空き家ビジネスの種類と始め方|収益モデル・費用・失敗を防ぐ確認点

経営・バックオフィス

空き家ビジネス 種類・収益モデル・始め方
目次

空き家ビジネスには、空き家を借りて運営する方法、購入して賃貸や再販をする方法、所有者と利用者を仲介する方法、管理を受託する方法などがあります。同じ空き家を扱っていても、誰から収入を得るか、物件を持つか、どの費用と責任を負うかは異なります。

大切なのは「安い空き家が見つかったから使い道を考える」という順番にしないことです。地域の需要と所有者の意向を確かめ、建物・権利関係・法令を調べたうえで、改修費と運営費を含めて事業として成り立つか判断します。

この記事では、空き家関連事業への参入を考える不動産会社や事業者に向け、収益モデル、費用の考え方、実際の活用事例、始める手順を解説します。ご自身の空き家の扱いを考える所有者の方は、活用方法だけでなく、売却・賃貸・管理を比較する材料としてお読みください。

空き家ビジネスとは?まず収入の得方と責任の範囲を分ける

空き家ビジネスは、使われていない住宅などを流通・活用・管理することで対価を得る事業の総称です。建物の用途と事業者の収益モデルを分けると、自社がどの役割を担うのか判断しやすくなります。たとえば同じ宿泊施設でも、自ら運営する会社と、施設運営者へ建物を貸す会社では仕事が違います。

空き家の多さだけでは、事業性を判断できない

総務省の2023年住宅・土地統計調査では、空き家は900万2千戸、総住宅数に占める割合は13.8%でした。これは2023年時点の住宅ストックを示す統計で、すべてが今すぐ取得できる物件、または収益化できる物件という意味ではありません。賃貸・売却用の住宅なども含まれています。総務省「住宅及び世帯に関する基本集計」

対象地域では、借り手・買い手の候補、利用目的、負担できる賃料、交通条件、修繕費まで見なければなりません。全国の空き家数を、そのまま自社の市場規模に置き換えないようにしましょう。

「所有する」「借りる」「受託する」の違い

参入方法

主な収入

主な負担・リスク

最初に決めること

自社で所有して活用

賃料、施設利用料など

取得・改修費、空室、建物の維持

取得総額と用途、撤退時の売却可能性

借りて活用

転貸賃料、施設利用料など

所有者へ払う賃料、改修、契約終了

転貸・工事の承諾と費用負担

買い取って再販

売却代金から仕入れ・改修等を引いた利益

売れ残り、追加工事、保有期間

販売対象、価格、仕入れ条件

仲介を受託

成約に応じた仲介手数料

調査・案内の工数、未成約

免許、契約、手数料と業務範囲

管理等を受託

契約で定めた管理料等

巡回・清掃、移動、緊急対応

頻度、報告、対象外業務、責任範囲

物件を持たない方法でも、営業、調査、人件費、専門家への依頼などは必要です。「取得費がない」と「費用がかからない」は分けて考えます。不動産事業全体の収益モデルは、不動産ビジネスの種類と始め方でも整理しています。

不動産会社が空き家関連事業を広げるなら、物件活用の計画と並行して、所有者・買主・借主への対応も整理しておきたいところです。Faciloでは、相手や業務に応じた不動産会社向けのサービスを紹介しています。

