることがあります。自社で対応する範囲、経験のある分野、他社や専門家と連携する案件を決めることが、経営の出発点です。

2.案件を作り、自ら営業する

開業初期は、社長自身が反響対応、紹介へのお礼、物件調査、提案、内見、契約に関わる場面が多くなります。ただし、勤務先での知名度や広告、事務部門の支援がなくなっても同じ件数を扱えるかは、別に考える必要があります。

独立後に使える集客手段を整理し、問い合わせから契約までのどこに時間が必要かを確認しましょう。前職の顧客情報や資料を自由に持ち出せるとは限らないため、勤務先の規程や契約、個人情報の扱いも確認します。

3.資金を管理し、支払いを続けられるようにする

毎月の収益だけでなく、いつ入金され、いつ支払いがあるかを見ます。契約予定があることと、そのお金を今使えることは別です。

広告費、家賃、給与、税金などを支払日ごとに並べ、手元資金が足りなくなる時期がないかを確認します。支出を増やすときは、期待する売上と、予定どおりに増えなかった場合の見直し時期をセットで決めます。

4.人と業務の進め方を整える

社員を雇う場合は、採用だけでなく、役割分担、育成、評価、引き継ぎも社長の仕事です。一人で営業している段階でも、顧客との約束や案件の進捗を記録する習慣は、将来の増員や休業への備えになります。

営業担当としての視点

社長として加わる視点

自分が担当する顧客へ提案する

会社として対応できる顧客数と品質を考える

個別の反響に返信する

返信漏れや担当不在時の対応方法を決める

目の前の契約を進める

調査・説明・契約を確認する体制を作る

自分の経験で判断する

他の担当者が判断できる記録と基準を残す

「そのお客様のことは社長しか分からない」を減らすには、顧客情報だけでなく、会話の経緯まで共有できることが大切です。顧客一覧と接客履歴を扱うCRMの機能を、公開ページで確認できます。

→ 対応履歴をチームで共有する仕組みを見る

5.法令・契約・苦情対応の体制を作る

売上を優先して、調査や説明が担当者任せになる状態は避けたいものです。誰が何を確認し、疑問があればどこに相談するかを決めておきます。

社長がすべての専門判断を一人でする必要はありません。宅地建物取引士や外部の専門家と連携し、確認が必要な案件を把握できる体制を作ることが重要です。会社全体の運営は、不動産会社の経営で見直したい課題と改善策で詳しく解説しています。

一人社長と社員を雇う経営はどう違う?

一人で始めることと、社員を雇うことには、それぞれ異なる負担があります。人数の少なさだけで楽さを判断せず、自分が対応できなくなったときに何が止まるかまで考えましょう。

固定費を抑える代わりに、対応が自分へ集中する

一人経営は、意思決定や時間配分を自分で決めやすい一方、営業中の問い合わせ対応、書類整理、請求確認なども同時に発生します。社員を雇えば分担できますが、人件費に加えて教育や確認の時間が必要です。

比較する点

一人で経営する場合

社員を雇う場合

固定費

人件費を抑えやすいが、外注費等は必要

給与等の継続的な支払いを見込む

意思決定

自分で決めやすい

方針や判断基準を共有する必要がある

対応できる量

自分の時間と体力に左右される

分担できるが、育成と管理が必要

休暇・病気

代替できない業務が止まりやすい

引き継ぎができれば代替しやすい

顧客情報

記憶に頼ると第三者が追えない

記録の場所・内容をそろえる必要がある

営業の一日だけでなく、事務処理の時間も見積もる

例えば、小規模な売買仲介を想定した一日を考えると、午前は問い合わせと資料準備、午後は調査や内見、夕方は顧客への回答、最後に記録や翌日の準備という組み方ができます。これは編集部の仮定例で、業界共通の勤務時間ではありません。

ここへ急な相談や書類の修正が入ると、記録や経営の確認が後回しになります。予定表に商談だけを入れず、連絡、移動、書類、支払確認まで入れてみると、一人で受けられる量を考えやすくなります。

少人数で営業と事務を兼ねるなら、まず毎日繰り返している作業から導入対象を絞れます。物件提案や顧客管理など、検討したいサービスを選んで紹介資料を請求できます。

→ 少人数の営業で使うサービス資料を選ぶ

外注できる作業と、社長が決めることを分ける

経理処理や制作業務などを外部へ依頼する方法もあります。ただし、何を依頼するか、いつまでに必要か、成果物を誰が確認するかは、会社側で決める必要があります。

「外注すれば任せきりにできる」ではなく、自分が判断する部分と、決めた手順で進められる部分を分けましょう。人を雇うか外注するかは、費用だけでなく、継続する仕事量、顧客との関係、機密情報へのアクセスも含めて考えます。

