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不動産CRM比較10選|仲介会社向けおすすめツールの選び方を徹底解説

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目次

不動産仲介会社がCRM(顧客管理システム)を導入する際、最も重要なのは「自社の業態と規模に合ったツールを選ぶこと」です。売買仲介と賃貸仲介では必要な機能が異なり、5名の会社と30名の会社では投資対効果の判断基準も変わります。この記事では、仲介会社の経営者・営業責任者向けに、CRM選びで失敗しないための5つの比較ポイント、業態×規模別の選定ガイド、おすすめ10ツールの一覧比較、そして導入ROIの試算方法までを解説します。

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不動産向けCRM(顧客管理システム)とは?仲介会社に必要な理由

不動産CRMとは、仲介会社の顧客情報・反響データ・追客履歴・物件提案記録を一元管理し、営業活動を効率化するシステムです。一般的なCRM(Salesforce等)とは異なり、不動産特化型CRMはポータルサイトからの反響自動取り込み、物件マッチング、内見予約管理など、仲介業務に直結する機能を備えています。

宅建業者数は13万2,291業者(2025年3月末時点、国土交通省「宅地建物取引業法の施行状況調査結果」)と11年連続で増加しており、競争が激化する中で「反響をいかに成約につなげるか」の仕組み化が経営課題になっています。LIFULL HOME'Sの「不動産業界のDX推進に対する実態調査」によると、DXに取り組む不動産会社のうちCRMの導入率は42.9%と最も高く、業界の標準ツールになりつつあります。

エクセル管理の限界サイン5つ——こんな状態なら導入時です

多くの仲介会社がエクセルや紙の台帳で顧客管理をしていますが、以下のサインが出ていたらCRM導入を検討すべきタイミングです。

  • 「この顧客、誰が追客してるんだっけ?」が週に何度も発生する — 追客リストが属人化し、マネージャーから全体が見えない状態
  • 反響対応に30分以上かかる — ポータルサイトの反響をエクセルに転記し、物件を探し、メールを作成する一連の作業が手作業
  • 「前にどんな物件を提案したか」を覚えていない — 提案履歴が個人のメールボックスに散在し、引き継ぎができない
  • 月末にならないと追客状況がわからない — リアルタイムで営業状況を把握する手段がなく、手遅れの対応が常態化
  • 退職者が出ると顧客リストが消える — 個人のエクセルファイルやスマホに顧客情報が入っており、組織の資産にならない

「追客リストが属人化してて、誰が何を追ってるか全然見えないんですよ」——これは仲介会社の現場で最も多い悩みの一つです。CRMはこうした属人化を構造的に解消します。

Faciloが不動産購入経験者1,652人を対象にマクロミルを通じて実施した「不動産仲介会社に対する顧客満足度のメカニズム調査」(2024年3月)でも、購入リピート意向を高める要因として「営業担当の対応の早さ」(19.6%)「豊富な知識・経験」(18.6%)「提案力の高さ」(16.3%)が上位を占めました。迅速かつニーズに合った提案を仕組み化するCRMは、顧客満足度の向上とリピート・紹介の獲得に直結します。

CRM導入で解決できる仲介会社の3大課題

不動産CRMが解決する課題は、大きく3つに集約されます。

課題 CRMによる解決 期待効果
追客の属人化 顧客情報・対応履歴を全員が閲覧可能に。担当交代時も引き継ぎスムーズ 追客漏れゼロ、退職リスク低減
反響対応の遅れ ポータルサイトからの反響を自動取り込み。初動対応を短縮 反響対応時間を数分に短縮
物件提案の非効率 顧客の希望条件に合う物件を自動マッチング・提案 提案通数を3〜4倍に増加

Faciloの「不動産仲介の業界構造およびDX推進の日米比較」調査によれば、米国では顧客体験の向上がビジネスの成功に直結するため、CRMをはじめとする業務支援システムの導入が早期から進みました。一方、日本では入稿業務の効率化が先行し、接客・追客領域のDXはこれからという段階です。CRM導入は、この接客DXの第一歩として位置づけられます。

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不動産CRMの選び方|失敗しない5つの比較ポイント

不動産CRMの選び方は、(1)業態適合性(売買/賃貸)→(2)追客機能の充実度→(3)ポータル連携数→(4)費用対効果→(5)契約条件の5ステップで比較するのが基本です。最も重要なのは業態適合性で、売買と賃貸では必要機能が根本的に異なります。

CRM選びで失敗する最大の原因は「機能の多さ」で選んでしまうことです。重要なのは、自社の業態・規模・課題に合ったツールを選ぶこと。

CRM選定の意思決定フロー:

  1. 業態を確認 → 売買仲介なら売買特化ツール、賃貸なら賃貸特化ツールが第一候補
  2. 規模で絞り込み → 5名以下ならシンプル×安価、20名以上なら管理機能重視
  3. 最優先課題を特定 → 追客効率化?反響対応速度?物件提案の自動化?
  4. 予算とROIで判断 → 月額×12ヶ月の年間コストを、追加成約の手数料で割る
  5. 契約条件を確認 → 最低契約期間、解約条件、データエクスポートの可否

以下の5つのポイントを優先順位の高い順に詳しく解説します。

ポイント1: 業態適合性——売買向き?賃貸向き?

最も重要な選定基準です。売買仲介と賃貸仲介では、業務フローが根本的に異なります。

項目 売買仲介 賃貸仲介
検討期間 3〜6ヶ月(長期追客が必要) 1〜4週間(スピード勝負)
重要機能 物件提案の自動化、売主への活動報告 反響即時対応、内見予約管理
ポータル連携 SUUMO、HOME'S、athome等 SUUMO、HOME'S、athome等に加え、賃貸専門サイト
追客スタイル 定期的な物件提案+電話 SMS・LINE等での即レス

売買仲介向けに設計されたCRM(ITANDI 売買 PropoCloud、KASIKA等)と、賃貸仲介向け(カナリークラウド、ノマドクラウド等)では機能の力点が異なります。両業態を扱う会社は、両対応型(いえらぶCLOUD等)を選ぶか、業態ごとに別ツールを使い分ける判断が必要です。

