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不動産仕入れ営業とは?成果を出す7つのコツと売主が選ぶ仲介会社の条件

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目次

不動産仕入れ営業とは?仕事内容と種類を整理

不動産仕入れ営業には「用地仕入れ」と「媒介獲得(物上げ)」の2種類がある。本記事では、仲介会社の売上に直結する媒介獲得営業を中心に解説する。

用地仕入れ営業は、デベロッパーやビルダーが開発用地を取得する営業だ。1件あたりの金額が大きく、意思決定に数ヶ月かかる。一方、媒介獲得営業(物上げ)は、仲介会社が売却物件の媒介契約を獲得する業務で、仲介手数料が収益源となる。媒介を取るだけでなく成約まで導くことがゴールだ。

用地仕入れ vs 媒介獲得の比較

項目用地仕入れ媒介獲得(物上げ)
営業先地主・同業者・法人個人の売主・相続人
収益モデル開発利益(売却益)仲介手数料
成約までの期間数ヶ月〜1年以上数週間〜数ヶ月
求められるスキル事業収支判断・土地評価売主心理の理解・関係構築

通常の不動産営業が「買ってもらう」提案であるのに対し、仕入れ営業は「売らせてもらう」提案である点が最大の違いだ。

不動産仕入れ営業が「きつい」と言われる3つの理由

仕入れ営業のきつさの本質は、競合との情報戦とリードタイムの長さにある。

1. 競合との激しい情報争奪戦

Facilo不動産DX総研「不動産売却の課題と顧客体験に関する調査」(2025年2月、インターネット調査、n=1,002)によると、査定依頼先は2〜3社が最多だ。専任媒介の枠は1社のみであり、「情報を先に掴む」だけでは足りない。複数社のなかから「選ばれる」力が必要になる。

「媒介取得率って数%なんですよ。残りは全部他社に持っていかれる」(仲介営業の声)

2. 成果が出るまでのリードタイムが長い

同調査では、売主の検討期間は1ヶ月以上に及ぶケースが87%であることが示されている。信頼関係の構築に時間がかかる一方、その間の工数は上司やチームから見えにくい。長期案件は報告工数の増大、他案件への機会損失、精神的プレッシャーという3つの負担を営業に与える。

3. 媒介を取っても売れないリスク

用地仕入れだけでなく、媒介獲得にも固有のリスクがある。媒介契約を獲得しても、物件が長期間売れなければ売主から解約されるのだ。同調査では売主の7割が売却中止を検討した経験があると回答している。「仕入れて終わり」ではなく、売り切るまでが仕入れ営業の仕事である。

売主が仲介会社を選ぶ基準を知る――仕入れ営業の出発点

売主が仲介会社を選ぶ最大の決め手は「手数料の安さ」でも「知名度」でもなく、情報提供の透明性とタイムリーさだ。

Facilo不動産DX総研の調査では、仲介会社の決め手として「情報提供の透明性とタイムリーさ」が最上位だった。手数料の安さ(5.5%)や知名度(11.6%)は優先度が低い。

売主が仲介会社に期待する3つのポイント

  • 売却活動の進捗をこまめに・わかりやすく共有してくれること
  • 連絡頻度は月2〜4回程度を期待している
  • 査定額の「根拠」を具体的に説明してくれること

つまり、仕入れ営業で勝つための出発点は「高い査定額を出す」ことでも「手数料を下げる」ことでもない。査定段階から情報提供の質で差別化を仕掛けることが、媒介獲得の確率を上げる最短ルートだ。

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コツ1: 査定時に「根拠ある価格提案」で信頼を獲得する

媒介獲得の最初の勝負所は査定だ。感覚値ではなくデータに基づいた根拠を提示できるかが、売主の信頼を勝ち取れるかの分かれ目になる。

具体的には以下のようなアプローチが効果的だ。

  • 類似物件との坪単価比較を数値で提示する
  • 方位・階数・築年数など条件差を定量的に補正して説明する
  • 売主と買主に同じ資料で価格根拠を説明する(後の値下げ交渉時にも一貫性が保てる)

例えば、「このマンションの坪単価は周辺5件の成約事例の平均より8%高い設定ですが、南向き角部屋・リフォーム済みという条件を加味すると妥当な水準です」と、数字と条件を紐づけて説明するだけで提案の説得力は大きく変わる。

「査定書、毎回ゼロから作るのがしんどいんですよ」(仲介営業の声)