不動産会社の社長になるまでに確認すること

社長になる入口には、自分で開業する、既存会社を引き継ぐ、社内で代表に就任するなどがあります。代表者としての肩書と、宅地建物取引業を営むための免許・人員要件は、別々に確認が必要です。

事業の範囲と、必要な免許を確認する

宅地や建物の売買・交換、売買・交換・貸借の代理や媒介を業として行う場合は、宅地建物取引業の免許が必要です。法人でも個人でも、事業者としての要件を確認します。国土交通省の免許制度の説明が確認の入口になります。

一方、自己所有の物件を自ら貸す場合など、宅建業免許の対象と異なる業務もあります。会社名に「不動産」が入っているかではなく、実際に何を行うかで判断します。自己賃貸と貸借の代理・媒介の区別は、神奈川県の免許案内でも確認できます。

社長個人の資格と、専任の宅建士の配置を区別する

社長が宅地建物取引士でなければ、必ず不動産会社を経営できないというわけではありません。ただし、宅建業を営む場合、事務所ごとに所定の割合の専任宅建士を配置するなど、事業者としての要件を満たす必要があります。

事務所では、宅建業に従事する者の5人に1人以上という配置が基準です。社長だけで宅建業を営む計画なら、専任宅建士の要件をどう満たすかも確認しなければなりません。試験合格だけで足りるとせず、登録・宅地建物取引士証や専任性など、実際の体制を免許申請窓口へ相談しましょう。北陸地方整備局の免許要件に配置等の説明があります。

開業費、運転資金、生活費を分けて用意する

開業に必要な支出を払えても、営業開始後すぐに安定した入金があるとは限りません。会社の毎月の支払いと、自分や家族の生活費を分けて見積もります。

必要な期間は事業計画によって変わります。「一律に何カ月分あれば安全」と決めず、契約・入金が計画より遅れた場合も試算してください。免許、事務所、資金、開業準備の手順は、不動産会社の開業に必要な準備で確認できます。

開業後の営業体制も、準備段階で考えておきたい項目です。免許申請の資料ではありませんが、顧客対応や物件提案に使うサービスの紹介資料を取り寄せ、必要な業務から検討できます。

→ 開業後の仲介業務に合うサービス資料を請求する

開業後に社長へ仕事が集中しやすい場面

ここからは、小規模な仲介会社の運用を考えます。社長の仕事を減らすときは、顧客への対応を減らすのではなく、同じ確認や手作業を繰り返している箇所を探します。

顧客対応の経緯が、本人にしか分からない

社長のメール、個人のメモ、担当者の記憶に情報が分かれていると、不在時の問い合わせのたびに確認が必要になります。顧客名と連絡先だけでなく、希望条件、前回の回答、次に約束したことを同じ場所へ残しましょう。

記録は長ければよいわけではありません。「何が分かっているか」「何が未確認か」「誰がいつまでに対応するか」が見つかることが大切です。担当者の推測と顧客の発言も分けておくと、引き継ぎで誤解が生じにくくなります。

顧客情報と接客履歴をまとめる仕組みを検討するなら、CRMが候補になります。担当者の紐付けや履歴管理に対応するサービスの紹介資料を請求できます。

→ 顧客管理を見直すためのサービス資料を受け取る

資料準備に追われ、相談や判断の時間が減る

物件資料の準備や送付に毎回時間がかかると、顧客と話す時間を確保しにくくなります。使う資料、送付の手順、確認項目をそろえ、同じ作業をやり直さなくてよい状態にします。

例えば、買い仲介なら「どの物件を、どの理由で提案したか」が後から分かるように整理します。単に送付件数を増やすだけでなく、顧客が比較できる情報になっているかも確認しましょう。

買主への提案準備を見直すなら、物件資料の作成と、顧客が見返せるマイページを合わせて確認してみてください。物件購入クラウドの公開ページで、提案を支援する機能を紹介しています。