ポイント2: 追客機能の充実度

CRM導入の目的が「追客の効率化」なら、以下の機能の有無を確認しましょう。

追客機能 内容 効果 対応ツール例
自動追客メール 顧客の条件に合う新着物件を自動送信 手作業の物件提案をゼロに近づける ITANDI 売買 PropoCloud、KASIKA、カナリークラウド
SMS・LINE通知 メールを見ない顧客にもリーチ メール以外のチャネルで接点を確保 カナリークラウド、ノマドクラウド
顧客の行動ログ 「どの物件を何回見たか」を可視化 温度感に応じた優先順位付け KASIKA、ITANDI 売買 PropoCloud
スコアリング 顧客の検討度合いを数値化 「今すぐ客」と「そのうち客」を自動分類 KASIKA
自動一次返信 反響取り込みと同時にサンクスメール送信 初動対応を数秒に短縮 カナリークラウド、ノマドクラウド

「お客さんの温度感がわからないまま追客してるから、優先順位がつけられないんです」——この課題を解決するのが行動ログとスコアリング機能です。

CRM導入により、物件提案メールの作成が手作業から自動化されることで、1人の営業が対応できる追客件数が大幅に増加します。追客機能の充実度は、営業生産性の改善に直結します。

ポイント3: ポータルサイト連携の対応範囲

SUUMO・HOME'S・athomeなど、自社が出稿しているポータルサイトからの反響を自動取り込みできるかは必須の確認項目です。ポータル連携が不十分だと、反響の手動転記が発生し、CRM導入の効果が半減します。

確認すべき点は3つあります。

  • 対応ポータル数: 主要サイトに対応しているか(多いツールで25サイト以上対応)。自社が地域密着型の中小ポータルに出稿している場合は要注意——大手ポータルのみ対応というケースがあります
  • 自動取り込みの精度: 顧客情報(氏名・連絡先・希望条件)が正確にCRMに反映されるか。取り込み精度が低いと、結局手動での修正が必要になります
  • 初回自動返信: 反響取り込みと同時にサンクスメールを自動送信できるか。反響から5分以内の初回対応で来店率が大きく変わるため、初動の自動化は重要です
ツール名 対応ポータル数 主な対応サイト
カナリークラウド 25+サイト SUUMO、HOME'S、athome、賃貸専門サイト多数
ノマドクラウド 25+サイト SUUMO、HOME'S、athome、賃貸専門サイト多数
いえらぶCLOUD 40社以上 主要ポータル全対応+地域ポータル
KASIKA 主要サイト SUUMO、HOME'S、athome
ITANDI 売買 PropoCloud 主要サイト SUUMO、HOME'S、athome(ATBB連携あり)

ポイント4: 料金体系の見方

不動産CRMの料金体系は大きく3パターンあります。

課金方式 特徴 向いている会社
アカウント課金(月額×人数) 利用者数に比例。少人数なら安い 5〜10名の小規模会社
店舗課金(月額×店舗数) 店舗単位で固定。1店舗あたりの人数が多いと割安 多店舗展開の中〜大手
固定月額 人数・店舗に関係なく一律 拡大予定のある会社

月額だけでなく、初期費用(導入設定・データ移行)と最低契約期間も確認しましょう。初期費用が無料でも、最低契約12ヶ月で月額が高いケースもあります。

契約時に必ず確認する3点:

  • 最低契約期間: 6ヶ月〜12ヶ月が一般的。短期間で「合わなかった」となっても解約できないケースがある
  • 解約時の違約金: 契約期間途中の解約で残月分の支払いが発生するか
  • 値上げ条項: 契約更新時に料金が変わる可能性があるか

料金交渉のポイント: 多くのベンダーが「年間一括払い」で10〜20%の割引を提供しています。また、2店舗目以降の追加割引があるケースも。見積もりは必ず複数社から取り、比較材料にしましょう。

規模 月額の目安 年間コスト 参考ツール
1〜5名 2〜5万円 24〜60万円 Taski、みらいえ、Salesforce Starter
6〜20名 10〜20万円 120〜240万円 カナリークラウド、KASIKA、ITANDI 売買 PropoCloud
21名以上 30〜50万円 360〜600万円 いい生活、いえらぶCLOUD、Salesforce Enterprise

ポイント5: サポート体制と導入支援

不動産業界はITリテラシーにばらつきがあるため、サポート体制は導入成否を左右します。

  • 導入支援: 初期設定・データ移行を代行してくれるか
  • 操作研修: 営業担当者向けのトレーニングがあるか
  • 導入期間の目安: 契約から運用開始まで通常2〜4週間。データ移行が多い場合は1〜2ヶ月
  • 問い合わせ対応: 電話・チャット・メールのどれで対応してくれるか

選び方の5ポイントを踏まえて自社に合うツールを検討したい方へ
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【業態×規模マトリクス】あなたの会社に合うCRMタイプ早見表

小規模(5名以下)は月額2〜5万円のシンプルなツール、中規模(6〜20名)は月額10〜20万円で追客自動化が充実したツール、大手(21名以上)は月額30万円以上のカスタマイズ性が高いツールが適しています。売買・賃貸・両業態で最適解が異なります。

「結局どれを選べばいいの?」という方のために、業態と規模の掛け合わせで最適なCRMタイプを整理しました。

規模の判断基準: 人数だけでなく、以下も考慮してください。

  • 小規模: 月間反響30件以下、1〜2店舗、CRM予算は月3〜5万円
  • 中規模: 月間反響30〜150件、3〜10店舗、CRM予算は月10〜20万円
  • 大手: 月間反響150件超、10店舗以上、CRM予算は月30万円以上
小規模(1〜5名) 中規模(6〜20名) 大手(21名以上)
売買仲介 KASIKA(初期費用が比較的安価)、汎用CRM ITANDI 売買 PropoCloud(自動提案が強力)、KASIKA Salesforce+不動産特化連携
賃貸仲介 Taski(月額2.2万円〜)、顧客管理CRM カナリークラウド、ノマドクラウド いい生活、いえらぶCLOUD
売買+賃貸 みらいえ(両対応・月額3.3万円/店舗) いえらぶCLOUD いえらぶCLOUD、いい生活

売買仲介会社の選定パターン

売買仲介では「長期追客」と「物件提案の自動化」が最重要機能です。売買仲介の顧客は平均3〜6ヶ月にわたって物件を検討するため、その間の継続的なフォローが成約率を左右します。