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空き家ビジネスの主な種類|用途と収益モデルを比較

活用案は見栄えや流行だけで選ばず、「誰が、何のために、いくら払って使うか」まで具体化します。建物を貸す事業と、その中で営業する事業を混同しないことが重要です。

用途・方法

主に誰が対価を払うか

収入の例

費用・運営で確認すること

戸建て賃貸

居住する借主

家賃

修繕、募集、退去、維持管理

シェアハウス

各入居者

賃料・共益費

共用部の管理、入退去、用途や消防上の要件

宿泊施設・民泊

宿泊者、または運営する借主

宿泊料、賃料

制度に応じた手続き、清掃、集客、近隣対応

店舗・事務所

出店・利用する事業者

賃料

必要設備、用途、工事負担、退去時の扱い

コワーキング・時間貸し

会員、時間単位の利用者

会費・利用料

稼働時間、清掃、予約、利用者対応

買取再販

購入者

売却代金

仕入れ、工事、販売、保有中の資金

売買・賃貸の仲介

仲介の依頼者

仲介手数料

物件調査、案内、契約、未成約案件の工数

空き家管理

所有者等

管理料

巡回経路、点検範囲、報告、緊急時の契約

住宅として貸すなら、改修範囲と想定家賃を先に合わせる

近隣に同じような戸建ての需要があるか、借り手が必要とする設備は何かを調べます。改修費をかければ、その分だけ家賃を上げられるとは限りません。水回りや安全性など必要な工事と、見た目の好みを変える工事を分け、想定家賃で回収できる範囲かを検討します。

シェアハウスは、部屋ごとの収入だけでなく、共用部の清掃や入居者間の調整まで仕事になります。一般の戸建て賃貸と同じ人数・時間で運営できると決めつけないようにしましょう。

店舗や宿泊施設は、運営者と必要条件を具体化する

カフェ、宿泊施設、福祉関連施設などへ転用する場合は、利用者が来るかだけでなく、その用途に必要な設備・手続きが整うかを確認します。飲食業や宿泊業を自ら行うなら、不動産を扱う知識とは別に、営業、衛生管理、接客等の運営能力も必要です。

借り手となる運営者が決まっているなら、工事前に必要な設備、賃料、契約期間、費用負担をすり合わせます。物件だけを先に仕上げ、用途に合う借り手を後から探すと、追加工事や長期の空室が生じる場合があります。

売却・仲介・管理も、所有者にとっての有力な選択肢

所有者が長期の賃貸運営を望んでいない場合や、維持費を負担し続けにくい場合は、売却も比較します。すぐに売る・貸すことが決まらない場合には、適切な管理を続けながら条件を整理する方法もあります。

売却を選ぶ所有者には、募集後の動きが見えることも重要です。売却クラウドでは、売主向けのマイページや販売活動の報告を通じて情報を共有できます。

→ 売却活動の進み具合を、所有者に伝えやすくする

参入前に確認する4つのこと|需要・所有者・建物・権利

空き家を見つけた段階では、取得や大きな工事を急がず、事業化を止める条件も含めて確認します。「できそうな用途」より先に、取り除けない制約がないかを調べましょう。

1.実際に使う人と、支払える金額を確かめる

賃貸なら近隣の募集・成約状況や具体的な借り手の相談、店舗なら出店候補者の必要面積・設備・賃料を確認します。宿泊なら利用目的や交通手段、繁忙期以外の需要も検討します。

募集価格だけを見て収入を決めると、長く空いている物件の強気の価格を前提にしてしまう可能性があります。取得できる情報の範囲を整理し、不明な条件は楽観的な数字で埋めないようにしましょう。

空き家の購入を検討する顧客へ複数の候補を紹介する場合は、立地や価格だけでなく、確認済みの条件も見比べられると相談が進めやすくなります。購入クラウドは、顧客ごとのマイページを通じた物件提案を支えます。

→ 購入候補を、顧客が比較しやすい形で提案する

2.所有者が残したいものと、譲れない条件を聞く

売りたいのか、貸したいのか、将来家族が使う可能性があるのかを確認します。建物や庭への思い入れ、改修できる範囲、契約期間、片付けの負担なども条件になります。

収益が最大になる案が、所有者にとって最も納得できる案とは限りません。複数案を比較し、収入と費用だけでなく、残る責任や将来の選択肢まで説明できるようにします。

3.建物と敷地を、専門家に確認してもらう

雨漏り、シロアリ、構造、給排水、電気設備、接道、境界、災害リスクなどを確認します。見た目がきれいでも、用途の変更に伴う工事や設備の更新が必要になる場合があります。

建築士や施工会社などへ、予定する使い方を伝えたうえで相談しましょう。「古い家の一般的な改修費」ではなく、その建物をその用途に使うために必要な見積もりを取ることが大切です。