→ 物件提案の準備を短くする方法を見る

重要な判断と、決まった作業を同じ優先度で扱う

値付けや難しい案件への対応など、経営者の判断が必要な仕事があります。一方、予定の確認や定型的な資料整理は、手順を決めて分担できる部分もあります。

「重要だから全部自分でやる」とせず、判断する仕事、標準化する仕事、外部へ相談する仕事に分けてください。各仕事に担当と確認者を置き、例外だけ社長へ相談する流れを作ると、任せたつもりの放置も防ぎやすくなります。

社長の判断、標準化して分担する作業、専門家など外部と連携する仕事に分け、担当者・確認者を置く図。
各仕事に担当者と確認者を置き、例外を社長へ相談する流れを作ります。

社長を目指す前に、自分の条件を確かめる

社長に向いているかを性格だけで決める必要はありません。独立前に確認したいのは、できることの多さより、不足する仕事とその補い方が具体的になっているかです。

営業以外の仕事を、誰が支えるか

次の項目を、自分でできることと、支援が必要なことに分けてみましょう。

確認すること

準備として残したい内容

どの顧客を対象にするか

商圏、相談内容、自社で扱う案件の範囲

どう案件を得るか

利用できる集客手段、費用、反響後の対応

調査・契約をどう確認するか

担当、確認項目、判断に迷ったときの相談先

お金をどう管理するか

月次の収支と資金繰り、支払日、家計との区分

自分が休む場合にどうするか

連絡先、引き継ぎ記録、代替できない業務

経験のない分野を「始めれば覚えられる」とまとめず、具体的な案件を想定して確認すると、不足が見えます。例えば「契約書に不明点があったら誰へ確認するか」「内見中に別の反響が来たらどう対応するか」まで考えておきます。

生活と事業を続けられる条件を確認する

希望する収入だけでなく、働ける時間、家族との役割分担、体調を崩したときの対応も整理します。売上が目標に届かない場合、広告費を見直すのか、事業の範囲を絞るのか、判断する時期も決めておくとよいでしょう。

独立の準備は、できない理由を集めるためではありません。自分の強みを生かしながら、どの条件を整えれば継続できるかを確かめる作業です。

仲介向けシステムについて、少人数で使う範囲や既存ツールとの組み合わせを確認したい場合は、導入相談を利用できます。事業そのものの開業相談とは分けて、自社の営業体制をもとに検討しましょう。

→ 自社の営業体制に合う使い方を相談したい

不動産会社の社長についてよくある疑問

未経験でも不動産会社の社長になれますか?

代表者になることと、宅建業者として営業を始めることは別です。業務に必要な免許や人員等の要件を満たすとともに、調査・契約・顧客対応を実行できる体制が必要です。未経験であることだけを理由に一律不可とはいえませんが、資格を持つ人を置くだけで実務の課題がすべて解消するわけでもありません。

宅建士資格がない社長は経営できないのですか?

社長個人の資格だけで判断しません。宅建業を営む会社として専任宅建士等の要件を満たしているかが重要です。特に一人で営業する計画では、誰が専任宅建士となり、どう要件を満たすかを免許申請窓口に確認してください。

一人で開業すれば、会社員より自由になりますか?

仕事の選び方や時間配分の裁量は広がりますが、営業以外の責任も増えます。顧客対応、資金管理、記録、契約確認をどの時間に行うかまで考えなければ、休みを取りにくくなることもあります。人数だけで判断せず、対応量と分担方法を設計しましょう。

不動産会社の社長を目指すなら、希望する収入と働き方を、自社の仕事・費用・運営体制へ落とし込むことが第一歩です。一人で抱える量を増やすより、自分が判断すべき仕事に時間を使える仕組みを考えてみてください。

社長が、営業以外の作業まで抱え込まないために

Faciloは、不動産仲介の物件提案や顧客対応を支えるサービスです。どの業務を見直したいかに合わせて、検討する製品を選べます。

  • 提案準備:物件資料の作成や、顧客が比較できるマイページを活用する
  • 顧客対応:顧客情報と接客履歴をまとめ、対応の経緯を確認する
  • 引き継ぎ:担当者と進捗を共有し、本人しか分からない状態を減らす

まず紹介資料で対応業務を確認したい方は、必要なサービスを選んで請求してください。

→ 自社で減らしたい作業から、サービス資料を選ぶ

いまの体制で使える範囲を先に確認したい方は、相談フォームからご連絡いただけます。

→ 導入範囲を相談する

執筆:Facilo編集部/制度・製品情報の確認日:2026年10月22日