  • 小規模(1〜5名): 月間反響が30件以下なら、まずKASIKAやFaciloのような導入しやすいツールから始めましょう。高機能すぎるツールは使いこなせずコストだけかかるリスクがあります。この規模では「営業1人あたりの追客件数を増やす」ことが最大の効果指標になります
  • 中規模(6〜20名): ITANDI 売買 PropoCloudの自動物件提案が威力を発揮する規模。マネージャーが追客状況を一覧で把握できる管理画面も重要です。「誰がどの顧客を担当し、どこまで追客が進んでいるか」をリアルタイムで可視化できるかどうかが選定基準になります
  • 大手(21名以上): Salesforceをベースに、不動産特化のアドオンやAPI連携で構築するケースが多い。カスタマイズ性を重視し、自社の業務フローに完全にフィットするシステムを構築します。ただし導入には専門パートナーが必要で、初期構築に3〜6ヶ月、費用100〜500万円程度を見込んでおく必要があります

賃貸仲介会社の選定パターン

賃貸仲介では「反響即時対応」と「ポータル連携数」が最重要です。賃貸の顧客は検討期間が1〜4週間と短いため、反響後のスピード勝負になります。「5分以内に一次返信できるか」が来店率を大きく左右します。

  • 小規模(1〜5名): Taski(月額2.2万円〜)は賃貸特化でコストパフォーマンスが高い。まずは顧客管理の基本を整え、手動で行っていた追客メールを自動化するだけで大きな効果が出ます
  • 中規模(6〜20名): カナリークラウドやノマドクラウドは導入実績が豊富で、25サイト以上のポータル連携に対応。LINE連携による追客や内見予約の自動化など、来店率を直接改善する機能が充実しています
  • 大手(21名以上): いい生活やいえらぶCLOUDは基幹システムとの連携や物件管理まで一気通貫で対応。複数店舗の反響を本部で一元管理し、店舗間の対応品質のばらつきを解消できる管理機能が強みです

売買+賃貸の両業態を扱う会社

両業態を扱う会社は、「1つのツールで統一するか、業態ごとに使い分けるか」の判断が必要です。

  • 統一派: いえらぶCLOUD、みらいえなど両対応ツールを導入。データの一元管理がメリット
  • 使い分け派: 売買はITANDI 売買 PropoCloud+賃貸はカナリークラウドなど、各業態のベストツールを併用。機能の最適化がメリットだが、データ連携の手間がデメリット

目安として、売買と賃貸の売上比率が7:3以上で偏っているなら、主力業態に特化したツールを選ぶのが正解です。

自社の業態×規模に合ったツール選びで迷ったら。CRMと併用できるFaciloの活用事例も参考にしてください
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不動産向けCRMおすすめ10選|一覧比較表

売買仲介向けはITANDI 売買 PropoCloud・KASIKA・売買革命の3ツール、賃貸仲介向けはカナリークラウド・ITANDI 賃貸仲介(旧ノマドクラウド)・Taskiの3ツール、両業態対応はいえらぶCLOUD・いい生活・みらいえ、汎用型はSalesforceです。月額は2万円台〜30万円超まで幅があります。

比較表で全体像を把握してから、気になるツールの詳細を確認しましょう。

一覧比較表

ツール名 業態 月額目安 ポータル連携 追客自動化 最低契約期間 特徴
ITANDI 売買 PropoCloud 売買 5〜15万円程度 ◎(自動提案) 要確認 物件自動提案に強い
KASIKA 売買 5万円〜 ◎(MA機能) 要確認 MA機能搭載
売買革命 売買 5〜10万円程度 要確認 売買仲介の営業支援全般
カナリークラウド 賃貸 5〜15万円程度 ◎(25+サイト) 要確認 賃貸仲介で高シェア
ノマドクラウド 賃貸 5〜15万円程度 ◎(25+サイト) 要確認 来店率向上に強い
Taski 賃貸 2.2万円〜 6ヶ月 コスパ重視の賃貸特化
いえらぶCLOUD 両対応 10〜30万円程度 要確認 オールインワン型
いい生活 両対応 2万円〜 要確認 4,500+店舗導入
みらいえ 両対応 3.3万円/店舗 要確認 両業態対応で手頃
Salesforce 汎用 3,000円/人〜 △(要連携開発) 年間契約 カスタマイズ無限大

※月額はWebサイト・比較サイトの情報をもとにした概算です。正確な料金は各社にお問い合わせください。

表の見方: ◎=業界トップクラス ○=標準搭載 △=別途設定・開発が必要

売買仲介向けCRM

ITANDI 売買 PropoCloud(旧:プロポクラウド)

ITANDI(イタンジ)が提供する売買仲介特化のCRM。正式名称は「ITANDI 売買 PropoCloud」。最大の特徴は物件の自動提案機能で、顧客の希望条件にマッチする物件をシステムが自動で選定・提案します。営業担当者が物件を探す手間を大幅に削減し、提案通数を増やせる点が強みです。

ATBB(不動産業者間サイト)との連携にも対応しており、ATBBに掲載されている物件情報をそのまま顧客提案に活用できます。通常、営業担当者がATBBで物件を検索→情報をコピー→メールに貼り付け…という作業を手動で行いますが、ITANDI 売買 PropoCloudでは条件に合う物件を自動でピックアップし、顧客ごとにカスタマイズされた提案メールを生成します。

PC操作に不慣れな営業担当者でも使いやすいシンプルなUI設計で、導入後の定着率が高いと評価されています。顧客ごとの物件閲覧履歴も確認でき、「この顧客は駅徒歩5分以内の物件を重点的に見ている」といった温度感の把握にも活用可能。提案メールの開封率・クリック率も自動で計測されるため、マネージャーが追客の進捗を数値で管理できます。

  • 月額: 5〜15万円程度(規模による)
  • 無料トライアル/デモ: 要問合せ
  • 主な連携: ATBB、SUUMO、HOME'S、athome
  • 向いている会社: 売買仲介で物件提案の効率化を重視する中規模以上の会社。特にATBB物件の提案が多い仲介会社に強い

KASIKA(Cocolive)

Cocolive株式会社が提供する売買仲介特化のMA(マーケティングオートメーション)ツール。最大の特徴はスコアリング機能で、顧客のWeb行動データ(物件ページの閲覧回数・滞在時間・お気に入り登録状況など)から検討度合いを自動スコアリングし、「今週アプローチすべき顧客リスト」を自動生成します。

メール自動配信やシナリオ設計などMA機能も搭載しており、「資料請求後3日目にフォローメール→開封後に物件提案→閲覧後に電話」といったステップメールを設計できます。売買仲介の長期追客(3〜6ヶ月)で「今すぐ客」を見逃さない仕組みとして評価されています。