査定根拠の「型」を作っておけば、提案の質を保ちながら工数を削減できる。根拠が明確な査定書は、売主に「この人はプロだ」という印象を与える最も効果的なツールだ。

コツ2: 複数チャネルで物件情報を収集する

仕入れ営業の成果は情報源の数に比例する。1つのチャネルに依存するとそのチャネルの競争激化に直撃されるため、複数の情報網を持つことが安定した仕入れ件数の鍵だ。

チャネル特徴向いている会社
一括査定サイト即効性が高い。ただし競合も多い広域展開の中〜大手
レインズ公開物件の売主アプローチ売買仲介全般
士業ネットワーク(税理士・弁護士)相続案件の紹介が期待できる地域密着型
地元の同業ネットワーク未公開情報が回ってくる地域密着型
既存顧客からの紹介成約率が高い。信頼ベース実績のある会社

特に地域密着型の不動産会社にとっては、地元の士業・同業とのネットワークが強力な武器になる。一括査定サイト経由の反響は競合が3〜5社入るのが常だが、紹介経由なら独占的に商談を進められるケースも多い。例えば、地元の税理士事務所に「相続案件で売却相談があればご紹介ください」と定期的に顔を出し、成約時には紹介料ではなく感謝報告をきちんと行うことで、継続的な紹介が生まれやすくなる。

コツ3: 売主との関係構築は「情報提供の質」で差をつける

関係構築のポイントは、接触のたびに売主にとって価値ある情報を持っていくことだ。「しつこい営業」と「頼りになる営業」の境界線は情報価値の有無で決まる。

まずは売主の事情(売却理由・希望時期・資金計画)を丁寧にヒアリングし、信頼の土台を築く。そのうえで、市場動向・周辺成約事例・競合物件の動きを定期的に提供し続けることが差別化になる。売主が期待する連絡頻度は月2〜4回程度だ。月1回の電話だけで関係を維持しようとするのは、売主の期待値を大きく下回っている。

例えば、「先週、同じマンションの別の部屋が〇〇万円で成約しました。お客様の物件と条件を比較すると……」という具体的な市場情報を添えた連絡であれば、売主にとって有益な接触になる。

「常に情報を共有してくれる営業」が、売主にとっての安心材料になる

コツ4: 媒介契約時に「売却戦略」まで提示する

他社が「まずは様子を見ましょう」で終わるなか、売却完了までのロードマップを具体的に提示することが媒介獲得の決定的な差別化になる。

具体的には以下の項目を媒介契約時に売主と事前合意しておきたい。

  • 売却スケジュール: 「3ヶ月で売り切る」目線のタイムライン
  • 価格改定タイミング: いつ・どの条件で価格を見直すかの合意
  • 価格改定幅: 小刻みに100万円ずつ下げるのではなく、5〜6%の思い切った改定で早期成約を狙う方針

例えば、「最初の1ヶ月で反響が10件未満なら、2ヶ月目の頭に5%の価格改定を行う」というように、条件とアクションをセットで合意しておくと、後の値下げ提案がスムーズになる。

なぜ「小刻み値下げ」はNGなのか

100万円ずつの段階的な値下げは、ポータルサイト上で「売れ残り物件」の印象を与えてしまう。結果的に問い合わせが減り、さらなる値下げを余儀なくされる悪循環に陥りやすい。初動で適正価格に寄せる思い切った改定のほうが、最終的な成約価格が高くなるケースも多い。

コツ5: 複数回アプローチで接触頻度を高める

1回の接触で媒介契約に至るケースは稀だ。訪問・電話・メール・DMを組み合わせた複数回アプローチが仕入れ営業の基本となる。

ただし、「しつこい」と「マメ」の境界線は情報価値の有無で決まる。「その後いかがですか?」だけの用件のない電話はNG。「近隣で〇〇万円の成約がありました」と新情報を添えた連絡なら歓迎される。

チャネルの使い分けも重要だ。電話は温度感の確認、メールは市場データの共有、訪問は査定・媒介契約など重要局面、DM・手紙は空き家オーナーへの初回アプローチに適している。Facilo不動産DX総研の調査では売主の検討期間は1ヶ月以上に及ぶケースが87%だ。その間、情報を届け続ける営業が選ばれる。

コツ6: 仕入れた物件を「早期成約」に導く仕組みを持つ

媒介獲得はゴールではなくスタートだ。売却が長期化すると売主離脱リスクが急激に高まるため、早期成約までの仕組みを持つことが仕入れ営業の真の成果につながる。

同調査では、売主の7割が売却中止を検討した経験があると回答している。主な理由は「活動状況が見えない」「問い合わせがなく不安」といった情報不足だ。

長期化を防ぐために、以下の3つのアクションを仕組み化しておきたい。

  1. 活動報告の頻度と質を上げる: 月2〜4回、売主が知りたい情報(反響数・内見件数・競合動向)を整理して報告する
  2. 買い手の反応を可視化して共有する: ポータルサイトの反響データや内見後のフィードバックを売主に見せる
  3. 適切なタイミングで価格改定を提案する: 事前合意したスケジュールに基づき、データを根拠にした改定を提案する

