「人で勝つ営業」をチームで再現する── Faciloで売主様への情報共有と営業品質の底上げを実現
- 課題
- 媒介後の売主様とのコミュニケーション品質が担当者ごとにばらつき
- 売却活動の進捗が売主様から見えづらく、不安につながりやすかった
- 追客のタイミングや頻度が担当者の力量に依存していた
- 解決策
- マイページで売却活動の進捗と反響状況を売主様にわかりやすく共有
- 媒介後の報告をFaciloに集約するルールを設け、運用として定着
- 売り出し物件レポートで競合物件や相場を売主様自身が確認できる環境を構築
- 導入の効果
- 売主様が相場を自ら確認でき、価格変更の提案への納得感が大きく向上
- コミュニケーション品質をチーム全体で底上げし、属人化を解消
- マネージャーが担当者の対応状況を把握しやすくなり、管理精度が向上

- 会社名:株式会社ウィル
- URL:https://www.wills.co.jp/
- 企業規模:26拠点/100名以上
- エリア:関西圏・中部圏・東京圏
株式会社ウィル様は、関西を中心に、不動産仲介やリフォームをはじめとする住まい関連サービスを展開し、現在は東京エリアにも拠点を広げています。同社が大切にしているのは、お客様に誠実に向き合い、丁寧に説明し、任せていただいた後も伴走し続ける「人で勝つ営業」です。
自由が丘営業所では、その営業姿勢を一人ひとりの力量だけに委ねるのではなく、チームとして再現できる形へと磨いています。若いメンバーが多い同営業所では、成功事例の共有や報連相の徹底を通じて、属人的になりやすい売却営業の品質を底上げしています。
その中でFaciloは、単なる業務効率化ツールではなく、「任せた後に、どのような売却活動を行い、どのような情報を共有するのか」を売主様にわかりやすく伝えるためのツールとして活用されています。
今回は、株式会社ウィル 東京支社 流通営業グループのチームマネージャー(課長)であり、自由が丘営業所の所長を務める有田舞雪さんに、同営業所が大切にする営業スタイルと、Facilo導入後の変化について伺いました。
不動産そのものではなく、「人」と「成長環境」に惹かれて入社した

──まず、有田さんが不動産業界に入られたきっかけを教えてください。
有田様(以下、敬称略):実は、最初から不動産業界を志望していたわけではありませんでした。就職活動では広告代理店などにも興味がありましたし、不動産会社としてウィルを見ていたというより、この会社と出会ったことで、不動産業界が選択肢に入ってきたという感覚でした。
きっかけは、ダイレクトリクルーティングのような形で、人事担当者に就職相談をしたことです。最初は「すごく親身に相談に乗ってくれる人だな」という印象だったのですが、就職活動を進める中で、自分の軸も少しずつ変わっていきました。
そのタイミングで人事担当者から「ウィルも選択肢として考えてみたら」と言われたことが、入社を考えるきっかけになりました。
──ウィルのどのような部分に魅力を感じたのでしょうか?
有田:面接のスタイルが印象的でした。一般的な面接というより、2時間ほどかけて、わたしがどのような人間なのか、これまでどのように過ごしてきたのかを丁寧に聞いてもらえる時間でした。
就職活動では、思ってもいないことを言わなければならない場面もあり、それを少ししんどいと感じていました。一方でウィルでは、わたしの性格や考え方を丁寧に見てくれて、「ここであれば自分を偽らず、のびのびと働けそうだな」と思えたんです。
また、活躍している女性社員も多く、頑張りたい20代がしっかりと力をつけられる環境があると感じたことも、入社を決めた大きな理由になりました。
──入社後は、どのようなキャリアを歩まれてきたのでしょうか?
有田:関西で5年ほど営業を経験した後、管理職に就きました。1年後には名古屋の新規店舗の立ち上げを任され、約2年間、チームを率いながら店舗運営に取り組みました。
名古屋での立ち上げは、会社の知名度がほとんどない状態からのスタートでした。そのため、「わたしたちはこういうことを大切にして営業しています」と、自分たちから伝えていくしかありませんでした。
チームメンバーと一緒に、どのエリアを中心に営業するのか、どの媒体から反響を獲得するのか、どのような営業スタイルで進めるのかを、一つひとつ試行錯誤していきました。大変なこともありましたが、振り返ると、楽しかった記憶の方が大きいですね。
──ウィルには、人を育てる文化が強くあるように感じます。
有田:そうですね。会社全体として、人の成長を大切にしている感覚はあります。社長がよく話す言葉に、「会社は使うもの」という考え方があります。会社のために働くのではなく、自分の人生を豊かにするために仕事を使いなさい、という意味です。
ただ、それは楽をするということではありません。自分の人生を豊かにしたいのであれば、仕事に意義を見いだすことが必要ですし、「こういう人になりたい」「もっと頼られる人になりたい」「自信をつけたい」と、主体的に仕事へ向き合う姿勢が大切になります。
その考え方があるからこそ、若いメンバーも「やらされている」のではなく、自分自身の成長のために仕事を活用するという感覚を持ちやすいのだと思います。
自由が丘営業所が目指すのは、属人的ではない「再現性のある営業」