他ツールとの違い: KASIKAはCRMというよりもMA寄りのツールです。顧客のWeb行動を起点とした「データドリブンな追客」が得意で、「なんとなく電話する」追客から「根拠のある追客」への転換を実現します。一方、物件情報の管理や入稿業務には対応していないため、物件管理は別ツール(レインズ、各社基幹システム等)との併用が前提です。

スコアリングにより「温度の高い顧客」を自動で抽出できるため、「100件のリストに片っ端から電話する」追客から「スコア上位20件に集中してアプローチする」運用に変わります。

  • 月額: 5万円〜(初期費用5〜7万円)
  • 無料トライアル/デモ: 要問合せ
  • 主な連携: SUUMO、HOME'S、athome、自社サイト行動データ
  • 向いている会社: データドリブンな追客を実現したい売買仲介会社。特にWeb反響が多い会社に強い

売買革命(日本情報クリエイト)

日本情報クリエイト株式会社が提供する売買仲介の営業支援システム。物件管理、ポータルサイトへの入稿、反響管理、追客まで売買仲介業務を幅広くカバーします。特に媒介契約の管理や売主への活動報告の効率化に強みがあり、売り仲介のオペレーション改善に役立ちます。

主な機能として、媒介契約の期限管理(更新時期のアラート通知)、売主への定期活動報告書の自動生成競合物件の市場分析レポートを備えています。特に活動報告書の自動生成は、「毎月の報告書作成に1物件あたり30分かかっていた」という手間を大幅に削減します。

売り仲介で特に有効な場面: 媒介契約の更新率を上げるには、売主に「きちんと活動している」と感じてもらう定期報告が重要です。売買革命はこの報告業務を自動化することで、営業担当者が新規の売り案件獲得に時間を使えるようになります。

  • 月額: 5〜10万円程度
  • 無料トライアル/デモ: 要問合せ
  • 主な機能: 媒介期限管理、活動報告書自動生成、競合物件分析
  • 向いている会社: 売却仲介の業務効率化を重視する会社。売り案件が月5件以上ある会社に特に効果的

賃貸仲介向けCRM

カナリークラウド(CANARY Cloud)

株式会社カナリー(旧BluAge)が提供する、賃貸仲介CRMとして高いシェアを持つ顧客管理システム。25以上のポータルサイトからの反響自動取り込みに対応し、SUUMO・HOME'S・athomeに加え、賃貸専門の中小ポータルにも幅広く対応しています。

最大の強みはLINE・SMSでの追客機能と、顧客情報・全コミュニケーション履歴を1画面に集約するUI。賃貸仲介では「メールを見ない」顧客が多いため、LINEでのやり取りが来店率向上に直結します。カナリークラウドではLINEでの物件提案、内見日程の調整、来店リマインドまでを1つの管理画面から実行できます。

導入現場でのメリット: 賃貸仲介の店舗では、複数のポータルから来る反響を1つの画面で管理できるため、「SUUMOの反響はAさんが対応、HOME'SはBさん」という属人的な割り振りが不要になります。反響の一覧画面から「未対応→対応中→来店確定」のステータス管理も直感的に操作でき、ITに不慣れなスタッフでも研修なしで使い始められるという声があります。

  • 月額: 5〜15万円程度
  • 無料トライアル/デモ: 要問合せ(デモ画面の案内あり)
  • 主な連携: SUUMO、HOME'S、athome、賃貸専門ポータル25サイト以上、LINE
  • 向いている会社: 賃貸仲介で反響対応の速度と追客効率を上げたい中〜大規模の会社。LINE追客を強化したい会社に特に向いている

ITANDI 賃貸仲介(旧:ノマドクラウド)

ITANDI(イタンジ)が提供する賃貸仲介特化CRM。正式名称は「ITANDI 賃貸仲介」(旧:ノマドクラウド)。「来店率の向上」を最大の目的に設計されており、反響取り込みから来店予約までのファネルを一気通貫で管理します。

25以上のポータル連携、追客メール自動送信に加え、最大の差別化ポイントは内見予約の自動化機能です。顧客がWeb上から物件の空き状況を確認し、希望日時を選んで内見予約を完了できます。「電話が繋がらない」「メールの返信を待っている間に他社で決まった」という賃貸仲介のスピード勝負の課題を解消します。

ITANDI 売買 PropoCloud(売買向け)との連携運用も可能で、同じITANDIグループのツールとして売買・賃貸の両業態を扱う会社にも適しています。売買はITANDI 売買 PropoCloudで長期追客、賃貸はノマドクラウドでスピード対応という使い分けが1つのベンダーで完結します。

来店率向上の仕組み: 反響直後の自動返信→物件提案→内見予約誘導→来店前日リマインドという一連の流れが自動化されるため、営業担当者が「電話をかける」前に来店予約が入るケースも。来店率の改善を数値で追跡する管理画面も充実しています。

  • 月額: 5〜15万円程度
  • 無料トライアル/デモ: 要問合せ
  • 主な連携: SUUMO、HOME'S、athome、賃貸ポータル25サイト以上、ITANDI 売買 PropoCloud
  • 向いている会社: 賃貸仲介で来店率を向上させたい会社。特にWeb予約を推進したい会社に強い

Taski

賃貸仲介特化の顧客管理システム。月額2.2万円〜と不動産特化CRMの中で最も手頃な価格帯が特徴で、「CRMを試してみたいが、高額なツールは導入のハードルが高い」という小規模仲介会社に選ばれています。

自動マッチング機能で顧客の希望条件(エリア・間取り・家賃帯など)に合った物件を自動提案し、継続的な追客を支援します。「1人で回している店舗」でも追客を自動化できるため、少人数体制の仲介会社にフィットします。

コスト面の注意点: 月額は安価ですが、初期費用5.5万円〜と最低契約6ヶ月の縛りがあります。6ヶ月分の総コストで他ツールと比較しましょう。また、機能面ではカナリークラウドやノマドクラウドほどの充実度はなく、「まずは顧客管理の基本を整える」段階のツールと捉えるのが適切です。

  • 月額: 2.2万円〜(初期費用5.5万円〜、最低契約6ヶ月)
  • 無料トライアル/デモ: 要問合せ
  • 主な機能: 顧客管理、自動マッチング、追客メール
  • 向いている会社: 費用を抑えつつ追客を効率化したい小〜中規模の賃貸仲介会社。初めてCRMを導入する会社のエントリーツールとして最適