4.所有権・契約・使える用途を確認する

登記上の所有者、相続や共有の状況、借地・抵当権等の権利関係を整理します。借りて事業を行う場合は、転貸や改修が認められるか、契約終了時の原状回復や設備の扱いも確認します。

所有者の同意が得られない、予定用途が実現できない、必要な改修費で採算が合わないといった場合は、見送りや別案を選べるようにしておきます。事業の拡大判断は、不動産会社経営で見るべき収支と体制ともつながる論点です。

需要、所有者の意向、建物・権利・用途、収支を確認し、実施・条件変更・見送りを判断する。解消できない制約があれば立ち止まり、条件を見直す。
必ず事業化するための手順ではありません。取得や大きな工事の前に、見送りも含めて判断します。

空き家ビジネスの費用と採算|架空の計算例で確認する

採算を見るときは、家賃や手数料から直接費を引くだけでなく、初期費用、空室、社内工数、借入返済を分けて確認します。ここでは考え方を示すために、すべて仮定の数字を使います。相場、投資成果、融資条件を示すものではありません。

例1:戸建てを取得し、賃貸にする場合

取得費200万円、改修費250万円、取得に伴う税・手数料等50万円で、初期支出は合計500万円と仮定します。家賃は月6万円、年間に1か月分の空室がある想定です。下表の支出額は税込等の実際の現金支払額を想定し、所得課税は含めていません。

項目

仮定・計算

年間の金額

満室なら得られる家賃

6万円×12か月

72万円

空室による減収

6万円×1か月

▲6万円

実際の家賃収入

72万円−6万円

66万円

税・保険・通常の維持修繕等

仮定額

▲18万円

管理・募集等

仮定額

▲6万円

借入返済前の現金収支

66万円−18万円−6万円

42万円

借入返済

元本と利息の合計を仮定

▲24万円

返済後の現金収支

42万円−24万円

18万円

この18万円をそのまま会計上の利益と呼ぶことはできません。借入元本の返済は費用とは異なり、減価償却費など現金支出を伴わない費用もあるためです。また、初期支出500万円の回収や所得課税、別途の大きな修繕を含んだ数字ではありません。

空室が2か月なら、他の条件が同じでも返済後の現金収支は12万円です。1か月空室の想定で、通常の維持修繕とは別に30万円の工事が生じれば、その年は12万円の持ち出しになります。「満室時の家賃÷購入価格」だけで判断せず、入居が決まるまでの期間や追加工事も試算しましょう。

例2:仲介を受託する場合

物件を取得しない仲介でも、成約までの調査・案内・契約に工数がかかります。1件の成約について、適法に合意した報酬が税別30万円、社内作業40時間・時間当たり原価3,000円、交通費等が税別3万円と仮定すると、直接費を引いた額は15万円です。

30万円−(40時間×3,000円)−3万円=15万円

この15万円には、店舗賃料やシステム費などの共通費、未成約になった他の相談の費用、税金等を織り込んでいません。受託件数が増えても、現地訪問や専門家への確認に時間がかかれば、収益が残りにくくなります。

低廉な空家等の売買仲介には、物件価格800万円以下などの条件で、依頼者一方から受け取る報酬の上限を税込33万円とする特例があります。ただし、自動的に33万円を請求できる制度ではありません。必要な費用を勘案し、媒介契約時に上限の範囲内であらかじめ合意することが重要です。物件の使用状態は問わず、賃貸借の特例とは条件が異なります。国土交通省「不動産取引の仲介手数料について」

見積もりでは「含む費用」と「別料金」をそろえる

工事、巡回管理、清掃、募集、運営委託を比較するときは、価格だけでなく対象範囲をそろえます。残置物処分、設備更新、緊急訪問、遠方への交通費などが含まれるかを確認しましょう。補助金を使う場合も、不採択・減額・入金時期の違いを想定した資金計画が必要です。

調査や工事にかかる費用とは別に、顧客対応に使う仕組みも整理しておきたいところです。Faciloのサービス紹介資料では、不動産会社の物件提案や顧客対応を支える各サービスを確認できます。