──現在の自由が丘営業所では、どのようなチームづくりを大切にされていますか?
有田:自由が丘営業所は若いメンバーが多いため、チームで協力しなければ、お客様に良い情報を提供し続けることはむずかしいと感じています。
そのため、営業担当者同士で会話する機会や、みんなで考えて物事を決める場を多く設けています。報連相も徹底し、基本的には上司が状況を把握した上で、必要に応じて指示を出すようにしています。
ただ、管理しすぎると、メンバーの主体性が失われてしまいます。そこで、週に1回はメンバーだけで会議を行ってもらっています。話し合う内容は、主任クラスのメンバーとわたしが事前にすり合わせますが、実際の進行はメンバーに任せ、決まったことを報告してもらう形です。
──管理しながらも、メンバー自身が考える余地を残しているのですね。
有田:そうですね。わたしは、事前の根回しや調整を少し行う程度にしています。
失敗を許容する空気や、チャレンジしやすい空気、うまくいったことを惜しみなく共有する雰囲気づくりは大切にしています。新しいアイデアも、そうした環境の中から生まれると思っています。
──営業力をチームで高めるために、具体的に取り組んでいることはありますか?
有田:ロールプレーイングはかなり行っています。特に東京のお客様は情報リテラシーが高く、ご自身でも相場や不動産の仕組みについて調べている方が多い印象です。そのため、基本的な説明だけでは納得していただけないこともあります。
不動産の仕組みを説明するだけでなく、わたしたちがどのような姿勢で仕事に向き合っているのか、任せていただくことでどのような価値を提供できるのかまで、どの担当者でも同じようにお伝えできるよう、チームとして再現性を高めることを意識しています。
「ウィルの勝ち方は、画期的なサービスがあるから勝つというより、人の誠実さや丁寧さで勝っていく営業だと思っています」(有田様)
売却活動の可視化と、担当者に依存しないコミュニケーション体制の構築が課題

──売却営業において、Facilo導入前に感じていた課題はありましたか?
有田:ウィルにお任せいただいた後の、売主様とのコミュニケーションに課題を感じていました。
わたしたちとしては、広告掲載や反響状況の確認など、さまざまな活動を行っています。ただ、それがお客様からは見えづらいんです。売主様からすると、「実際に何をしてくれているのか」がわかりにくい。こちらが動いていても、それが伝わらなければ、不安につながってしまいます。
──その課題に対して、どのように対応されていたのでしょうか?
有田:LINEやメールで、「今はこういう活動をしています」「現在はこのような状況です」と、細かく報告するように指示していました。もちろん、それによって丁寧にコミュニケーションを取れる担当者もいます。
ただ、どうしても担当者によって差が出てしまいます。こまめにメールやLINEで報告できるメンバーもいれば、何から伝えればよいかわからないメンバーもいます。コミュニケーションの質が、担当者のまめさや力量に依存してしまうところがありました。
──媒介前の追客にも、同じような課題はありましたか?
有田:ありました。売却ポータルサイトや一括査定サイトからのお問い合わせは、複数の会社に同時に入ることが多いです。最初に接点を持てるかどうかは重要ですが、売主様の中には、まだ本格的に売却すると決めていない方も多くいらっしゃいます。
そのため、電話に出ていただけなかったり、すぐには訪問査定につながらなかったりすることもあります。そうした方とどのように接点を持ち続けるのか、どのタイミングで改めてご連絡するのかも、担当者の力量に左右されやすい部分でした。
Faciloは「任せた後の姿勢」を見せるためのツール