売買・賃貸両対応CRM

いえらぶCLOUD

株式会社いえらぶGROUPが提供する、売買・賃貸両対応のオールインワン型不動産業務支援システム。CRM(顧客管理)だけでなく、物件管理、ポータルサイト一括入稿、自社ホームページ制作、業者間物件流通まで一気通貫でカバーする点が最大の差別化ポイントです。

「1つのシステムで業務を完結させたい」という会社に向いており、CRM・物件管理・入稿業務がバラバラのツールで運用されている状態を統合できます。30以上のポータルサイトへの一括入稿にも対応しており、入稿作業の効率化とCRMの顧客管理を同時に改善できる点は、単体CRMツールにはない強みです。

週1回のシステムアップデートで常に最新機能を提供しており、法改正対応(宅建業法改正によるIT重説対応等)も迅速。導入企業の業態が多様なため、ノウハウの蓄積も豊富です。

注意点: 機能が広範囲なため、導入初期の学習コストは高めです。「CRMだけ使いたい」という場合はオーバースペックになる可能性があります。自社の課題が「顧客管理だけ」なのか「業務全体の効率化」なのかを明確にした上で検討しましょう。

  • 月額: 10〜30万円程度(機能モジュールにより変動)
  • 無料トライアル/デモ: 要問合せ
  • 主な連携: 30+ポータルサイト、レインズ、各種業者間サイト
  • 向いている会社: CRM単体ではなく、業務全体のシステム統合を目指す中〜大規模の会社

いい生活(ESいい物件One)

株式会社いい生活が提供する不動産業務支援クラウドで、4,500店舗以上(2024年3月時点)の導入実績は業界最大級です。賃貸管理・賃貸仲介・売買仲介を一つのプラットフォームで管理でき、CRMとしてだけでなく基幹システムとしても利用可能な点が特徴です。

大手・中堅企業での導入実績が豊富なため、セキュリティ基準が高く、ISMS(ISO 27001)認証を取得した環境で運用されています。「上場企業のグループ会社でも採用できるセキュリティレベル」を求める場合の有力候補です。

API連携も充実しており、自社の基幹システムや会計ソフトとの連携が可能。「CRMだけでなく、賃貸管理(入金管理・契約更新管理)まで1つのシステムで完結させたい」という管理会社兼仲介会社のニーズに応えます。

注意点: 初期費用が30万円と高めのため、小規模会社には導入ハードルが高いです。また、機能が豊富な分、導入・初期設定に時間がかかる傾向があります。導入支援プログラムの活用を推奨。

  • 月額: 2万円〜(初期費用30万円)
  • 無料トライアル/デモ: 要問合せ
  • 主な連携: 主要ポータル全対応、レインズ、基幹システム連携API
  • 向いている会社: 基幹システムとしてCRMを位置づけたい中〜大規模の会社。管理業務も統合したいケースに最適

みらいえ

売買・賃貸両対応の顧客管理システム。店舗単位の月額課金(3.3万円/店舗)で利用人数に制限がないのが最大の特徴です。アカウント課金のツールでは「人が増えるとコストが倍増する」問題がありますが、みらいえは1店舗あたりの人数が多いほど割安になります。

料金の透明性が高い点も特徴で、月額3.3万円/店舗・初期費用5.5万円/店舗とWebサイト上で料金が明示されています。「見積もりを取らないと料金がわからない」ツールが多い中、予算策定がしやすいメリットがあります。

売買・賃貸の両業態に対応する基本的なCRM機能(顧客管理、追客管理、物件マッチング)を備えており、「高機能は不要だが、エクセル管理から脱却したい」というニーズにフィットします。

  • 月額: 3.3万円/店舗(初期費用5.5万円/店舗)
  • 無料トライアル/デモ: 要問合せ
  • 主な機能: 顧客管理、追客管理、物件マッチング(売買・賃貸両対応)
  • 向いている会社: 売買+賃貸を扱う小〜中規模の会社。特に1店舗に5名以上の営業がいる場合にコスパが高い

汎用CRM(不動産業でも活用可能)

Salesforce Sales Cloud

IDC調査でCRM市場シェア世界No.1を継続的に獲得しているSalesforce, Inc.のCRMプラットフォーム。不動産特化ではないものの、圧倒的なカスタマイズ性で自社の業務フローに合わせたシステムを構築可能。レポート・ダッシュボード機能は業界随一で、営業KPIの可視化やパイプライン管理が強力です。

AppExchange(Salesforce専用のアプリストア)で不動産業界向けのアドオンを入手でき、ポータル連携や物件管理の機能を追加することも可能です。大手不動産会社では、Salesforceをベースにカスタム開発して独自のCRMを構築するケースが増えています。

導入時の注意点: Salesforceの強みはカスタマイズ性ですが、それは裏を返せば「そのままでは不動産仲介に使えない」ことを意味します。導入・カスタマイズには専門のSalesforceパートナー(導入支援会社)が必要で、初期構築費用が100〜500万円程度かかるのが一般的です。また、月額もStarter Suite(3,000円/ユーザー)では機能が限定的で、実務ではProfessional(9,600円/ユーザー)以上が必要になるケースが大半です。

Salesforceが向いている/向いていないケース:

  • 向いている: 21名以上で独自の業務フローがある、既に他のSalesforce製品を使っている、IT担当者がいる
  • 向いていない: 20名以下で「すぐ使いたい」、カスタマイズ予算がない、不動産特化の機能をそのまま使いたい
  • 月額: 3,000円/ユーザー〜(Starter Suite)、実務ではProfessional 9,600円/ユーザー〜が目安。無料トライアル30日間あり
  • 主な連携: AppExchangeで不動産向けアドオン入手可、API連携は自由度が高い
  • 向いている会社: 21名以上の大手で、独自の業務フローに合わせたシステム構築が必要な会社

10ツールの比較だけでは決めきれない方へ。CRMと併用してFaciloを活用している仲介会社の事例をご覧ください
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CRM導入のROI試算|仲介手数料ベースで投資回収を計算

結論として、月額10万円のCRMでも月1件の追加成約(売買仲介手数料約96万円)があれば投資回収できます。5名規模なら年間コスト120〜240万円に対し、成約率が数%改善するだけで十分ペイする計算です。