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架空の戸建て賃貸例。初期支出500万円を年間収支と区別。家賃72万円から空室6万円と費用24万円を引くと返済前42万円、借入返済24万円を引くと18万円。空室2か月なら12万円、1か月空室と追加工事30万円ならマイナス12万円。
本文の仮定条件を用いた現金収支です。会計上の利益や投資利回りではなく、初期支出の回収・所得課税・別途の大きな修繕は基本ケースに含めていません。

免許・許認可・契約を確認し、使い始めてからの問題を防ぐ

必要な免許や手続きは「空き家ビジネス」という名称だけでは決まりません。自社が行う取引、建物の用途、受託する仕事を分けて、契約・工事の前に確認します。

宅建業免許が必要な事業と、自ら貸す事業を区別する

宅地・建物の売買等を業として行う場合や、売買・貸借の代理・媒介を業として行う場合は、宅地建物取引業の免許が必要になります。一方、自ら貸主となって貸す行為は、宅建業法上の宅地建物取引業に含まれません。国土交通省の免許申請案内、神奈川県の宅建業免許に関する説明

ただし「自ら貸すなら、ほかの手続きも一切不要」という意味ではありません。管理の受託、転貸を伴う契約、建物の使い方には別の制度や義務が関わる場合があります。たとえば賃貸住宅管理業法では、自己所有物件を除く管理戸数が200戸以上の賃貸住宅管理業者に登録が義務付けられています。空き家の巡回だけを行う契約と同じものとして扱わず、受託内容から該当性を確認します。国土交通省「賃貸住宅管理業の登録」

宿泊・飲食・施設への転用は、用途と営業の両面から確認

宿泊用途では、旅館業法の許可、住宅宿泊事業法の届出、特区民泊の認定など、どの制度を利用するかで要件が変わります。住宅宿泊事業法の制度は年間の宿泊日数に180日以内という上限があり、自治体の条例で実施期間が制限される場合もあります。すべての宿泊施設に同じ180日の上限がかかるわけではありません。観光庁「民泊の制度」、住宅宿泊事業法の概要

また、建築・消防上の条件と営業に必要な許可等は別々に確認します。自治体の担当部署、保健所、消防、建築士等へ予定用途を示し、必要な設備や手続き、できない使い方を工事前に整理しましょう。用途変更の確認申請が不要となる場合でも、守るべき基準までなくなると考えてはいけません。

たとえば川崎市の用途変更に関する案内も、確認申請の要否と、変更後の法令適合を分けて説明しています。実際の案件は所在地の担当部署へ確認します。

所有者との契約では、工事と終了時の負担まで決める

借りて活用する場合は、少なくとも次の事項を具体的にします。

  • 使用目的と、転貸・改修が認められる範囲
  • 工事費、設備交換、通常修繕、大きな故障の負担
  • 事業開始前や空室期間の賃料と支払開始時期
  • 契約期間、中途解約、更新、原状回復の条件
  • 残置物・設置設備の所有や処分、退去時の扱い
  • 事故や近隣トラブルが起きた際の連絡・対応

管理受託でも、報告頻度と緊急時の対応範囲を決めます。月1回の巡回と、常時の異常検知・即時対応は同じサービスではありません。所有者が何を期待しているかを確認し、契約と案内の表現をそろえましょう。

空き家の巡回管理と、売却を受託した後の販売活動報告は別の業務です。売却仲介を行う不動産会社なら、売主へ活動状況を共有する仕組みを整えておくと、報告内容を確認しやすくなります。

→ 売却仲介で使える、売主への報告機能を見る

補助金は、対象と申請時期をその年度の要領で確認する

空き家の改修や除却などに関する支援は、地域・年度・用途・申請者等によって条件が変わります。工事前の申請や交付決定が必要な制度もあるため、先に契約・着工してから申請すればよいとは考えないようにします。