──Facilo導入のきっかけを教えてください。
有田:最初は、Faciloの担当者からご連絡をいただいたことがきっかけでした。当時ご提案いただいたのは購入向けのサービスでしたが、弊社では独自に開発している仕組みもあり、機能が重なる部分があったため、すぐには導入に至りませんでした。
ただ、その際に「売却向けのサービスもリリース予定です」と伺い、それは良さそうだという話をマネージャー間でも共有していました。その後、売却向けサービスがリリースされたタイミングで、改めて検討することになりました。
──導入の決め手は何だったのでしょうか?
有田:費用対効果だけで判断したというより、長期的に見たお客様の満足度や、ウィルの営業姿勢を表すものとして活用できそうだと感じたことが大きいです。
弊社の営業は、画期的なサービスがあるから勝つというよりも、人の誠実さや丁寧さで勝っていくタイプの営業です。その価値観と、Faciloが目指す売却体験の向上という方向性が近いと感じました。
──Faciloは、どのような位置づけのツールだと捉えていますか?
有田:Faciloがあることで、「このような形で情報を共有します」「物件情報の閲覧数や反響状況も確認できるようにします」「競合物件の動きも一緒に見ていきます」と、任せていただいた後の活動を具体的に説明できるようになりました。
わたしたちがどのような姿勢で売却活動に取り組むのかを、より説得力を持って伝えられるようになったと感じています。
「Faciloは、売却を任せていただいた後の姿勢を示すツールだと思っています」(有田様)
マイページと売り出し物件レポートで、売主様との接点をつくる

──実際には、どのような流れでFaciloを活用されていますか?
有田:反響が入ったら、まずは机上査定を作成してお送りします。査定価格をお伝えした上で、すぐに訪問査定につながらない方に対しては、Faciloでマイページを作成します。
その後は、マイページでの売主様の反応も参考にしながら、電話やメールでフォローしていきます。正直、作成してすぐに見ていただける方ばかりではありません。ただ、お電話である程度お話しできた方は、比較的ご覧いただける印象があります。
──訪問査定の場でも活用されていますか?
有田:はい。訪問査定につながった際には、相場をご説明する中でFaciloをお見せすることが多いです。売り出し物件レポートを使って、競合物件がどのような価格で売り出されているのか、価格変更がどのように行われているのかなどをご説明します。
また、任せていただいた後に、反響状況や物件情報の閲覧数を共有できることも、その場でお見せするようにしています。
売主様にとって、不動産の売却は頻繁に経験するものではありません。そのため、初回のご説明だけでは、売却活動の全体像をつかみにくい場合もあります。
それでも、「こうしたサービスを活用し、任せていただいた後も継続的に情報を共有します」と具体的にご説明できることで、ウィルとしての姿勢を伝えやすくなったと思います。
──売り出し物件レポートが、媒介前の提案で効果を発揮した事例はありますか?
有田:あります。印象に残っているのは、タワーマンションの売主様の事例です。その方は、ご自身でもSUUMOなどをよく見て情報収集をされていて、相場や競合物件への関心が高い方でした。
そのエリアは売り出し中の物件も多く、比較対象がたくさんありました。そこでFaciloの売り出し物件レポートを使って、周辺でどのような物件が売り出されているのか、価格帯や条件にどのような違いがあるのか、価格変更がどのように行われているのかをお見せしました。
営業側が一方的に説明するだけでなく、売主様ご自身でも情報を比較し、分析しやすい点を評価していただけたのだと思います。最終的には、そのレポートに好感を持っていただき、弊社にお任せいただくことにつながりました。
──媒介後の販売報告にも使われているのでしょうか?
有田:はい。媒介後には、販売状況や物件情報の閲覧数、反響状況などを共有する際に活用しています。
これまでもこうした情報はお伝えしていましたが、スクリーンショットで共有したり、別途資料にまとめたりする手間がありました。Facilo上で情報をご覧いただけることで、売主様にとってもわかりやすくなったと思います。
また、マネージャー側としても、誰がどのお客様に、どのような報告をしているのかを確認しやすくなりました。
担当者が個別にLINEやメールでやり取りしているだけでは、きちんと報告できているか、十分にコミュニケーションを取れているかが見えにくいことがあります。
Faciloがあることで、「このお客様には最近どのような報告をしているのか」「もう一度ご連絡した方がよいのではないか」と、担当者の対応状況を確認しやすくなりました。
売主様自身が相場を確認できることで、価格変更にも納得しやすくなる