「CRMを導入してペイするのか?」は経営者が最も気にするポイントです。仲介手数料ベースで具体的に試算しましょう。

月額コストと成約1件増の手数料収入を比較

不動産売買の仲介手数料は、売買価格400万円超の場合「売買価格×3%+6万円(税別)」です。

例: 3,000万円の物件を1件成約した場合

  • 仲介手数料 = 3,000万円 × 3% + 6万円 = 96万円(税別)
  • CRMの月額費用が5万円なら、月1件の追加成約で年間費用の16倍を回収

つまり、CRM導入によって年間で1件でも追加成約が生まれれば、投資は十分に回収できる計算です。

規模別シミュレーション

項目 5名(小規模) 15名(中規模) 30名(大手)
CRM月額費用 3〜5万円 10〜20万円 30〜50万円
CRM年間費用 36〜60万円 120〜240万円 360〜600万円
成約1件の手数料(3,000万円物件) 96万円 96万円 96万円
投資回収に必要な追加成約数/年 1件未満 2〜3件 4〜7件
営業1人あたりの追加成約 年0.2件 年0.2件 年0.2件

営業1人あたり年間0.2件(5年に1件)の追加成約が生まれるだけでペイする計算です。CRM導入企業では「追客の漏れがなくなった」「提案通数が3〜4倍になった」という声が多く、実際にはこの水準を大きく超える効果が期待できます。

賃貸仲介のROI試算

賃貸仲介の場合、仲介手数料は家賃1ヶ月分(上限)のため、売買仲介と比べて1件あたりの収益は低くなります。ただし成約件数が多いため、CRMによる効率化の効果は件数で現れます。

例: 平均家賃10万円の賃貸仲介の場合

  • 仲介手数料 = 家賃1ヶ月分 = 10万円(税別)
  • CRMの月額費用が3万円なら、月3件の追加成約で回収
項目 5名(小規模) 15名(中規模)
CRM月額費用 2〜3万円 10〜15万円
手数料/件(家賃10万円) 10万円 10万円
投資回収に必要な追加成約/月 1件未満 1〜2件
営業1人あたりの追加成約 月0.5件 月0.1件

賃貸仲介のCRM導入効果として多いのは、反響からの来店率の向上です。反響直後の自動返信やLINE追客により、来店予約の取りこぼしが減り、成約件数の増加につながります。

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不動産CRM導入でよくある5つの失敗パターンと対策

CRM導入の失敗は(1)高機能すぎて現場が使わない、(2)データ移行が不完全、(3)運用ルール未整備、(4)効果測定していない、(5)経営層が関与しない、の5つに集約されます。最も多いのは「高機能ツールを入れたが現場が使わない」パターンです。

CRM導入は「入れたら勝手にうまくいく」ものではありません。導入企業の現場で実際に起きている失敗パターンと、その対策を紹介します。

失敗1:「高機能すぎて現場が使わない」

典型例: 「Salesforceを入れたが、営業は結局エクセルで管理している」

多機能なCRMを導入しても、現場の営業担当者が使いこなせなければ意味がありません。特に不動産業界はITリテラシーにばらつきがある業界です。

対策: 最初から全機能を使おうとせず、「反響取り込み→顧客一覧表示→対応記録」の3ステップだけを先に定着させる。機能の追加は3ヶ月後から段階的に。また、入力しないと自分が困る仕組み(反響対応のステータスはCRM上でしか更新できない、日報がCRMの活動記録から自動生成される等)を作ると、定着が加速します。

失敗2:「ポータル連携を確認しなかった」

典型例: 「自社がメインで出稿しているポータルサイトに非対応だった」

SUUMOやHOME'Sに対応していても、地域密着型の中小ポータルには非対応というケースがあります。反響の手動転記が必要になると、CRM導入の効果が半減します。

対策: 契約前に「自社が出稿している全ポータルサイトのリスト」を提示し、対応状況を確認する。

失敗3:「既存データの移行を軽視した」

典型例: 「過去3年分の顧客データをエクセルからCRMに移行するのに2ヶ月かかった」

データ移行は想像以上に手間がかかります。エクセルのフォーマットがバラバラ、重複データの処理、項目のマッピングなど、事前準備なしでは導入が大幅に遅延します。

対策: CRMベンダーにデータ移行支援の有無と追加費用を事前に確認する。直近1年分の顧客データから優先的に移行し、古いデータは必要に応じて追加。

失敗4:「営業の抵抗で定着しない」

典型例: 「トップ営業が『俺のやり方の方が売れる』と言って入力しない」

CRM導入は営業のワークフロー変更を伴うため、抵抗が起きやすいのが現実です。特にベテラン営業ほど既存の方法に固執する傾向があります。

対策: 導入前にトップ営業を巻き込んで「入力すると自分が楽になる」メリットを体感させる。さらに有効なのは、トップ営業を「CRM推進リーダー」にすること。「あなたの追客のやり方をCRMのテンプレートに反映したい」というアプローチで巻き込むと、自然と使い始めるケースが多いです。マネージャーが率先して使う姿を見せることも定着の鍵です。

失敗5:「効果測定のKPIを決めていない」

典型例: 「導入して半年経つが、効果があったのかどうかわからない」

CRMを導入しても、Before/Afterの比較指標がなければ投資判断ができません。

対策: 導入前に以下のベースライン数値を必ず記録しておく。導入後1〜2ヶ月は「本当に効果があるのか?」と疑念が出やすい時期ですが、数値の改善を可視化できれば定着のモメンタムを維持できます。

  • 反響対応の平均所要時間(分)
  • 月間の追客件数(件/人)
  • 月間の物件提案数(件/人)
  • 来店率・内見率(%)
  • 成約率(%)

導入3ヶ月後・6ヶ月後にこれらの数値を再計測し、改善幅を確認します。

CRM導入前の準備チェックリスト

失敗を防ぐために、導入前に以下を確認しておきましょう。

# チェック項目 確認内容
1 現状課題の棚卸し 追客・顧客管理で最も困っていることは何か
2 必要機能の優先順位 全機能のうち、最初に使いたい機能トップ3は
3 出稿ポータルサイトの一覧 CRMが対応している必要があるポータルは
4 予算とROI目標 月額いくらまで許容できるか。何件の追加成約で回収か
5 既存データの整理 エクセルの顧客データは何年分・何件あるか
6 導入担当者の選定 設定・研修を社内で推進する担当者は誰か
7 導入スケジュール いつまでに運用開始したいか(目安: 契約から2〜4週間)