募集状況、対象経費、自己負担、入金までの流れを窓口で確かめ、補助金がなくても成立するか、成立しないならどの条件で見送るかを明確にしましょう。

空き家の活用事例|建物の特徴と使う人のニーズを合わせる

ここでは、自治体と事業者が公開する2つの事例を紹介します。参考にするのは、同じ用途をまねることより、所有者の意向と利用者の需要をどう結び付けたかです。以下の公開情報だけでは、各事業の利益や投資回収期間は判断できません。

延岡市の「むすび」:医療・福祉と地域活動の拠点へ

延岡市の空き家活用モデル事業では、細長い形状の空き家を、医療・福祉や地域活動のためのコワーキングスペース「むすび」へ改修しています。市の完成報告には、隣接する在宅クリニックの活動に、より広く人が集まれる場が必要だったことや、既存の建物の特徴を生かした設計が紹介されています。延岡市「物件の完成報告」

この事例から考えられるのは、漠然と人を集める施設を作るより、既に活動している利用者と不足している場所を結び付ける視点です。参考資料は完成時の報告であり、現在の稼働率や収益の確認資料ではありません。

あゆむ庵:所有者の思いと、施設運営者の需要を合わせる

アキサポの公開事例では、川崎市中原区の空き家が産前産後ケア施設「あゆむ庵」として再生されています。所有者が建物を売らず地域に役立てたいと考えるなか、当初の住宅賃貸の検討から、活動場所を探していた事業者の需要に合わせた活用へ進んだと説明されています。アキサポ「あゆむ庵」の事例

自社で検討する際も、最初に考えた用途だけに固定せず、所有者の譲れない条件と具体的な借り手の必要条件を照合することが参考になります。ただし、この事例から一般的な改修費や採算を推定することはできません。

比較する点

むすび

あゆむ庵

自社の案件で確認すること

使う側のニーズ

医療・福祉等の活動で集まる場所

産前産後ケア等の活動場所

利用者・運営者が具体的か

建物との関係

既存の形状や空間を生かす

所有者の思いと建物を残す意向

変えてよい範囲はどこか

関係者の役割

隣接クリニックの院長が所有。市のモデル事業で改修

所有者が建物を残し、アキサポの支援で施設の使い手とつなぐ

自社は所有・支援・施設運営のどこを担うか

収支への示唆

公開情報だけでは判断不可

公開情報だけでは判断不可

別途見積もり・需要検証があるか

活用方法が決まっても、所有者との相談、買主・借主への提案など、関係者への対応は続きます。自社が受け持つ相手や業務に合わせて、情報を共有する仕組みも整理しましょう。

→ 所有者・買主・借主への対応を支えるサービスを比較する

【不動産会社向け】空き家相談から事業を始める手順

ここからは、空き家の仲介や所有者支援を始める不動産会社向けに説明します。最初の案件では、相談から契約までの作業と費用を記録し、継続して受けられる業務範囲を確かめます。

相談受付で、所有者の意向と未確認事項を分ける

初回の相談票には、所在地、所有関係、現在の使用状況、売却・賃貸等の希望、希望時期、分かっている建物の問題を記録します。「所有者から聞いた内容」と「資料や現地で確認した内容」を分ければ、後から何を調べるべきかが分かります。

初回から一つの活用案を約束する必要はありません。売却、賃貸、管理継続、専門家への相談を比較し、追加調査の内容と費用を説明して合意します。

専門家との役割分担と、調査の順序を決める

登記・相続、建物、工事、許認可など、社内で判断できない事項を明確にします。専門家へ依頼する場合は、依頼者、報酬、成果物、説明の責任を整理しましょう。調査が終わっていない内容を、広告や顧客への提案で確定事項として扱わないことも重要です。

買主・借主へ案内する際は、確認済みの条件と、利用開始までに解決が必要な条件を分けて伝えます。特に事業用途では、相手が希望する設備や営業条件が満たせるかをすり合わせます。

賃貸住宅として募集することになったら、借主候補への物件提案や連絡を整理します。賃貸クラウドでは、顧客ごとの物件提案やコミュニケーションを支える機能を確認できます。