──売り出し物件レポートは、媒介後の価格提案にも役立っていますか?
有田:役立っていると思います。これまでは価格変更をご提案する際に、営業側から「この価格帯に見直した方がよいと思います」とご説明していました。
ただ、売主様からすると、「本当にそうなのか」「価格を下げたいだけなのではないか」と感じることもあると思います。
もちろん、わたしたちは売主様にとって最も良い形で売却できるように考えてご提案しています。ただ、営業側から提示された情報だけでは、どうしても納得しづらい場面があります。
──Faciloがあることで、その点は変わりましたか?
有田:はい。売主様ご自身が、Facilo上で競合物件や周辺相場、価格変更の動きを確認できるようになったことは大きいです。
ご自身で一からポータルサイトを見て分析するのは大変ですが、Faciloでは比較しやすい形で情報がまとまっています。売主様自身が、ご自身の物件が市場の中でどのような位置にあるのかを考えられるため、価格変更の提案にも納得していただきやすくなったと感じています。
──実際に、売主様の反応が変わった事例はありますか?
有田:印象的だったのは、媒介後に売主様がマイページを定期的にご覧になるようになり、価格変更に前向きになったケースです。
当初は、こちらから価格変更をご提案しても、売主様には「できれば下げたくない」というお気持ちがありました。
ただ、Facilo上で周辺の競合物件や価格変更の動きをご覧いただく中で、ご自身の物件の立ち位置を客観的に捉えられるようになったのだと思います。
その結果、売主様から「以前ご提案いただいた価格変更の件ですが、確かに周りの物件より少し高いと思ったので、そろそろ下げようかと考えています」とお話しいただいたことがありました。
こちらが一方的に説得するのではなく、売主様自身が情報を見ながら、納得して判断できる状態をつくれる。それは、Faciloを活用する大きな価値だと感じています。
「売主様がご自身で相場を確認し、納得した上で判断できるため、価格変更への受け止め方が大きく変わります」(有田様)
工数は増えても、顧客体験と営業品質を高めるために使う意味がある

──導入後、営業担当者の作業負担には変化がありましたか?
有田:正直に言うと、作業時間が増えている面もあります。マイページを作成したり、情報を入力したりする手間はありますし、すぐに数字へ直結するものでもありません。
忙しい担当者からすると、「まだ続けるのですか」といった声が出ることもあります。特に、もともと自分でしっかりとコミュニケーションを取れている担当者ほど、「Faciloがなくてもできる」と感じやすい部分はあると思います。
──それでも活用を続けている理由は何でしょうか?
有田:お客様から満足しているという声をいただけることと、マネジメントしやすくなることが大きいです。担当者によってコミュニケーションの質に差が出てしまう部分を、少しでも底上げできることには意味があると思っています。
また、媒介後の報告をFaciloに集約するようになってからは、使わない担当者はいなくなりました。「媒介契約をいただいたら、Faciloで報告する」というルールにしたことで、運用として定着してきたと思います。
──単純な効率化ではなく、営業品質向上のための活用なのですね。
有田:そうですね。もちろん、今後さらに入力や管理がしやすくなれば、現場としては助かります。現状では、複数のシステムを開き、同じ情報をそれぞれに入力する場面もあります。そこがよりシームレスになれば、さらに使いやすくなると思います。
ただ、Faciloを使うことで、お客様が受け取れる情報量や安心感は高まります。営業担当者にとっても、訪問時にFaciloをお見せすることで話が弾んだり、少し重い雰囲気になった際に、コミュニケーションのきっかけになったりすることがあります。
「効率化だけを目的にするのではなく、顧客体験を良くし、営業品質をチーム全体で底上げするためにFaciloを使っています」(有田様)
「人の営業力」が強みの会社だからこそ、Faciloが生きる

──最後に、有田さんがこの仕事でやりがいを感じる瞬間を教えてください。
有田:今はマネージャーの立場なので、部下の成長を感じたときが一番うれしいです。
お客様に感謝されたことをきっかけに仕事が好きになったり、やらされている感覚のあったメンバーが、自分から「こんなことをやってみたいです」と言うようになったり。そうした変化を見るとうれしくなります。
売買仲介は、物よりも人で勝負しなければならない仕事だと思っています。小手先のテクニックだけでは通用しないため、人と向き合って誠実にやり取りする力や、人としての魅力が磨かれる仕事です。
──お客様との関係性で印象に残っていることはありますか?
有田:わたし自身の話でいうと、購入や売却がうまくいったことだけでなく、わたしが仕事に一生懸命取り組んでいる姿を見て、「自分も仕事を頑張ろうと思いました」と言っていただいたことがあります。
「任せて良かった」というだけでなく、人としても良い関係を築けたと言っていただけたことが、とてもうれしかったです。
部下がお客様から同じような言葉をいただくこともあります。「ウィルを見て、良い会社だと思った」と言っていただけるのは、ウィルらしい営業が伝わっている証拠だと感じています。
売買仲介は、知識やスピードだけでなく、人としてどのように向き合うかが問われる仕事です。
自由が丘営業所では、その姿勢を一人ひとりの感覚に委ねるだけでなく、Faciloも活用しながら、売主様への情報共有や報告をより丁寧に行える体制づくりを、これからも進めていきたいと思っています。
株式会社ウィル 恵比寿営業所 所長の近藤一穂氏にインタビュー。後発エリアで売主様に選ばれるための営業戦略、一括査定サイトからの反響に対する初動対応、Faciloを活用した相場説明や納得感のある価格提案についてご紹介します。
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