失敗パターンを回避して導入に成功した仲介会社の事例を見る
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CRM導入後の定着・活用促進ガイド

CRM導入の最大のハードルは「導入」ではなく「定着」です。不動産業界では「CRMを入れたけど結局使われていない」ケースが珍しくありません。定着に成功する会社と失敗する会社の違いは、導入後の最初の3ヶ月間の取り組みにあります。

定着ロードマップ: 3ヶ月間の段階的導入プラン

CRMの機能を一度に全て使おうとすると、現場が混乱して定着しません。以下の3段階で段階的に機能を展開するのが成功パターンです。

フェーズ 期間 やること ゴール
Phase 1: 基本定着 1〜4週目 反響取り込み+顧客一覧表示+対応記録の3機能のみ使う 全営業が毎日CRMを開く習慣をつける
Phase 2: 追客自動化 5〜8週目 自動追客メール、物件マッチング機能を追加 追客業務の50%以上をCRM経由に移行
Phase 3: 分析・最適化 9〜12週目 レポート機能、スコアリング、KPI管理を導入 マネージャーがCRMのデータで営業会議を回す

CRMの運用ルール——最低限決めるべき3つのこと

CRM導入時に以下の3つのルールを明文化しておくと、定着率が格段に上がります。

  1. 入力タイミングのルール: 「反響対応後24時間以内にCRMに記録する」「毎日退勤前に当日の活動を入力する」など、具体的なタイミングを決める
  2. ステータス管理のルール: 「反響→追客中→来店確定→商談中→成約」のステータス定義と、更新するタイミングを統一する
  3. 定期振り返りのルール: 「毎週月曜の朝会でCRMのダッシュボードを共有する」など、CRMのデータを使った振り返りの場を設ける

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CRM導入時のセキュリティとデータ移行

不動産仲介会社は顧客の氏名・住所・年収・勤務先・家族構成など、極めてセンシティブな個人情報を扱います。CRMに顧客情報を集約する以上、セキュリティ対策は最優先の確認項目です。

不動産仲介会社が確認すべきセキュリティ項目

不動産仲介の顧客情報には氏名・住所・年収・勤務先・家族構成など、個人情報保護法上の「要配慮個人情報」に近い情報が含まれます。CRM選定時には以下を確認しましょう。

確認項目 なぜ重要か(不動産仲介の文脈)
アクセス権限管理 営業は自分の担当顧客のみ、マネージャーは全顧客を閲覧——といった権限設計ができるか。退職した営業のアカウントを即時無効化できるかも重要
操作ログ 「誰がいつどの顧客データにアクセスしたか」の記録。個人情報漏洩時の原因特定と、宅建業法上の帳簿保存義務への対応に必要
解約時のデータエクスポート CSV/Excel形式で全データを出力できるか。対応履歴も含まれるか。CRMを乗り換える際にデータが人質にならないよう事前確認が必須
Pマーク・ISMS取得状況 大手仲介チェーンや管理会社との取引では、取引先のセキュリティ基準を求められることがある。認証の有無は信頼性の判断材料

データ移行の進め方

エクセルからCRMへのデータ移行は、適切な手順を踏めば大きなトラブルにはなりません。以下のステップで進めましょう。

ステップ 作業内容 ポイント
1. 棚卸し 移行対象のデータ量と形式を確認 エクセルファイルが何個あるか、フォーマットが統一されているか
2. 優先順位付け 直近1年分のアクティブ顧客から優先移行 3年以上前の顧客データは後回しでOK
3. クレンジング 重複削除、フォーマット統一、不要項目の整理 「鈴木太郎」と「スズキタロウ」が別レコードになっていないか
4. テスト移行 100件程度で移行テストを実施 文字化け・項目のずれがないか確認
5. 本移行 全データを一括移行 移行中は旧システム(エクセル)との並行運用を推奨
6. 検証 移行後のデータ件数・内容を照合 抜け漏れがないか全件チェック

移行期間の目安: 5,000件以下で1〜2週間、1万件超で3〜4週間。CRMベンダーの移行支援サービス(無料〜有料)を活用すると、自社の手間を最小限に抑えられます。

移行で最も多いトラブル: エクセルの列構成がバラバラ(担当者ごとにフォーマットが違う)で、データの突合に時間がかかるケース。移行前に「CRM側の必須項目」を確認し、エクセルデータをそれに合わせて整理する手順を踏みましょう。

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CRM・MA・SFAの違いと使い分け

不動産業界では「CRM」「MA」「SFA」が混同されがちです。自社に必要なのはどのツールなのかを正しく理解するために、3つの違いを整理します。

項目 CRM(顧客管理) MA(マーケティングオートメーション) SFA(営業支援)
目的 顧客との関係管理 マーケティング活動の自動化 営業活動の効率化
主な機能 顧客情報管理、対応履歴、追客管理 メール自動配信、スコアリング、シナリオ設計 商談管理、売上予測、活動報告
対象フェーズ 反響〜追客〜成約〜アフターフォロー 反響〜追客(ナーチャリング) 商談〜成約
不動産向けツール例 カナリークラウド、ITANDI 売買 PropoCloud、いえらぶCLOUD KASIKA Salesforce、GENIEE SFA/CRM
導入の優先度 ◎(まずここから) ○(CRM定着後に追加) ○(商談管理が課題なら)

不動産仲介会社にとっての最適解

結論として、不動産仲介会社がまず導入すべきはCRMです。理由は以下の通りです。

  1. 反響管理と追客が最優先課題: 仲介会社の日常業務はポータル反響の対応→追客→来店→成約というファネル。CRMはこのファネル全体をカバーする
  2. MA単体では不十分: MAは「メール配信の自動化」が中心で、顧客情報の管理や物件提案の効率化はカバーしない。CRMの上にMA機能を載せるのが理想
  3. SFAは「商談管理」が主目的: 不動産仲介では「商談」のフェーズよりも「追客(商談に至る前のアプローチ)」のフェーズが長いため、SFA単体では課題解決にならない

実際には、不動産特化CRMの多くがMA機能やSFA機能の一部を内包しています。KASIKAはCRM+MAの統合型、Salesforceはファミリー製品でCRM+MA(Pardot)+SFAを揃えられます。「自社の最も大きな課題が何か」に合わせて、CRMベースで必要な機能を追加していくアプローチが現実的です。