→ 借主候補への提案をまとめる方法を見る

成約しなかった案件も含めて、工数と次の対応を見返す

現地訪問、資料確認、専門家との調整、所有者への説明にかかった時間を記録します。成約件数だけを見ると、未成約の相談にかかった費用が分かりません。どの条件なら受託できるか、追加調査を有償にする必要があるかなど、法令と契約を踏まえて見直します。

案件が長期化することもあるため、担当者、次の連絡予定、所有者の判断待ち事項を残します。「相談を受けたが、その後誰も連絡していない」という状態を避ける仕組みが必要です。

売却・賃貸の方針がすぐに決まらない相談では、これまでの経緯と次の連絡内容を見返せることが大切です。CRMで顧客情報や対応履歴をまとめれば、担当者間の引き継ぎにも使えます。

→ 長期の相談でも、これまでの経緯を追える状態にする

空き家ビジネスでよくある質問

空き家を所有していなくても始められますか?

借りて活用する、仲介する、管理を受託するなどの方法があります。ただし、必要な免許や契約、工事・転貸の承諾、運転資金は別途確認が必要です。物件を所有しないことで、すべての責任や資金負担がなくなるわけではありません。

地方の安い物件なら、利益を出しやすいですか?

取得価格だけでは判断できません。需要、改修費、移動や管理の負担、空室期間、売却しやすさまで確認します。安く取得できても、利用者が見つからず維持費がかかり続ける場合があります。まず具体的な使い手と負担可能な金額を確かめましょう。

自己資金ゼロで始められますか?

一律には言えません。借りて運営する場合や業務を受託する場合も、調査、人件費、保険、交通費、報酬が入るまでの運転資金等が必要になります。融資や補助金を見込む場合も、対象外の費用や入金前の支払いを含めた計画が必要です。

補助金がある用途を選べばよいですか?

補助金は、使う人の需要や継続的な運営収入を代わりに作ってくれるものではありません。先に用途と事業の成立条件を確認し、そのうえで利用できる制度があるかを調べます。補助終了後の維持費も含めて考えましょう。

最初に何をすればよいですか?

一つの地域・一つの物件について、使う人、所有者の意向、建物・権利、初期費用と年間収支を並べてみましょう。確認できない項目は未確認とし、誰に何を聞けば判断できるかを決めます。条件が合わない場合に、別用途や売却、見送りへ切り替えることも事業上の大切な判断です。

【空き家所有者向け】方針が決まらない場合は、どこへ相談する?

まずは、物件所在地の自治体の空き家相談窓口や、自治体が案内する相談機関を調べてみましょう。たとえば神奈川県の空き家相談窓口の案内では、市町村の窓口一覧と所有者向けの総合相談窓口を確認できます。対象地域や相談できる内容は窓口ごとに異なるため、予約や必要資料を事前に確かめます。

相談時は、所在地、所有関係、現在の状態と、売却・賃貸・管理の希望がまだ決まっていないことを伝えて構いません。事業者へ依頼する段階では、対応地域、調査・管理の範囲、料金、工事や契約終了時の負担、報告方法を比較しましょう。次に案内するFaciloは不動産会社の業務ツールであり、個人所有者の空き家活用の相談窓口とは異なります。

空き家の相談が増える前に、顧客対応の仕組みも整えませんか

空き家関連事業では、所有者への報告、買主・借主への提案、長期の相談の引き継ぎなど、複数の対応が並行します。Faciloは、不動産会社の物件提案や顧客情報・対応履歴の共有を支えるサービスを提供しています。空き家の現地巡回、工事、宿泊運営や許認可の代行を行うサービスではありません。

自社に合う機能を確認したい方は、フォームでサービスを選んで紹介資料をご請求ください。現在の顧客対応や情報共有の方法に合わせてツールを検討したい方は、導入についてご相談ください。

→ 物件提案・顧客対応のサービス資料を選んで請求する

→ 自社の顧客対応に合うツールの導入を相談する

執筆:Facilo編集部/制度・サービス情報の確認日:2026年10月27日