例えば、「今月の反響は8件、内見は3件でした。内見者からは"駅距離はネックだが室内の状態は良い"という声が多く、価格が適正であれば成約は近いと考えています」という報告であれば、売主の不安を解消しつつ次のアクションにつなげられる。

「売り出し後の競合物件の動き、いちいちレインズで調べるのが本当に手間」(仲介営業の声)

売主への報告を「手間のかかる義務」から「信頼を積み上げる武器」に変えることが、仕入れ営業の成約率を根本から変える。

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仕入れ営業の効率を上げる情報管理のポイント

仕入れ営業で属人化を防ぎチーム全体の成果を上げるには、物件情報・売主情報・市場データの一元管理が欠かせない。

物件・売主情報の一元管理

エクセルでの案件管理には限界がある。更新漏れ・属人化・共有の困難さが日常的に発生する。

「担当が辞めたら、そのお客さんの情報が全部消えるんですよ」(仲介営業の声)

案件ステータス・接触履歴・売主の温度感を一箇所で管理し、チーム全体で情報を共有できる環境を整えることが重要だ。

売主への情報提供を「仕組み化」する

活動報告書の作成工数を削減し、報告頻度を上げる。大事な局面は対面、日常的な情報共有はデジタルというハイブリッド型が効率的だ。競合物件の動きや反響データなど、売主が知りたい情報をタイムリーに届ける仕組みがあれば、営業負担を減らしつつ売主満足度を高められる。

チーム全体で仕入れ情報を共有する

「営業が10人いたら10通りのやり方してる。提案の質もバラバラ」(仲介営業の声)

個人商店型の営業では、組織としての仕入れ力に限界がある。成功パターンの型化と情報共有で、チーム全体の仕入れ成績を底上げすることが重要だ。

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よくある質問(FAQ)

Q: 不動産仕入れ営業の年収はどのくらい?

400〜600万円がボリュームゾーンだが、成果次第で1,000万円超も狙える。用地仕入れは1件あたりの利益が大きく、媒介獲得は件数で稼ぐ傾向がある。インセンティブ比率が高い企業では、高額物件の専任媒介を1件取るだけで年収が大きく跳ねることもある。

Q: 不動産仕入れ営業は未経験でもできる?

未経験採用を行う企業も多い。 ただし宅建士の資格取得があると有利で、推奨する企業が多い。最初の1年は情報収集と人脈構築に注力し、2年目以降に成果が出始めるのが一般的だ。地道な関係構築が苦にならない人、数字(相場・収支)に強い人が向いている。

Q: 用地仕入れと媒介獲得、どちらが稼げる?

年収の上限は用地仕入れ、安定性は媒介獲得が高い。 用地仕入れは1件あたりの利益が大きいが成約頻度は低い。媒介獲得は件数を回せるが1件あたりの手数料は限定的だ。キャリアパスとしては、仕入れ営業のスペシャリストからマネージャー、独立開業という道もある。

Q: 仕入れ営業で一番大事なスキルは?

「売主の事情を理解する力」だ。売りたい理由・希望条件・不安を正確に把握し、それに応じた提案ができるかが成約率を左右する。テクニックより先に、ヒアリング力と信頼構築力を磨くことが成果への近道だ。

まとめ

不動産仕入れ営業は「情報戦 × 信頼構築」の仕事だ。本記事で解説した7つのコツの核心は、売主心理を理解し、根拠ある提案と継続的な情報提供で「この人に任せたい」と思わせることにある。

  • 出発点: 売主が仲介会社を選ぶ基準は「手数料」でも「知名度」でもなく、情報提供の透明性
  • 査定段階: データに基づいた根拠ある価格提案で、最初の信頼を勝ち取る
  • 関係構築: 月2〜4回の情報提供を続け、「頼りになる営業」として選ばれる
  • 媒介獲得後: 売却戦略のロードマップを提示し、早期成約まで導く仕組みを持つ

媒介を取った後も早期成約まで導く仕組みがあってこそ、仕入れ営業の成果は最大化する。売主への情報提供の質とスピードを高め、「仕入れから成約まで」を一気通貫で支える体制を構築してほしい。

※本記事は不動産仲介の実務経験者の監修のもと作成しています。

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