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Faciloという選択肢——CRMとは異なるアプローチで仲介力を強化

ここまで不動産CRM10選を紹介してきましたが、当社が提供するFacilo(ファシロ)についても紹介します(当社サービスのため詳しく紹介しますが、客観的に解説します)。

Faciloは「仲介力強化クラウド」として、CRMとは異なるアプローチで仲介会社の営業力強化を支援しています。2,578店舗以上の導入実績(2025年10月時点)があり、購入クラウド・売却クラウド・賃貸クラウド・事業用クラウドの4サービスラインを展開しています。

CRMとFaciloの違い

項目 一般的なCRM Facilo
主な目的 顧客情報の管理・追客の効率化 顧客への提案力・接客品質の向上
コア機能 顧客DB、追客管理、メール配信 顧客専用マイページ、行動ログ可視化、自動帯替え
顧客体験 社内向けの管理ツール 顧客が直接触れる提案ツール
差別化ポイント データの一元管理 「この営業担当は自分のことをわかっている」と思わせる接客

Faciloの主な機能

  • 顧客専用マイページ: 物件提案をWebページ形式で一覧共有。顧客はスマホから物件を比較・検討でき、「PDFが開けない」「メールの添付を探せない」といった不満を解消
  • 顧客行動ログの可視化: 顧客がマイページ上でどの物件を何回閲覧したか、いつアクセスしたかをリアルタイムで確認可能。「この顧客は昨夜3回も物件Aのページを見ている→温度が高い」という判断が根拠を持ってできる
  • 自動帯替え機能: 他社名入りの物件画像を自社帯に自動変換。物件画像の加工作業がゼロになる

CRMとの併用がおすすめ: FaciloはCRMの代替ではなく、CRMと組み合わせることで「データ管理(CRM)+顧客接点の質(Facilo)」の両方を強化できます。CRMで顧客を管理し、Faciloで提案の質を高めるという使い分けが効果的です。

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まとめ|不動産CRM選びで最も重要なこと

不動産CRM選びで最も重要なのは、「機能の多さ」ではなく「自社の業態・規模・課題に合っているか」です。

選定の3ステップを改めて整理します。

  1. 業態を確認する: 売買仲介なのか、賃貸仲介なのか、両方なのか。業態に特化したツールを第一候補にする
  2. 規模に応じた機能を選ぶ: 5名以下ならシンプルで安価なツールから。20名以上なら管理機能・レポート機能の充実度を重視
  3. ROIで判断する: 「月1件の追加成約で回収できるか」を基準に投資判断。感覚ではなく数字で決める

「高機能なツールを入れれば売上が上がる」という幻想を捨て、まずは現場が使いこなせるツールを選び、定着させることが成功の鍵です。CRMだけでは解決しきれない顧客体験の課題については、Faciloのような仲介力強化ツールとの併用も検討してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q1: 不動産CRMの月額費用の相場は?

不動産特化CRMの月額費用は、小規模(5名以下)で2〜5万円、中規模(6〜20名)で10〜20万円、大手(21名以上)で30〜50万円が相場です。アカウント課金の場合は1ユーザーあたり3,000〜1万円程度。初期費用は無料〜30万円と幅があります。

Q2: 小規模(5名以下)の仲介会社にもCRMは必要?

必要です。小規模だからこそ「1人が退職すると顧客リストが消える」リスクが大きく、CRMによるデータの組織化が重要です。ただし高機能なツールは不要で、Taski(月額2.2万円〜)やみらいえ(月額3.3万円/店舗)のようなコストパフォーマンスの高いツールから始めるのが現実的です。

Q3: CRM導入にかかる期間の目安は?

契約から運用開始まで2〜4週間が一般的です。ただし、大量の既存データ移行がある場合は1〜2ヶ月かかるケースもあります。導入を速めるコツは、直近1年分の顧客データから優先的に移行し、古いデータは後から追加することです。

Q4: エクセルからCRMへのデータ移行は大変?

CRMベンダーの多くがデータ移行支援を提供しています(無料〜有料)。移行の手間は、エクセルのフォーマットの統一度合いと件数に依存します。事前に「重複データの削除」「必須項目の確認」を済ませておくとスムーズです。

Q5: 売買と賃貸で別々のCRMを入れるべき?

売上比率が7:3以上で偏っているなら主力業態に特化したツール1つで十分です。5:5に近い場合は、両対応ツール(いえらぶCLOUD、みらいえ等)を選ぶか、業態ごとに特化ツールを併用します。ツールを2つ入れる場合はデータ連携の手間とコスト増を考慮しましょう。

Q6: CRM・SFA・MAの違いは?

CRMは顧客管理、SFAは営業活動の効率化、MAはマーケティング自動化が主目的です。不動産仲介ではまずCRMから導入するのが基本です。詳しくは本記事の「CRM・MA・SFAの違いと使い分け」セクションで比較表付きで解説しています。

Q7: CRM導入後、効果が出るまでの期間は?

導入後3〜6ヶ月で効果を実感する企業が多いです。最初の1〜2ヶ月はデータの蓄積期間で、「反響対応の時間短縮」「追客件数の増加」といった業務効率の改善が先に現れます。成約数への影響は3ヶ月以降から見え始め、6ヶ月〜1年で「CRM導入前と比べて追客からの成約が○件増えた」と定量的に評価できるようになります。

Q8: 無料で使える不動産CRMはある?

不動産特化CRMで完全無料のツールはほぼありません。ただし、Salesforce Starter Suite(3,000円/ユーザー/月)やHubSpot CRM(無料プランあり)などの汎用CRMを活用する選択肢はあります。無料・安価な汎用CRMは、不動産特化機能(ポータル連携、物件マッチング等)が搭載されていないため、結局手作業が多く残る点に注意してください。月額2〜3万円の不動産特化CRM(Taskiなど)に投資した方が、トータルのコストパフォーマンスは高くなるケースが大半です。

Q9: CRMの乗り換え(リプレイス)はどのくらい大変?

既存CRMから別のCRMへの乗り換えは、新規導入よりも手間がかかります。主な負担は「データのエクスポート→変換→インポート」の工程と、「営業担当者が新しいUIに慣れるまでの一時的な生産性低下」です。乗り換え期間は1〜3ヶ月が目安。乗り換えコストを考慮すると、最初のCRM選定で「3年以上使い続けられるツールか」を慎重に検討することが重要です。

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